沖電気、画像から複数の顔を検出できる組込機器向け顔画像処理ミドルウェアを開発
組込機器向け顔画像処理ミドルウェア「FSE Ver3.0」を発売
~画像から複数の顔を検出し、特定人物の高速検出を実現~
OKIは、このたび撮影した画像から複数人の顔を高速に検出する機能を追加した顔画像処理ミドルウェア注1「Face Sensing Engine(TM)(以下FSE) Ver3.0」を開発し、本日より販売を開始します。本製品では、複数人の顔を撮影した画像からの顔検出および特定人物との照合までを可能とし、業界トップクラスの処理性能を実現しました。
近年、携帯電話のカメラは手軽な写真撮影の手段として、広く利用されています。しかしながら、一般に撮影されたファイルは日付や時間などの情報で管理されています。そのため、写真の内容で分類するには、撮影された画像データを閲覧して整理する必要がありました。
これに対し弊社では、「FSE Ver2.0」をベースに人物の顔で写真を分類することを可能とする新機能を開発しました。撮影中の画像から複数の顔を同時に検出し、予め登録された人物と照合する機能です。撮影時、画像データ内に写っている人物を特定し、ファイル名や内容情報に名前などを付加します。これにより、ファイルとして保存する際に写真の自動振り分けや、撮影後の写真検索を容易に実現します。
「FSE Ver3.0」では、撮影された画像データから顔の輝度分布および構造のパターンに類似した領域を検出することで、短時間に複数の顔を検出することを可能としました。検出した顔領域に対して、予め登録された人物との照合を行う一連の動作を、携帯電話にて業界トップクラスの処理性能を実現しています。顔の検出から照合までの処理時間は約0.4秒(ARM9/200MHz、検出人数3名、照合データ1名)です。同時に検出、照合する人数などパフォーマンスに影響する設定は自由に行なえるため、携帯電話の性能に応じて最適化することが可能です。
本製品は、カメラ撮影時のリアルタイム用途のほか、すでに撮影された静止画像ファイル、動画像ファイルからの特定人物の顔検索機能としても利用可能です。これにより、これまで撮影された写真の整理や動画像のシーン検索にも容易に応用できます。弊社は今後、「FSE」を活用した様々なソリューションを携帯電話市場のみならず、他の組込機器市場や映像監視市場へも積極的に提案していきます。
なお、本製品を利用した複数の顔検出および特定人物の検索につきましては、2006年11月9日から10日に六本木アカデミーヒルズ40(東京都港区)で開催する「OKI情報通信融合ソリューションフェア2006」に出展します。
【 特定人物認識イメージ 】
添付資料をご参照ください。
【 販売計画 】
標準価格:オープンプライス
出荷時期:2006年12月1日
販売目標:今後2年間で500万ライセンス
【 主な仕様 】
1.入力画像:QCIF~VGA(256階調)
2.最大検出人数:192人
3.検出可能顔サイズ:両目間距離 10画素以上
4.認識可能顔サイズ:両目間距離 15画素以上
5.処理速度*1:顔検出*2 約200mse
顔特徴点検出 約35msec/人
顔認識 約30msec/人
6.コンパクト、マルチプラットフォーム設計
対応プラットフォーム:Symbian、Windows Mobile、Linux、BREW、RTOSなど
ROM:340 KB、RAM:600 KB*3
*1 処理速度:ARM9 200MHzでの実測値
*2 検出・認識速度:入力画像サイズQVGA、検出可能顔サイズとして両目間距離を15画素に設定した場合の実測値。
*3 入力画像サイズQVGA
用語解説:
注1 ミドルウェア
OS上で動作し、アプリケーションソフトに対してOSよりも具体的な機能を提供するソフトウェア。OSとアプリケーションソフトをつなぐ性格のもの。
*沖電気工業株式会社は、グローバルに認知される成長企業をめざし、自社の表記を「OKI」に統一いたします。
*Face Sensing Engine、はOKIの商標です。
*Windows Mobileは米国Microsoft Corporationの米国およびその他における登録商標です。
*その他、記載されている会社名、製品名は一般に各社の商標または登録商標です。
【 本件に関するお客様からのお問い合わせ先 】
情報通信事業グループ インキュベーション本部
電話:048-431-5394
URL:http://www.oki.com/jp/FSC/ics/