矢野経済研究所、車載ネットワークの市場動向に関する調査結果を発表
■ 車載ネットワークの最新動向に関する調査結果
<調査要綱>
矢野経済研究所では、自動車内の情報通信ネットワークに関する実態を調査し、代表的な通信規格別にワールドワイドの市場規模、ノード(ネットワークに接続さているECUやセンサ、アクチュエータ)の搭載実績、技術動向、採用動向、規格策定動向等を明らかにすることで、今後の車載ネットワークの動向を分析、2015年までの市場規模を予測した。
1.調査期間: 2006年5月~8月
2.調査方法: 弊社研究員による面接取材、電話取材、文献調査等
3.調査対象: 車載ネットワーク(CAN、LIN、FlexRay、IDB1394、MOST)の採用動向
4.調査対象先: 半導体メーカ、システムメーカ、自動車メーカ、ソフトウェアメーカ
<調査結果サマリー>
● 車載ネットワークは、広帯域化と低コスト化により複数の標準規格が並存
・ 制御系は、デファクトスタンダードの「CAN」、低コストな「LIN」、広帯域の「FlexRay」
・ マルチメディア系は、欧州高級車向けに開発された「MOST」と民生から派生した「IDB1394」
● 制御系標準規格のノード数は、05年から15年にかけて約3倍に
・ 高付加価値化とコンパクトクラスへのカーエレ導入拡大に伴って、制御系車載ネットワークのノード数は05年7.8億ノードから15年26.4億ノードと約3倍に達すると推計される。
● 制御系車載ネットワークは、今後10年かけてFlexRayがCANを代替
・ 06年以降、欧州高級車が世界に先駆けて高速FlexRayを導入するが、その動きには2010年頃のブレーキバイワイヤの実現が視野に入っている。国内自動車メーカは、JasParを通じて低速FlexRay規格の普及を働きかけており、ワールドワイドに普及が進めば、FlexRayがCANを代替し主役に踊り出る可能性がある。
● マルチメディア系標準規格のノード数は、05年度から15年度にかけて約4倍に
・ リアシートエンタテイメントや、スピーカ搭載数の増加によりマルチメディア系車載ネットワークの市場が拡大。05年の2300万ノードから15年には9700万ノードと約4倍に達すると推計される。
● MOSTとIDB1394の規格間競争がアナログ配線を代替
規格間競争が取り上げられがちなマルチメディア系車載ネットワークは、規格間での価格競争が進み、デジタル対アナログへ市場構造が変化してゆく。
リアエンターテイメントなどの動画伝達が鍵。
「車載ネットワーク市場の推移(ワールドワイド)」
* 関連資料 参照
<資料発刊>
資料名: 「車載ネットワークの規格戦略と市場展望2006-CAN、LIN、FlexRay、MOST、IDB1394の標準化動向と市場規模-」
2006年8月28日発刊 定価:115,500円(本体価格110,000円、消費税5,500円)