フジタ、マイクロ風車を用いた防雪柵に設置可能な視野誘導灯システムを開発
防雪柵に設置する、マイクロ風車を用いた視野誘導灯システムの開発
株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区、社長:網本勝彌)、東京工芸大学(工学部:神奈川県厚木市、学長:小林信行氏)、青森県立柏木農業高等学校(青森県平川市、校長:福士有一氏)の3者は、青森県による平成17年度青森県小形風力発電システム開発補助金を受け、マイクロ風車(※1)を応用した「既存の移動式防雪柵に設置可能な視野誘導灯システム」を開発し、柏木農業高等学校に設置しました。
本システムは、防雪柵頂部に設置したマイクロ風車を用いて制風を行い、同時に発電した電力によって、防雪柵の支柱に設置したLEDの視野誘導灯の点灯/点滅/消灯などを作動させます。また、この制御は電源制御システムで行います。防雪柵は積雪地帯の国道や県道などの主要道路において広く設置されており、この視野誘導灯システムは地吹雪時などの安全走行に寄与するものです。本研究開発により、青森県の地域性を活かし、かつ既存のインフラを有効に利用して、新エネルギーの利用技術の普及を図っていきます。
「マイクロ風車を用いた防雪柵の特徴」
・ マイクロ風車で発電した電力で防雪柵に設置したLEDを点灯/点滅し、車の安全走行に寄与
・ マイクロ風車と防雪柵を用いて道路上のスペースを制風し、吹雪時の視程障害を軽減
・ LEDの点滅制御を電源制御システムにより行い、視認性向上と省エネ化を実現
・ 吹溜式防雪柵頂部に複数台のマイクロ風車を設置しても、風速分布の変化は僅か(機能、効果を損ねることがない)
「従来の防雪柵との違い」
・ 従来の視野誘導灯は商業電源を用いるのに対し、マイクロ風車は地吹雪などの強風時に発電と蓄電を行いながらLEDの点灯に必要な電力量を確保
・ 吹払式防雪柵の頂部にマイクロ風車を設置した場合、防雪柵の下部を流れる風の増速が、数値計算および風洞実験結果より期待でき、既設の吹払式防雪柵の機能向上が見込める
当社らは、今年度以降の実証実験により、LEDの色や点滅方法に関するアンケート調査により視認性の向上を図るとともに、吹溜式と吹払式の2種類の防雪柵に本システムを設置した場合の積雪量の変化の調査、発電量と消費電力量の確認、電源制御システムの安定性の確認などを行い、3年後の実用化を目指します。
(※1) マイクロ風車は、文部科学省の独創的革新技術開発提案公募制度(2000年度、環境分野)により、埼玉大学(代表者:川橋正昭教授)、東京工芸大学、株式会社フジタが試作開発したもので、直径50cmのプロペラで風の勢いを弱め(制風効果)、そのエネルギーを電気エネルギーに変換するシステム
* 関連資料「別紙」
電源制御システムの仕様
マイクロ風車の仕様
参考:「青森県立柏木農業高等学校におけるマイクロ風車を用いた防雪柵」の概要