CTC、米サーノフ社製の「H.264」規格適合検証用ツールを販売開始
CTC、米Sarnoff社のH.264規格適合検証用ツール
「H.264コンプライアンス・ビットストリーム」を販売開始
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(略称:CTC、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:奥田陽一)では、米国Sarnoff Corporation(サーノフ・コーポレーション、本社:ニュージャージー州プリンストン、President&CEO:Dr.James E.Carnes)が開発・製造する、次世代画像圧縮規格「H.264」の規格適合検証用ツール「H.264コンプライアンス・ビットストリーム」の国内における販売を本日より開始します。
H.264とは、地上波デジタル放送やDVDなどに広く採用されている動画圧縮規格「MPEG-2」に代わる規格として注目を集めている次世代の画像圧縮規格です。
現在、半導体メーカーやデジタルテレビなどを生産する家電メーカーは、H.264規格に適用する製品の開発を進めています。
H.264は、フレーム間予測(注1)や符号化(注2)を複数の方式から選択することが可能なため、その組み合わせは放送局ごとに異なります。そのため、米国をはじめとする諸外国向けに機器を製造するメーカーは、実地での適合検証を行う必要があり、検証期間とコストが大きな問題となっています。
「H.264コンプライアンス・ビットストリーム」は、デジタルハイビジョン受信機やケーブル(DTV/HDTV)、衛星放送のコンバータなどが、H.264規格に適合しているかを検証するための検証用ツール製品です。シミュレーションから製品化まで、デコーダの開発における各過程での適合試験に使用することが可能であり、また、わずか数秒という高速での検証が可能です。さらに、不適合箇所を発見した場合、解析結果を可視化した画面により、H.264規格との不適合箇所を容易に確認することが可能です。
これらの機能により、デコーダの開発期間、ならびにこれらを組み込んだ製品の市場への投入期間を大幅に短縮することが可能です。また、業界標準のテスト環境を利用することにより、実地での適合検証に伴う期間とコストを大幅に削減することが可能です。
CTCでは、これまでにもSarnoff社のMPEG-1、MPEG-2、ATSC、Open Cable、Closed Captioning、PSIP Program Guides、Digital V-Chipなどの映像関連製品の国内における販売活動を行ってきました。
今回「H.264コンプライアンス・ビットストリーム」の販売活動を開始したことにより、これまで以上にSarnoff社との連携を強化していく予定です。
■「H.264コンプライアンス・ビットストリーム」製品概要
(1)Rapid Type(ラピッドタイプ)
タイトルフレームが1フレームとテストフレームで構成されています。検証結果は次の(または最後の)フレームに伝播され、最後のフレームを確認することによって、適合/不適合を判別することができます。フレーム数は、約15フレーム程度(0.5秒以下)であるため、ソフトウェアの検証やLSIのシミュレーションに適しています。
(2)Visual Type(ビジュアルタイプ)
実時間での表示・実行を対象としています。1秒程度のタイトルフレームとRapidストリームと同様のテストシーケンスによって構成され、その後、不適合箇所の有無を明確に可視化することが可能な検証スクリーンが数秒追加されます。
テストはRapidストリームと同様の検証スクリーンに明確なエラーとして表示され、この最終検証スクリーンは、適合/不適合の証明として保管しておくことが可能です。
■対応ビデオフォーマット
1080i、720p、480p、576iの各種フォーマットがあります。また、小型ディスプレイサイズのモバイルフォーマットやカスタムフォーマットの提供も可能です。
■Sarnoff Corporationについて
Sarnoff社は、1942年にRCA研究所として設立され、カラーテレビ、IC、レーザーなど、全世界で利用されている技術をはじめ、セキュリティカメラや高性能ネットワーク、ワイヤレスコミュニケーションなど、多岐にわたる分野の研究・開発を行っています。
所在地:米国ニュージャージー州プリンストン
設 立:1942年
President&CEO:Dr.James E.Carnes
(注1)フレーム間予測
現在の動画圧縮技術の基礎となる技術。圧縮効率を高めるため、異なる時刻のフレームに基づいて予測画像を生成、入力画像と予測画像の誤差を符号化する方式。
(注2)符号化
デジタルデータを一定の規則に従って、目的に応じた符号に変換すること。
エンコードともいう。
以上