丸紅、中国「東方」と共同でベトナム電力などから石炭火力発電所建設を約540億円で受注
ベトナムにおいて中国大手重電機メーカーと共同で大型石炭火力発電所を連続受注
丸紅株式会社(以下「丸紅」)は、中国最大手の重電機メーカーである東方電気集団公司(本社:四川省成都市、以下「東方」)と共同で、ベトナム電力公社(Electricity of Vietnam、以下「EVN」)など同国内政府系公社3社が出資するHai Phong Thermal Power Joint Stock Company(特定目的会社)より、総出力60万キロワットのハイフォン2石炭火力発電所建設を受注し、本日契約調印致しました。受注金額は約540億円で、建設地はベトナム第3の経済都市であるハイフォン市の沿岸部です。契約内容は機器納入及び土木据付工事を含むフル・ターンキーで、主機である蒸気タービン及び発電機を丸紅が富士電機システムズ株式会社から調達・納入し、ボイラー等関連設備・土木据付工事を東方が担当します。
丸紅は、ベトナムにおいてこれまで7件の発電所建設を手掛けており、本案件の受注で、ベトナムでの発電所納入実績は総発電容量で二百四十万キロワットを超え、同国総発電量の約20%を占めることになります。今回の受注は、丸紅のベトナムにおける豊富な納入実績および、丸紅・東方グループの技術面・価格面での競争力が高く評価されたことに加え、昨年も今回と同じ規模の石炭火力発電所を東方と共同受注、現在建設中であり、その成果も高く評価された結果です。
本件の丸紅スコープにかかる資金については、国際協力銀行(JBIC)と民間金融機関との協調による輸出信用(バイヤーズクレジット)が供与される方向で検討が行われています。また、東方スコープの資金は、中国輸出入銀行による輸出信用(バイヤースクレジット)が供与される方向で検討が行われています。
本案件は、近年日系大手メーカーによる工場進出も活発で、これらの新興工業地域を中心に電力需要の伸びが著しいベトナム北部への電力の安定供給を担う緊急重要案件と位置付けられております。また、同発電所には高効率の無煙炭焚ボイラーを採用し、排煙脱硫装置も設置されるなど、環境においても特に配慮された発電設備です。
中国の重電機メーカーは、2008年の北京五輪以降の中国国内景気の動向を視野に入れ、主にアジア諸国向けに輸出攻勢をかけており、ベトナムも注力市場のひとつとなっています。本件は中国メーカーの価格競争力と丸紅の同国での豊富な発電所建設実績が相互補完し、受注に結びつけたケースです。
丸紅は、中国メーカーの優位性を生かせる案件について、今後も東方をはじめ中国大手重電機メーカーとの更なる協調関係を構築し、第三国向けの新規大型発電所建設に取組む方針です。
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