紀伊國屋書店、「NetLibrary」で全世界の図書館向けに日本語電子書籍を販売開始
紀伊國屋書店Net Libraryで日本語電子書籍の販売を開始
株式会社紀伊國屋書店(東京都新宿区 代表取締役社長吉岡公義)は、2007年1月より、電子化された日本語の書籍・雑誌・オーディオブック(e-Contents)を米国OCLC(Online Computer Library Center, Inc.)のNetLibraryシステムに搭載し、国内はもとより全世界の図書館向けに販売するサービスを開始いたします。
Net Libraryは、世界最大の図書館ネットワークである米国OCLCの一部門で、出版社が制作したe-Contentsを図書館向けに販売する世界最大手のe-Contentsプロバイダーです。Net Libraryでは、欧米のほとんどの主要出版社約440社の参加のもと、各分野の学術的な書籍を中心に、小説・ノンフィクション・趣味の領域にいたるまで、多種多様な範囲をカバーする書籍やオーディオブック12万タイトルを、世界50ヶ国、15,000館の図書館に販売している実績があり、世界各国で高い評価を得ております。
従来国内にこの種のe-Contentsサービスがなかったこともあり、かねてより各図書館より日本語電子書籍の提供について強いご要望をいただいておりましたが、このたび国内各出版社との契約に基づき、日本語コンテンツの販売を開始することといたしました。この日本語コンテンツは日本国内のみならず、上記の通り、世界50ヶ国のOCLC加盟図書館にて利用されることになります。
Net Libraryは「蔵書管理の省スペース・効率化、利用者向けサービスの向上」という図書館のニーズと、「著作権の保護、書籍販売モデルに類似する収益性」という出版社のビジネスの両面に配慮したバランスモデルとして、米国では最大のシェアを獲得しておりますが、最近では中国・韓国においても急速に普及してきております。また、先行している米国の出版界では、e-Contents化を進めることにより、従来の書籍販売にも拍車がかかる傾向があるとの認識が確立されてきており、これまで言われてきた「デジタル化すると本が売れなくなる」という出版社サイドの不安が払拭されてきております。一方、全世界の図書館からのアクセスが可能となるため、日本の出版社にとっては、新たに海外図書館販路についても期待されるところです。
紀伊國屋書店では、今後国内各出版社の協力のもと収録タイトルの充実を図り、主に大学図書館市場を中心とした販売展開を予定しています。2007年は、参加出版社50社、収録タイトル数1,300、国内外の契約図書館・機関数100、売上4億円を目標とし、3年後には10億円の売上を目指す方針です。
(OCLCについて)
米国オハイオ州に本部を置く世界最大の図書館相互協力ネットワーク。
目録、情報検索など図書館が必要とするサービスを提供しており、2006年8月現在、110以上の国および地域の57,000館以上の図書館が利用している。図書館の相互協力によって成り立っており、資源(情報)共有・業務の省力化・経費削減等に貢献しています。