日立、中国の清華大学と情報通信など共同研究強化で組織的連携協定を締結
清華大学と日立が組織的連携協定を締結
省エネルギー技術や環境技術などの新たな分野や人材の育成支援での連携を開始
清華大学(学長:顧秉林)と株式会社日立製作所(執行役社長:古川一夫/以下、日立)は、本日、両組織で人材の交流や技術の連携などについて取り組むための組織的連携協定を締結しました。両者はこの協定に基づいて、従来から進めていた情報通信や精密加工技術の分野での共同研究を一層強化するとともに、省エネルギー技術や環境技術など、従来、共同で研究することがなかった分野における新しい連携プログラムの企画などを推進していきます。また、清華大学において、日立の研究者などが学生向けに行う講演会を開催し、人材の育成支援を図っていきます。今回、日立は初めて海外の大学と組織的連携協定を締結するものです。
清華大学は、1911年の創立以来、中国理系トップクラスの大学として世界の科学技術の進歩に貢献してきた中国有数の総合大学です。世界の大学、企業などと多数の連携プログラムや共同研究を実施し、多くの成果を収めてきました。また、産学官などの分野に多数の人材を送り出しています。最近では、深に新キャンパスを設け、さらに最先端技術の進展を促進する体制を整えるなど、その重要性はますます高まってきています。
日立は、グローバル研究戦略における拠点の一つとして、2000年に北京の日立(中国)有限公司内に「研究開発中心」を設立し、2001年には清華大学との連合実験室を開設して世界最先端技術の研究を分担して行う体制を構築しました。さらに、2005年4月には研究開発部門を独立法人化して「日立(中国)研究開発有限公司」を設立しました。これまでに世界最大のIPv6ネットワークであるCERNET(China Education & Research Network)に関する技術開発、世界で初めての有線・無線シームレスハンドオーバ技術の開発など、特に通信分野における技術開発を進めています。今回、日立は初めて海外の大学と組織的連携協定を締結することで、グローバルでの研究開発体制を一層強化していきます。
両者はこれまでも、情報通信や精密加工技術分野において連合実験室を立ち上げ、大きな成果をあげてきました。これらの活動は、大学および企業の研究者が、テーマ別に企画、推進してきましたが、本協定締結後は運営委員会を設置し、定期的な情報交流を図りつつ、組織全体で連携を強化していきます。具体的には、まず、省エネルギーや環境技術に関する連携を考えていく予定です。
人材育成に関しては、清華大学において日立の研究者などによる講演会を開催し、技術の紹介だけでなく、国際的に活躍できるリーダシップを持った人材の育成を支援します。本年度のテーマは「企業における先端情報技術の開発」とし、日立の研究者が6回の講演会を行います。
今後、清華大学と日立は、両者の連携を他の大学や企業も加えたより大きなネットワークへと広げていきます。また、日立はグループ会社を含め組織的に対応していきます。
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