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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2024'11.26.Tue
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2007'04.28.Sat

ルネサステクノロジ、CPU向けボルテージレギュレータ用第二世代品をサンプル出荷

CPU向けボルテージレギュレータ用に、業界最高の高効率を達成した「integrated Driver-MOSFET(DrMOS)」準拠第二弾の第二世代品を製品化

- 当社従来品と同外観パッケージ/ピン互換性を有し、電力損失を20%以上低減 -


 株式会社ルネサス テクノロジ(本社: 東京都千代田区、会長&CEO 伊藤 達)は、このたび、PCやサーバ等のCPU向けボルテージレギュレータ(Voltage Regulator: 以下、VR)用に、ドライバICとハイサイド/ローサイド(注1)の2つのパワーMOSFETを56ピンQFNパッケージに集積した「R2J20602NP」を製品化しました。2006年12月よりサンプル出荷を開始します。

 本製品は、ドライバICとハイサイド/ローサイドスイッチ用2つのパワーMOSFETを集積するインテルコーポレーション提唱のパッケージ製品規格「integrated Driver-MOSFET (DrMOS)」(以下、DrMOS)に準拠しています。「R2J20602NP」は、本規格に準拠した当社の第一弾製品「R2J20601NP」に続く製品で、かつプロセス変更やパッケージ構造改良などにより、さらなる性能向上を図った第二世代品です。
 本製品の特長は、以下のとおりです。

(1)最大出力電流40Aを実現 
 当社の高性能パワーMOSFET、新規開発の高放熱/低損失パッケージ、およびパワーMOSFETの性能に最適化した高速ドライバICの各技術により、業界最高性能の高出力電流40Aを実現しています。これにより、CPUやFPGA、メモリなどの電子部品の大電流化に対応できます。 

(2)当社従来品と比較し、電力損失を20%以上低減 
 スイッチング周波数が1MHz動作において、最大効率は業界最高レベルの約89%(Vin=12V、Vout=1.3V時)を達成しています。出力電流が25A時における電力損失は、業界最小レベルの4.4Wであり、当社従来品の「R2J20601NP」と比較し、20%以上の低損失化を図っています。本製品を用いることで高効率の電源を構成し、発熱を抑えることができるため、機器の省エネルギー化を図れます。 

(3)第一弾製品とピン配置互換の小型パッケージ 
 パッケージは、当社従来品の「R2J20601NP」とピン配置互換です。8×8×0.95(mm)サイズの小型56ピンQFNパッケージで、高速スイッチングに適しているため、外付けするインダクタやコンデンサ等の受動部品の小型化や部品点数削減が可能です。これによりVRの大幅な小型化が図れます。 

< 製品化の背景 >
 インターネット等のブロードバンド化が進むにつれ、PCやサーバは、扱う情報量の増大、また高機能化等が図られています。これに伴い、CPUやFPGA、メモリなどの電子部品は低電圧・大電流化が進み、電力を供給する電源には、高速応答、低電圧化、大電流化と同時に高効率化や小型化が要求されています。
 当社は、これまでVRの高周波化・高効率化のためのキーデバイスとして、単体の高性能パワーMOSFET、並びにDrMOS準拠の第一弾製品「R2J20601NP」を市場に提供してきました。
 しかし、ブレードサーバ(注2)やディスク装置などの分野においては、装置全体の小型化、高密度化への要求が強まっており、電源回路にもさらなる小型化、低損失化、低発熱化の実現が必須となっています。このため、電源回路を構成する上でキーとなるパワーデバイスに対しては、より一層の低損失性能が求められています。
 今回、このような市場ニーズに対応するため、当社従来品より20%以上の低損失性能を実現したDrMOS準拠の第二弾製品「R2J20602NP」を製品化しました。

< 製品の補足 >
 本製品は、二つのパワーMOSFET(ハイサイドMOSFET、ローサイドMOSFET)とドライバICを56ピンQFNパッケージに集積した製品です。1パッケージ化により各デバイス間の配線寄生インダクタンス(注3)を非常に小さくでき、高周波動作に適しています。搭載したパワーMOSFETは、業界最高性能の当社最新パワーMOSFETを用いています。ローサイドMOSFETにはショットキーバリア・ダイオードを内蔵し、スイッチング時の損失を低減しています。さらに、ドライバICは、本MOSFETのオン/オフ制御に最適化しています。
 本製品のパッケージは、インテルコーポレーション提唱のパッケージ製品規格DrMOSに準拠したリードレス、高放熱タイプの小型面実装パッケージです。最小外形サイズは、8×8×0.95(mm)を実現しており、内部接続にワイヤレス構造となる銅板を使用しているためパッケージ内部の抵抗を大幅に低減しています。大電流の経路は、パッケージ裏面の大半を占める端子を利用するため、電流と熱の問題に対処することが出来ます。
 今回のDrMOS準拠の第二弾製品「R2J20602NP」は、12V入力、低電圧出力のアプリケーションに最適化しており、例えばf=1MHz、Vin=12V、Vout=1.3Vの条件で、最大効率は業界最高レベルの約89%を実現しています。また、高周波動作により、外付け受動部品の小型化や部品点数削減が可能になり、電源の大幅な小型化が図れます。

 今後、さらなる低損失化を目指すとともに、高機能製品のラインアップ拡大を目指し、製品開発を行っていく予定です。


■ 注記
(注1)ハイサイド/ローサイド(ハイサイドMOSFETとローサイドMOSFET):
 非絶縁型DC/DCコンバータのスイッチのために使用され、ハイサイドとローサイドを、同期をとりながら交互にオン・オフすることで、電圧変換することができる。ハイサイドスイッチはDC/DCコンバータのコントロール用スイッチで、ローサイドスイッチは同期整流用スイッチ。

(注2)ブレードサーバ:
 コンピュータの基本機能を搭載したブレード(Blade)と呼ばれる抜き差し可能な基板で構成されたコンピュータで、ベースシャーシに、必要に応じた複数のブレードを搭載する。各ブレードにはメモリやハードディスク、マイクロプロセッサなどが実装されており、高密度化、省スペース化が求められる。 

(注3)寄生インダクタンス:
 配線上に自然に存在するインダクタンスで、配線の長さに大略比例した値を持つ。この値が大きいほどパワーMOSFETをオン、オフさせるためのゲート電流が流れにくくなり、高速スイッチング動作を妨げる。特に、高周波スイッチング域では大きなスイッチング損失を発生させる原因となる。 

* 記載の製品名、会社名、ブランドは、それぞれの所有者に帰属します。

■ 応用機器例
・デスクトップPCやサーバ等のCPU用VR 
・高性能GPU(Graphic Processing Unit)、大電流DSP用のDC/DCコンバータ 
・通信等のPOL(Point Of Load)コンバータ 

■ 価格
 製品名           R2J20602NP 
 パッケージ         56ピンQFN 
 サンプル価格(円)<税込> 735 
 
■ 仕様
 (※ 関連資料を参照してください。)


< お客様からの問い合わせ先 >
 株式会社ルネサス テクノロジ 汎用製品統括本部 汎用デバイス事業部 製品技術部
 〒100-0004 東京都千代田区大手町二丁目6番2号(日本ビル)
 電話 03(5201)5241(ダイヤルイン)


以 上

■補足図1:概略図
■補足図2:電源効率比較
 (※ 関連資料を参照してください。)
 

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