IRジャパン、力率改善回路を内蔵した蛍光灯用バラスト制御ICをサンプル出荷
インターナショナル・レクティファイアー
力率改善(PFC)回路内蔵の蛍光灯用バラスト(安定器)制御ICをサンプル出荷
~ 定格600V、各種保護機能を内蔵 ~
パワー・マネジメント(電源管理)技術で世界をリードするインターナショナル・レクティファイアー・ジャパン(IRジャパン)株式会社(本社:東京都豊島区、江坂文秀代表取締役社長)は6日、力率改善(PFC)回路を内蔵した蛍光灯のバラスト(安定器)制御IC「IRS2166D」のサンプル出荷を開始しました。内蔵したPFC回路は、電源高調波のガイドラインを満たしています。定格は600Vです。
IRS2166Dは、PFC回路、バラスト制御回路、ハーフブリッジ(*1)駆動回路を内蔵したモノリシックICです。PFC回路は臨界導通モードで動作し、力率は0.99、全高調波歪率(THD)は10%以下、直流バス電圧の安定化精度は±2.5%以下です。ハーフブリッジの過電流、デッドタイム(*2)、予熱時間、予熱/動作周波数、ランプ寿命などの保護機能を備え、設計時にパラメータを設定可能です。このほか、衝撃によるランプ故障、フィラメント故障、直流バス電圧の低電圧ロックアウト(UVLO)の保護機能があります。UVLOモード時の静止電流は標準値で250μA。ブートストラップ回路や直流電源(VCC)のツェナー・ダイオード・クランプ(15.6V)を内蔵しています。
このICは、高電圧のレベルシフト機能に加え、電気的ストレスの保護と高い信頼性を提供する絶縁技術を採用したIR社の最新高耐圧IC技術を使って製造されています。
サンプル価格は、16ピンのDIP品(IRS2166DPbF)とSOP品(IRS2166DSPbF)が320円、テープ・アンド・リールのIRS2166DSPbFが330円(いずれも税込み)の予定です。欧州の規制RoHS(特定物質の使用規制)に準拠しています。評価基板(IRLLNR7)を用意しています。データシートと画像データはIRジャパンのホームページ(www.irf-japan.com)から入手できます。
<用語説明>
*1)ハーフブリッジ:直流を交流に変換するインバータ回路を構成するときの1つの回路方式です。2つのゲート駆動回路と2つのスイッチング素子(ここではハイサイドMOSFETとローサイドMOSFET)で構成します。ハーフブリッジ回路2個を並列に構成したものがフルブリッジ回路です。
*2)デッドタイム:ハイサイドMOSFETとローサイドMOSFETを同時にオフする期間のことです。ハイサイドMOSFETとローサイドMOSFETが同時にオンすると貫通(シュートスルー)電流が流れてしまうため、これを防止するために同時にオフする期間を作ります。出力回路を2つのMOSFETで構成した場合、上側のMOSFET(電流を供給する役割)をハイサイドMOSFET、下側のMOSFET(電流を吸い込む役割)をローサイドMOSFETと呼びます。
<インターナショナル・レクティファイアー(IR(R))社について>
IR社はパワー・マネジメント(電源管理)技術のリーダーです。IR社のアナログIC、アナログ/デジタル混在IC、最先端デバイス、電源回路やモーター制御回路の部品やシステムは、コンピュータ、インバータ・モーター搭載の白物家電製品、照明器具、車載用電子機器、宇宙航空用電子機器など幅広い分野において、機器の小型化、省エネ化、高機能化に貢献しています。本社は米国カリフォルニア州エルセグンド。IR社のホームページは www.irf.com 。
注:IR(R)はInternational Rectifier Corporationの登録商標です。当資料に記載されるその他の製品名の商標はそれぞれの所有者に帰属します。