日本IBM、「SOA」対応の金融機関向け新ソリューション体系を発表
SOAを活用した金融機関向け新ソリューション体系を発表
日本IBM(社長:大歳卓麻、NYSE:IBM)は、銀行、保険、証券といった様々な金融機関における既存の基幹系システムと、新商品や新サービス向けの新規システムとの連携を可能にするSOA(サービス指向アーキテクチャー)に対応した金融機関向け新ソリューション体系「RER-FSS (Rapid Enterprise Renovation for FinancialServices System)」を発表します。
規制緩和の進展、異業種を含む新規参入や市場の国際化による競争の激化など、ビジネス環境の変化に伴い、金融業界では金融商品の多様化、新商品投入までの時間短縮、高度な金融サービスの提供などが求められています。一方、銀行の勘定系システムをはじめとする金融機関における既存の基幹系システムは、極めて堅牢かつ高速処理に最適化されているため、その信頼性や処理能力を損なうことなく新商品や新サービスの開発スピードを向上させることが大きな課題になっています。
SOAは、「残高照会」「決済」といった業務処理ごとの単位で、それぞれを必要に応じて連携させてシステムを構築する設計手法です。本日発表の「RER-FSS」は、既存の基幹系システムもSOAに対応できるため、金融機関は既存の基幹系システムに変更を加えることなく、商品開発用などの新規に構築したシステムと既存の基幹系システムを容易かつ迅速に連携させることができます。
例えば「住宅ローン」の新商品を新規システムで構築する際に、基幹系システムが持つ「残高照会」や「振込み」などの処理機能を、既存システムの処理能力に影響を与えることなく新規システムで活用することができます。また「残高照会」や「振込み」などの既存の機能を新規に開発することや、既存のシステムに変更を加える必要がなくなるため、お客様は新商品を迅速に市場へ投入することができます。同様に、普通預金の残高や取引の履歴を住宅ローンの金利と連動するといった複合商品の開発や、銀行の商品と証券会社や保険会社の商品を組み合わせた新サービスなど、業態を超えた新商品開発も容易になります。
「RER-FSS」の具体的なソリューションとして、銀行の勘定系ソリューションとして多くの銀行で採用されている「DSEバンキング」のSOA対応を可能にする「DSE SOAWrapper」を2007年上半期から提供する予定です。
また、お客様の実業務を用いて検証するための検証環境を、日本IBMの大和研究所(所在地・神奈川県大和市)に構築しました。
以上