三井住友建設、経済性・施工性実現の「タワークレーンフロアクライミングシステム」を実用化
超高層RC造集合住宅におけるフロアクライミング工法
~大型タワークレーン7基のフロアクライミング実施及びタワークレーン荷重柱1層受け工法の実現~
三井住友建設(株)(東京都新宿区西新宿7-5-25 社長五十嵐久也)は、超高層RC造建物を構築する上で有効な「タワークレーンのフロアクライミング工法」において、タワークレーンの稼動時等における補強方法の改良、及び独自の荷重受けシステムの開発により経済性・施工性を兼ね添えた「タワークレーンフロアクライミングシステム」を実用化しました。石川島播磨重工業株式会社と三井不動産レジデンシャル株式会社発注による「アーバンドックパークシティ豊洲」(江東区豊洲2丁目)の新築工事において、本システムを採用した新規クライミング工法を含め、大型タワークレーン7台のフロアクライミングを実施・施工中です。
■背景
超高層RC造建物では、一般的に建物を構築する上でタワークレーンを建物外部に設置し、工事の進捗に従ってマストを継ぎ足していく「マストクライミング工法」を採用しています。この工法の場合マストを地上から設置するため、建物が高くなるほど使用するマスト、及びマストの控え(ステー)の増加を含めコスト増の要因とされていました。
フロアクライミング工法は、鉄骨造では一般工法として採用されていますが、RC造の場合、現場打ちコンクリートの梁等に荷重を負担させるため、強度の発生条件等により、タワークレーンを支えることが非常に困難でした。
この問題を解決するために、近年では超高層RC造建物構築における「フロアクライミング工法」が開発され、その採用も年々増加しています。従来の「フロアクライミング工法」では、タワークレーンの荷重を躯体補強せず、ベース設置本設梁の下部に仮設支柱(2層)を設置し、タワークレーンの荷重を受ける方法(鉛直型補強支柱荷重受け工法)が一般的に採用されています。この方法の場合、梁に直接荷重が伝達されるため、タワークレーンの規模によっては補強に限界もあり、経済性・施工性に困難が生じます。
このほど当社にて開発した「新規タワークレーンフロアクライミング工法」は、従来タワークレーンの荷重を梁受けしていた上記工法に替わり、ジャッキ付支柱を梁より斜めに柱に設置することで直接柱で受ける工法(柱直接受け工法)とし、1層受けを可能としました。また、ジャッキ付支柱をベース下部に設置したスライド型装置によりベース下部に格納することで、荷重受け(ジャッキ付支柱)の盛替えがフロアクライミングと同時作業になり、従来工法に比べ作業性のよさ・高効率化を実現しています。
※以下、詳細は添付資料を参照