シャープ、次世代不揮発メモリRRAMの基礎技術を開発
次世代不揮発メモリRRAMの基礎技術を開発
シャープは、独立行政法人産業技術総合研究所との共同研究により、フラッシュメモリの約100倍の高速書込みが可能な次世代不揮発メモリ“RRAM(※1)”の新規高速書換え方式に関する基礎技術を開発いたしました(※2)。これは実用化に向けた第1歩の成果であり、今後、集積化技術や微細加工技術など、さらなる研究開発を継続し、実用化を目指してまいります。
RRAMは、金属酸化膜の電気抵抗の変化を記憶情報とするメモリ素子で、低電圧でかつ高速に素子の駆動が可能なことから、低消費電力で大容量データを高速書換えできる次世代メモリとして期待されています。しかし、RRAMの基幹部分である金属酸化膜の抵抗変化の挙動が解明されず、RRAMの特長を活かした素子の実現が困難でした。
このたび、当社は独立行政法人産業技術総合研究所と共同研究により、RRAMのメモリ素子の情報が記憶される抵抗変化部分以外の抵抗成分に注目、これまで制御していなかったこの抵抗成分を、情報を書込み時・消去時に異なる値にする「高速ユニポーラスイッチ方式」を開発。従来の正負二電源が必要であったRRAMの書込み消去を、単一電源で行うことが可能となり、シンプルな回路構成でメモリ素子を動作させることに成功いたしました。これにより、低消費電力でかつ高速書換えが可能なRRAMのセル構造を大幅に単純化して、セルサイズを小さくすることができます。さらに、一般的なCMOSプロセスとの整合性が高い材料を使用しているため、既存の生産ラインの流用も可能です。
今後は、メモリ素子の集積化技術や微細加工技術など、さらに着実なる研究開発を推し進め、実用化に向けた課題解決に取り組んでまいります。
※1 RRAM(アールラム):Resistance Random Access Memory 、RRAMはシャープ株式会社の商標です。
※2 本研究開発の一部は、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託を受けています。
本内容は2006年12月11日よりアメリカ・カリフォルニア州で開催されるデバイス関連の国際会議IEDM(International Electron Devices Meeting)にて発表いたします。