資生堂、染料と粉末の複合化技術を用いた新複合色材「トランスレッド」を開発
染料と粉末の複合化技術を用いた新複合色材、「トランスレッド」を開発
光発色効果で“今までにない赤色発色”の口紅を実現
資生堂は、染料と粉末の複合化技術※1により、紫外線や青色の光を赤色の光に変換して発光する新複合色材「トランスレッド※2」の開発に成功しました。
この「トランスレッド」は、今までにない明るい赤色の色材であり、口紅に配合することで透明感が高く、美しく鮮やかな色調が実現でき、口紅の色幅を拡大することが可能になりました。
資生堂では、この「トランスレッド」を配合した新口紅「マキアージュシアークライマックスルージュ」<12色>と「マキアージュカラーオンクライマックスルージュ」<12色>を2007年1月21日(日)より発売します。
※1:複合化技術:素材に染料を吸着させ、発色させる染色技術のこと。(例:ウールの染色など)
※2:トランスレッド:トランスペアレントレッドピグメントの略。「透明感のある赤い色材」という意味。
口紅に求める機能
資生堂では、20~50歳代の女性に「口紅に望むこと」についてアンケート調査(2006年8月、N=1097名)を実施したところ、「ツヤ・うるおい」の他に「色が自分に合うこと」「発色が良いこと」など、口紅の「色」への意識が高いという結果が得られました。
これまでも口紅の「色」を進化させるために様々な工夫がされてきました。例えば、輝き感や立体感を演出するための様々な種類のパール剤の開発や、発色を良くするための粉末表面処理技術による色材分散性の向上などです。しかし、これまでの色材の課題であった「透明感や鮮やかさのなさ」や「口紅の色幅拡大」は解決されていませんでした。
新複合色材「トランスレッド」の開発
そこで資生堂は、「きれいな唇の色」である「赤」に着目し、新しい色材の開発に着手しました。今回開発した「トランスレッド」(図1)は、従来から口紅の原料として汎用されている赤色の染料と、種々の粉末の中から選定した特異的な吸着部位を持つアミド系樹脂粉末を独自の配合量比で複合した新しい複合色材です(特許2件出願中)。
この「トランスレッド」は、紫外線や青色の光を変換して非常に強い赤色の反射光を作り出す特長があるため、くすみのない鮮やかな赤色を演出することができます(図2)。
また、「トランスレッド」は光を取り込んで発色するため、絵の具のように「厚く塗ると濃くなる」「混ぜると暗くなる」ということもなく、「にごりのない透明感の高い赤色」を実現します。
この「トランスレッド」を口紅に配合することで、透明感のある美しい仕上がりを実現できるとともに、今までの色材では困難であった鮮やかな色調の配置も可能となります。