富士経済、2006年の清涼飲料市場調査結果を発表
2006年の清涼飲料市場調査を実施
透明炭酸飲料は3年連続拡大 2006年の市場は813億円(前年比33%増)に
総合マーケティングビジネスの(株)富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 代表取締役 阿部英雄03-3664-5811)は、2006年の清涼飲料市場5分野40品目について調査し、その結果を「2006年 清涼飲料マーケティング要覧 No.2」にまとめた。
本報告書では、各飲料市場における最新動向を最盛期の夏場の実績を踏まえ詳細に分析、併せて各飲料市場のメーカー別容器・容量別販売動向、チャネル展開状況、チルド飲料市場の分析を行った。
<調査結果の概要>
1.2006年の清涼飲料市場
分野 2005年 2006年見込 前年比増減
嗜好飲料 1兆9,530億円 1兆9,387億円 ▲0.7%
乳性飲料 1兆1,751億円 1兆1,542億円 ▲1.8%
果実・野菜飲料 5,481億円 5,689億円 3.8%
炭酸飲料 5,096億円 5,141億円 0.9%
その他飲料 8,693億円 8,909億円 2.5%
合計 5兆 551億円 5兆 667億円 0.2%
2006年は、前年の緑茶一色から一転し、他の有力ブランドにもプロモーション活動を多く振り向けたことから、日本茶市場は減少したものの、紅茶やブレンドティなどが回復へと転じている。長梅雨による需要減退が懸念されたが、ミネラルウォーター類や野菜系飲料、健康サポート飲料などは前年に続き拡大しており、2006年の清涼飲料市場は、数量・金額ともに前年を上回るとみられる。
嗜好飲料では、日本茶は前年に各社が注力度を高め大きく成長したが、2006年はトップの伊藤園を除く上位各社が反動によって苦戦を強いられた結果、初のマイナス成長になるとみられる。一方で、缶コーヒーは新商品効果や嗜好別のマーケティング展開の本格化が功を奏し、日本茶に需要を奪われ続けてきたブレンドティは、「爽健美茶」「十六茶」の2大ブランドの回復によりプラス成長の見込である。
乳性飲料は、飲用牛乳や白物乳飲料の減少が続いているが、カップ乳飲料の「マウントレーニア」(森永乳業)や「スターバックスディスカバリーズ」(サントリー)などが拡大し、さらに乳酸菌飲料の新商品「植物性乳酸菌ラブレ」(カゴメ)も市場拡大に大きく貢献している。また、定番商品化している「雪印コーヒー」や「ピルクル」(日清ヨーク)といったロングセラー商品も健闘している。
果実・野菜飲料では、「1日分の野菜」(伊藤園)、「野菜一日これ一本」(カゴメ)などの野菜飲料や、相対的な価格の低さと飲み易さが再評価されている野菜入混合果汁飲料が増加し、野菜系飲料の2ケタ増が見込まれる。一方で、規模の大きい100%果汁飲料や果汁入清涼飲料などは、野菜系飲料に需要を奪われ減少している。
炭酸飲料は、昨今の健康志向を背景に低・ノンカロリー商品が増えている。コーラフレーバー飲料では「ペプシネックス」が「ペプシ」ブランドのトップに成長し、「コカ・コーラ」もダイエット商品が実績を拡大している。また、甘さを敬遠する一方で炭酸の爽快感を求める消費者をターゲットに無糖炭酸飲料が続々登場している。
その他飲料では、ミネラルウォーターが好調で、2006年も2ケタ増が見込まれる。一人当たりの消費量の増加に伴い、消費者の価格に対する受けとめ方はシビアになっており、国産ミネラルウォーターの価格競争はますます激化している。今まではそのブランド力により価格競争には無縁であった輸入ミネラルウォーターも、他ブランドに比べて値頃感のある「クリスタルガイザー」が急成長を遂げており、市場は微妙に変化している。
2.2006年の成長市場
乳酸菌飲料
2005年 158億円 2006年見込 230億円(前年比 45.6%増)
乳酸菌飲料は、乳酸菌が1ccあたり100万個以上、無脂乳固形分が3%未満の商品で、乳製品乳酸菌飲料(乳酸菌が1ccあたり1,000万個以上、無脂乳固形分が3%以上)と類似した市場特性を持っており、より嗜好性が強く、64mlサイズの幼児向け商品が中心となっている。そのため主要購買層は子供を持つ主婦であり、量販店での価格競争が繰り広げられている。
少子化による需要減から1994年をピークに市場は減少を続けてきたが、2006年は、カゴメが「植物性乳酸菌ラブレ」を発売し、TVCMの大量投下、"植物性乳酸菌"をテーマした需要喚起策により、80億円の販売が見込まれる。"ラブレ"効果により市場は一気に回復し、話題性の高さから他のメーカーも"植物性乳酸菌"飲料を強化し始めており、市場は2001年以降割り込んでいた200億円を突破するとみられる。カゴメの「植物乳酸菌ラブレ」は、生産ラインの増設によって販売エリアも拡大されることから、今後も販売増が見込まれる。
透明炭酸飲料
2005年 613億円 2006年見込 813億円(前年比 32.6%増)
透明炭酸飲料の市場は、「三ツ矢サイダー」(アサヒ飲料)を筆頭に、「スプライト」(コカ・コーラボトラーズ)、「キリンレモン」(キリンビバレッジ)と知名度の高いロングセラーブランドが市場の大半を占めている。しかし、消費者の甘み離れや炭酸離れから需要が減退しており、市場は2003年まで縮小推移してきた。2004年に、「三ツ矢サイダー」発売120周年の大規模キャンペーンや夏場の猛暑により市場は回復し、2005年も引き続き拡大した。
2006年は、キリンビバレッジが新製品「NUDA」でTVCMやサッカーワールドカップと連動した販促を展開したことで、無糖の透明炭酸飲料が注目を集めた。無糖の透明炭酸飲料は、砂糖離れが進む飲料市場で日本茶やミネラルウォーターでは物足りないユーザーを取り込む形で拡大していると見られ、「カナダドライ スパークリングドライレモン」(コカ・コーラボトラーズ)、「ダサニ スパークリング」(同)、「アクアスタイル レモン香る微発泡水」(ポッカコーポレーション)、「酸素入りスパークリングウォーター新呼吸」(サントリー)などの新製品が相次いだ。そして、コカ・コーラボトラーズの炭酸を含んだスポーツ飲料「アクエリアス フリースタイル」がヒットし、大幅に市場は拡大する見込みである。
健康サポート飲料
2005年 1,010億円 2006年見込 1,174億円(前年比 16.2%増)
栄養成分や効果・効能を謳った機能型ドリンクと、食事代替や栄養補給を訴求したスパウト付パウチ容器のゼリー飲料を中心とした栄養バランスドリンクで構成される。
2006年は、ハウス食品の「ウコンの力 ウコンエキスドリンク」、「ニンニクの力 元気プラスドリンク」、明治製菓の「アミノコラーゲンドリンク」、ロッテ健康産業の「コラーゲン10000+ビタミンC1000」、花王の「ヘルシアウォーター」などが牽引し市場を拡大している。また、スパウト付パウチは競争激化から伸び悩む商品も出てきているが、トップブランドの森永製菓「ウイダー in ゼリー」が引き続き好調である。また、蒟蒻ゼリーや"カロリーゼロ"を訴求したものなど商品の多様化も進み実績は拡大している。2006年の市場は前年比16%増の1,174億円が見込まれる。
<調査期間>
2006年8月~10月
<調査方法>
弊社専門調査員による面接および電話取材と関係公表資料を参考に集計・分析。
<調査対象>
・果実・野菜飲料 100%果汁飲料、果汁飲料、果汁入清涼飲料、低果汁入清涼飲料、果粒含有果実飲料、果肉飲料、野菜系飲料
・炭酸飲料 コーラフレーバー飲料、透明炭酸飲料、果実着色炭酸飲料、乳類入炭酸飲料、ジンジャーエール、果汁含有炭酸飲料
・乳性飲料 飲用牛乳、乳飲料、乳製品乳酸菌飲料、乳酸菌飲料、乳類入清涼飲料、殺菌乳製品乳酸菌飲料(ストレート)、ドリンクヨーグルト
・嗜好飲料 缶コーヒー、リキッドコーヒー、(PETボトルコーヒー)、紅茶、ウーロン茶、麦茶、日本茶、ブレンドティ、その他ティドリンク、(機能型ティドリンク)、ココアドリンク、冬期型飲料
・その他飲料 国産ミネラルウォーター類、輸入ミネラルウォーター類、食系ドリンク、健康サポート飲料、機能性清涼飲料、(スポーツドリンク)、豆乳類・大豆飲料、ビネガードリンク
以上
資料タイトル:「2006年 清涼飲料マーケティング要覧 No.2」
体裁 :A4判 304頁
価格 :150,000円(税込み157,500円)
調査・編集 :富士経済 東京マーケティング本部 第一事業部
TEL:03-3664-5831 (代) FAX:03-3661-9778
発行所 :株式会社 富士経済
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