富士経済、中国の情報・通信関連機器市場調査結果を発表
中国の情報・通信関連機器市場調査を実施
-世界への供給が拡大する中国電子機器産業-
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 阿部英雄 代表取締役)は、このほど中国におけるパソコン(3品目)及び周辺機器(6品目)、映像情報機器(2品目)、通信機器(3品目)の生産、国内販売・輸出、部品供給状況などの調査を実施した。その結果を調査報告書「2006年 中国電子機器産業・市場の展望 下巻(PC・周辺機器、映像情報機器、通信機器編)」にまとめた。
◆2005-2006年 中国PC、PC周辺機器、映像情報機器、通信機器産業の特徴
PC、PC周辺機器、映像情報機器、通信機器は、台湾企業や欧米、日系、韓国系の企業が世界市場に供給するために中国を生産拠点としており、輸出を中心に生産台数は年々急増している品目が多い。特にノートPC、LCDモニタ、DVD記録型ドライブ、デジタルカメラ、携帯電話機などで外資企業による輸出が増えた。中国国内市場では、ノートPC、LCDモニタ、DVD記録型ドライブ、デジタルカメラなどが急増しており、高付加価値の製品が徐々に浸透し始めている。一方、携帯電話機は国内メーカーの生産過剰が続き、事業整理に入った企業が多く、2005年、2006年と調整が行われている。 2007年以降も引き続き世界市場への供給のための生産は増え続けると見られる。
2006年見込の輸出台数
輸出台数 前年比
携帯電話機 2億6,720万台 17%増
LCDモニタ 9,560万台 32%増
DVD記録型ドライブ 7,660万台 39%増
デジタルカメラ 5,940万台 18%増
◆調査結果の概要
1.中国国内市場
調査対象の中で最も市場規模が大きいのは携帯電話機であるが、2005年は前年の1億1,100万台強から8,700万台と大きく減少した。2006年はやや持ち直し9,100万台が見込まれ、2007年には1億台、2008年には2004年並に回復すると予測される。
2006年以降高成長が予測されるのは、PC関連では、携帯情報端末機、周辺機器では、LCDモニタ、DVD記録型ドライブ、映像情報機器では、デジタルカメラである。携帯情報端末はPDA、PDA携帯電話機、移動式GPS、電子辞書などであるが、中国国内市場ではノキアやモトローラなど外資のPDA携帯電話機が中心である。今後は移動式GPSが増加していくとみられる。LCDモニタは価格の低下からCRTに取って代わり、オフィス・家庭を問わずモニタの主流となっている。
SamsungがトップでPhilipsが続いているが、BenQ、AOCの台湾勢が急追している。DVD記録型ドライブも価格の低下、メーカーの積極的な販売策から市場は拡大している。デジタルカメラは500万画素以上が主流となっており、ソニー、キヤノンの2強に、コダック、オリンパス、ニコン、Samsungが続いている。外資6社のシェアは2006年で80%を超える。ソニー、キヤノンのシェアはCCD品質が騒がれたことから2006年はやや落ち込んでいる。
2.生産動向
2006年の生産台数が1億台以上となるのは、携帯電話機、固定電話機、LCDモニタである。携帯電話機は2005年に3億台を超えており、2008年には4億台を超えると予測される。また、ノートPC、DVD-ROMドライブ、DVD記録型ドライブ、プリンタ、デジタルカメラが5,000万台を、デスクトップPC、携帯情報端末機が3,000万台を超えている。世界の工場としての中国は健在である。2008年にかけて30%以上生産台数の増加が予測されるのは、携帯情報端末機、LCDモニタ、DVD記録型ドライブ、デジタルカメラ、データプロジェクタ、無線LANである。
3.国内向け、輸出別出荷動向
パソコン、周辺機器、映像情報機器、通信機器は輸出がメインで、2006年の見込では、ノートPC、DVD記録型ドライブ、レーザープリンタ、デジタルカメラ、固定電話機の輸出ウエイトは90%を超えている。また、LCDモニタ、DVD-ROMドライブ、プリンタ、インクジェットプリンタが80%を、携帯電話機、無線LANが70%を超えている。国内向けが50%を超えるのはデスクトップPCだけとなっている。
4.国内・外資企業生産シェア
外資が中国を生産拠点としていることから、全体的に外資の生産ウエイトが高い。特に、DVD記録型ドライブ、デジタルカメラは90%以上が外資の生産によるものである。中国国内企業の生産ウエイトが高い品目はデスクトップPC、固定電話機でそれぞれ国内企業の生産ウエイトは80%を超える。国内企業の生産ウエイトが50%を超えるものは前記の2品目にLCDモニタを加えた3品目にとどまる。
◆調査対象
* 関連資料 参照