日本旅行業協会、「2006年12月期 第19回旅行市場動向調査」結果を発表
燃油サーチャージが影響し、海外DIはマイナス値へ後退。
一方、国内DIはプラス値へと好転した。
3ヵ月後は海外DI、国内DIとも低下の見通し
「2006年12月期 第19回旅行市場動向調査」
JATA(日本旅行業協会)では、旅行市場の動向を捉えるため、会員各社に定期的にアンケートを実施し、旅行の種類、方面、顧客層別に業況判断を指数化して四半期ごとにまとめている。
(調査の概要については添付資料の末尾に記載)
2006年10月下旬から11月中旬にかけて実施した「旅行市場動向調査」によると、海外旅行市場は予測以上に悪化し再びマイナス値へ後退。対する国内旅行市場はプラス値へ好転した。
3ヵ月後は海外DI、国内DIとも低下し、ともにマイナス値の見通し。
-海外旅行-
○海外旅行全般の業況について
中国は拡大基調を維持したが、欧米をはじめとしたロング路線で低下が目立ち、海外旅行全般のDIは予測以上に悪化してマイナス値に後退した。
3ヵ月後も、DIは引き続き低下の見通し。
【現 況】
中国は上昇基調であるものの、燃油サーチャージの影響などから、その他の方面では低下が目立ち、海外DIは大きく後退
・「夏場の勢いが冷えてしまった感がある。10月からの日系キャリアの燃油サーチャージの値上げ影響が大きいと推察される。」(海外旅行ホールセラー)
・「ロング方面の全体的な不振を中国の好調さだけで補っている状況。」(海外旅行ホールセラー)
・海外旅行全般のDIは予測を上回る15ポイントの低下で、再びマイナス値へ後退した。
ただし、前年同時期(10~12月)との比較では9ポイント上回っている。
【3ヵ月後(1~3月)の見通し】
欧米などロング路線は不調、中国の拡大基調にも歯止めがかかる見通し
・「為替の問題もあろうが、ヨーロッパが不調。」(海外旅行ホールセラー)
・「中国の需要は相変わらず多く、一部の地域にとどまらず多くの地域に広がってきている。」
(インハウス)
・3ヵ月後(1~3月)も海外旅行を牽引する要素に欠け、DIは一層低下の見通し。
【総 合】
・中国への業務渡航、観光渡航が引き続き拡大を続けるかたわら、燃油サーチャージによる航空運賃の高騰の影響もあり、欧米をはじめとしたロング路線が冷え込んだ結果、海外旅行市場は前回予測よりもさらに悪化した。
3ヵ月後(1~3月)も、後退局面が持続する見通し。
-国内旅行-
○国内旅行全般の業況について
海外からのシフトや、社員旅行をはじめとした小グループが好調で国内旅行全般のDIは前回予測を上回りプラス値へ好転した。
3ヶ月後は再びマイナス値へ大きく後退する見通し。
【現 況】
海外からのシフトや、職場など小グループが好調で、国内DIは前回予測を超えプラス値に好転
・「小規模な社員旅行、親睦旅行等が少しずつ復活している。」(総合旅行会社)
・「燃油付加運賃により海外から国内へ変更する顧客が急増。」(国内旅行ホールセラー)
・国内旅行全般のDI値は3ヶ月前(7~9月)より11ポイント上昇し、前回予測を超えプラス値へと好転した。
【3ヵ月後(1~3月)の見通し】
個人向けの直販、顧客の直接予約増加の流れに加え、団体旅行の大幅減でDIは後退
・「プロモーション運賃(旅割など)の増加により航空券単体販売が倍増している状況。ホテルもネット等でお客様自身で予約できるため、旅行という枠組みの需要は確実に減っていくと思われる。」
(総合旅行会社)
・「予約の動きが鈍化。航空会社施策の早割券などに流れているのが原因と思われる。」
(総合旅行会社)
・3ヵ月後(1~3月)は再び低迷、DI値は16ポイント低下しマイナス値へ後退する見通し。
【総 合】
景気回復にともない職場をはじめとした小規模の団体旅行が好調であったことや、燃油サーチャージによる航空運賃の高騰により海外から国内へ客足が向いたことなどで、国内旅行全般のDIは前回予測を上回る上昇幅でプラス値に好転した。
一方、キャリア直販の航空券を求める動きや、宿泊先に直接インターネットで予約を申し込むケースが増加していることに加え、今回好調だった団体旅行の後退で、3ヵ月後(1~3月)の予約状況は思わしくなく、DIは再びマイナス値へ低迷する見通し。
*詳細は添付のオリジナルリリースをご参照ください。