IRジャパン、DirectFETパッケージ採用の耐圧150VのパワーMOSFETを出荷開始
インターナショナル・レクティファイアー
DirectFETパッケージ採用の耐圧150VのパワーMOSFETを出荷開始
~ 36V~75V入力の通信機器用DC-DCコンバータに最適 ~
パワー・マネジメント(電源管理)技術で世界をリードするインターナショナル・レクティファイアー・ジャパン(IRジャパン)株式会社(本社:東京都豊島区、江坂文秀代表取締役社長)は1月10日、IR社独自の小型金属パッケージ「DirectFET(R)」に収めた耐圧150VのHEXFET(R)パワーMOSFET「IRF6643TRPbF」のサンプル出荷を開始しました。用途は、広い入力電圧範囲(36V~75V)で動作する通信機器用絶縁型DC-DCコンバータ(*1)などです。
最大ドレイン電流は35A(パッケージ温度25℃のとき)です。オン抵抗(内部抵抗)は標準値で29mΩ、最大値で34.5mΩと低く、ゲート電荷も標準39nC、最大55nC(いずれもゲート・ソース間電圧10Vのとき)に減らしています。
IRF6643TRPbFは、導通損失とスイッチング損失の両方を減らすために、オン抵抗やゲート電荷だけでなく、パッケージのインダクタンス分も最小化しました。この製品に使ったDirectFETパッケージは、表面実装パッケージの8ピンSOP(SO-8)と同じ面積(4.9mm×6.3mm)で、高さが0.7mmと低いという特徴があります。
サンプル価格は330円(税込み)の予定です。テープ・アンド・リールの形態で出荷します。DirectFET製品をプリント基板に実装するときのアプリケーション・ノートは www.irf-japan.com/technical-info/appnotes/AN-1035.pdf にあります。データシートと画像データはIRジャパンのホームページ( www.irf-japan.com )にあります。
<特許を取得済みのDirectFET(R)パッケージ技術>
インターナショナル・レクティファイアー(IR)社が特許を取得したDirectFETパッケージは、標準のプラスチック・パッケージでは実現できなかった新しい設計上の利点を提供します。金属缶構造の採用によって両面放熱が可能なので、最新マイクロプロセッサに電力を供給する高周波動作のDC-DCコンバータの電流処理能力を実質的に倍増できます。また、DirectFETパッケージを採用したデバイスは、欧州の規制RoHS(特定物質の使用規制)に準拠しています。耐圧100V以上のDirectFETでは、すでに100V品(IRF6644、IRF6645、IRF6655、IRF6662、IRF6665)と200V品(IRF6641)を製品化しています。
<用語説明>
*1)絶縁型DC-DCコンバータ:
入力と出力が絶縁されたDC-DCコンバータです。絶縁にはトランスなどの絶縁部品を使います。このとき、トランスから見て入力側を1次側、出力側を2次側と呼びます。DC-DCコンバータは直流電圧を直流電圧に変換する回路です。出力回路をハーフブリッジ構成にした場合、制御(コントロール)用のMOSFETと同期整流(シンクロナス)用のMOSFETを組み合わせて構成します。制御用MOSFETには、スイッチング損失を小さくするためにゲート電荷を小さくすることが要求されます。一方、同期整流用MOSFETには、導通時のMOSFET自体の内部抵抗(オン抵抗)が小さいことが要求されます。
<インターナショナル・レクティファイアー(IR(R))社について>
IR社はパワー・マネジメント(電源管理)技術のリーダーです。IR社のアナログIC、アナログ/デジタル混在IC、最先端デバイス、電源回路やモーター制御回路の部品やシステムは、コンピュータ、インバータ・モーター搭載の白物家電製品、照明器具、車載用電子機器、宇宙航空用電子機器など幅広い分野において、機器の小型化、省エネ化、高機能化に貢献しています。本社は米国カリフォルニア州エルセグンド。
注:IR(R)、DirectFET(R)、HEXFET(R)は、International Rectifier Corporationの商標または登録商標です。当資料に記載されるその他の製品名の商標はそれぞれの所有者に帰属します。