米AMD、静穏性に優れた小型PC開発を支援するオープンスタンダード「DTX仕様」を策定
AMD、スモールフォームファクタPCの普及支援に向けてオープンスタンダード「DTX仕様」の策定を発表
- OEM/ODMメーカによる、小型で静穏化に優れた省スペース型デスクトップPCの開発・投入を支援 -
AMD(本社:米カリフォルニア州サニーベール、会長兼CEO:ヘクター・ルイズ)は本日、スモールフォームファクタPCの普及を可能にするオープンスタンダード「DTX仕様」の策定を発表しました。DTX仕様策定の狙いは、OEM/ODMや部品ベンダ各社が、お客様とエンドユーザ双方にメリットをもたらすエコシステム内の共通要素を活用しながら、より小型で静穏化に優れた省スペース型デスクトップPCの革新的なソリューションを市場投入できるようにすることにあります。
DTX仕様は、ATXインフラと、コスト効率や豊富なシステム選択肢、後方互換性といった既存のATXの利点を活かしつつこれまでにない新たなPC設計を可能にします。DTX仕様は2007年第1四半期に評価版を発表する予定です。
AMDのBob Brewer(ボブ・ブリューワー、デスクトップ部門担当上席副社長)は、次のように述べています。「お客様中心主義の企業として、AMDは絶えずプラットフォームの評価を行い、エコシステム・パートナ各社と連携して、移行に伴う混乱を最小限に抑えながら技術革新の市場投入を進めています。こうしたニーズに応えられるよう、AMDでは率先してスモールフォームファクタ設計のオープンスタンダード策定を推進しています。DTX仕様の策定は、エコシステム内においてスモールフォームファクタ・ソリューションの開発とその更なる普及、また革新的でコスト効果に優れた新しいシステムを企業や消費者向けに提供することが、幅広く可能になることを目指しています。」
DTX仕様は、AMDおよび他のハードウェアメーカの低消費電力のプロセッサに包括的に採用できるように設計されます。DTX仕様を採用して最適に設計されたスモールフォームファクタ・システムでは、消費電力の低減と優れた静穏化が可能になります。プロセッサの消費電力が低減すれば、システムの小型化や冷却コストの低減も可能になります。低消費電力版プロセッサを使用するとPCの寿命が延びるだけでなく、個人ユーザや法人ユーザにとっては、居間やオフィスでのより快適かつ静かなPC使用を可能にします。
また、OEMメーカも、標準化によるコスト面のメリットを享受できます。オープンスタンダードのDTX仕様により、スモールフォームファクタ市場は、近年ATX規格がデスクトップ市場にもたらしたものと同様のメリットを享受できる可能性があります。
DTX仕様は、OEM/ODMメーカや部品メーカのニーズを配慮しながら、マザーボードのレイアウト標準化をさらに改良できるように設計されます。デスクトップ市場において低消費電力(TDP)プロセッサへの移行と低コスト化への取り組みが進むなかで、部品間の互換性とスモールフォームファクタ製品とのバランスを保つという視点が極めて重要になっています。またさらに、筐体メーカも、部品の形でもベアボーンの形でもDTX仕様を採用した製品を提供することで、独自のスモールフォームファクタ設計に伴う財務リスクの軽減に貢献することができます。一般のDTX仕様は、相互運用性を確保するために必要な最小限のパラメータのみを定義するため、ベンダは自由に革新的な開発を行うことができます。
・DTX仕様は、プリント基板製造の標準パネルサイズで、最大4枚までのマザーボードに低コストで対応できます。
・Mini-DTX仕様は、プリント基板製造の標準パネルサイズで、最大6枚までのマザーボードに低コストで対応できます。
・DTX準拠のマザーボードはわずか4層のプリント基板配線で製造でき、マザーボードのコスト削減が可能です。
・ATXインフラとの後方互換性を活用すれば、ほとんど開発費用をかけずに安価なDTX準拠製品を確保できます。
ASUS社のJoe Hsieh氏(マザーボードビジネスユニット担当副社長)は、次のように述べています。「ASUSでは、オープンスタンダードのDTX仕様によって可能になる生産効率の向上を活かして、再びAMDとともにデスクトップ・ソリューションのさらなる技術革新を実現できることを嬉しく思います。これがASUSの優れた設計・製造力と相まって、エンドユーザの皆様には当社のマザーボードを搭載したPCで、スタイリッシュでセンスのよいデスクトップ・コンピューティング体験をお楽しみいただけます。」
MSI社のNorman Tsai氏(EPSセールス担当副社長)は、次のように述べています。「充実したシステム・オプションを可能にし、既存のATXインフラとの後方互換性を備えた仕様を策定する上で、AMDがオープンスタンダードを重視していることを高く評価します。MSIでは、当社の製品をPC製造に採用してくださっているお客様が、移行時の要件や中断を最小限に抑えた革新的なシステムを提供できるよう全力で取り組んでいます。」
スモールフォームファクタPCの市場牽引力は、高電力効率システムの省スペース性、省電力性、優れた静穏化を重視する中小企業(SMB)市場と消費者市場でとりわけ注目を集めています。
IDCのBob O’Donnell氏(クライアント&ディスプレイ担当プログラム副社長)は、次のように述べています。「デスクトップ・システムのスモールフォームファクタ化、低消費電力化という進化は、PC業界全体にとっての大きな前進です。電力効率の向上と更なるスモールフォームファクタ化の設計を促進するマザーボード仕様の採用によって、OEM/ODMメーカはより省スペースで見栄えのよい新たなPCを設計できます。これはお客様向けソリューションのさらなる差別化と競争力の強化につながります。」
■AMDについて:AMD(NYSE:AMD)は、コンピュータ業界、グラフィックス、家電業界向けに革新的なマイクロプロセッサ・ソリューションを提供するグローバル・プロバイダです。AMDは、世界中のコンシューマおよびビジネス分野のお客様を支援する、徹底したお客様中心主義の理念に基づくソリューションを提供します。それにより、オープンな技術革新の促進、選択肢の拡大、さらに業界の発展に向けて努力します。日本AMD株式会社は、AMDの日本法人です。詳細については、http://www.amd.com(英語)またはhttp://www.amd.co.jp(日本語)をご覧ください。
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