東レ、地中海沿岸の海水淡水化プラントで逆浸透膜を受注
東レの逆浸透膜、地中海沿岸の海水淡水化プラントで相次いで受注
東レ株式会社は海水淡水化用の逆浸透(RO)膜事業で、地中海沿岸の3箇所での海水淡水化プラントに、相次いでRO膜の受注をいたしました。
いずれも2007年稼働開始予定で、トリニダードトバゴ海水淡水化プラント(2001年納入、造水量13.6万m3/日)や、シンガポールのチュアス海水淡水化プラント(2005年納入、造水量13.6万m3/日)などに引き続いての海水淡水化大型案件の受注となります。
今回受注した場所は、下記3箇所です。
(1)ハンマ海水淡水化プラント
(アルジェリア、造水量20万m3/日)
(2)パルマシム海水淡水化プラント
(イスラエル、造水量9.3万m3/日)
(3)マルタ海水淡水化プラント
(マルタ、造水量5.4万m3/日)
(1)ハンマはアルジェリアの地中海沿岸、首都アルジェの郊外にあり、プラント建設はGE アイオニクス(Ionics)社が受注し現在建設中で、完成するとアフリカ最大の海水淡水化プラントとなります。
(2)またパルマシムはイスラエルの地中海沿岸にあり同国第2の都市テルアビブの南に位置します。同国のヴィア・マリス・コンソーシアムが建設・運転・維持管理を受注しました。本案件は、東レにとって同国プラントへの初納入となります。
(3)マルタは地中海に浮かぶ島国で、現在、島内3カ所で海水淡水化を行っています。これらは全て1980~1990年代に建設されたもので、この度、同プラントのRO膜の交換をすることとなり、東レ製が初めて採用されることに決定いたしました。
これら三国は共に地中海沿岸地域であり、内陸部に水は殆どありません。国連レポートによればこの地域はアラビア湾岸地域等と並び2025年の水欠乏地域(*注1)となっており、このまま手をこまねいていると国家の存亡にかかわる事態となる恐れがあります。
このような背景もあり、この地域での2015年までの淡水化施設容量増加予想は179%となっており、これは湾岸地域の2倍近い伸びが期待されています(*注2)。その中でも特にアルジェリア、イスラエル、それに東レが多くの実績を持つスペインが、海水淡水化プラント、特にRO膜法によるプラント建設に力を入れており、現在続々と巨大ROプラント建設を計画中です。
東レは、今後も引き続きこの地域の他、中東、中国など積極的に受注拡大を図って行く所存です。
*注1:水需要が供給を大きく上回る地域(水不足率40%超) 水不足率=(1-水供給量/水必要量)×100
*注2:Global Water Intelligence誌予測
以上