丸紅、米国の紙販売会社「IRH社」を買収
米国の紙販売事業を買収 ~北米での戦略的販売基盤を確立~
丸紅株式会社(以下「丸紅」)は、米国のコネチカット州に本社を置く紙販売会社、イントラグレーテッド・リソーシズ・ホールディングス社(Intragrated Resources Holdings Inc.、以下「IRH社」)を100%買収することでCEOを務める現株主と合意、昨年12月に株式売買契約書に調印し、1月11日に買収代金の払い込みを完了致しました。
IRH社は傘下に紙商であるA.T.クレイトン社(A.T.Clayton and Co.Inc.)と、印刷コンサルティング会社のJ.S.エリーザー社(J.S.Eliezer Associates,Inc.)を持ち、主にカタログ、雑誌などに使用されるLWC(Light Weight Coated Paper、日本では微塗工紙)を中心に年間55万トンの巻取印刷用紙を販売する、米国でも有数の紙販売会社です。顧客に対してコスト削減・納期短縮等のコンサルティングサービスを提供し、その一環として紙の販売契約を取得するという、ユニークな販売手法を採っています。大手エンドユーザーと強い繋がりを持って全米に販売展開しており、米国に於けるLWCの販売シェアは7%です。
米国の紙・板紙市場は年間約1億トンで世界最大のマーケットです。なかでも印刷用紙については、他の主要先進国の市場が成熟化によりほとんど需要増が見込めないのに対し、米国は年2%程度の伸びが予想されております。米国の需要増は先進国では突出した人口増による消費財全般の市場拡大に裏打ちされており、今後も堅調な伸びが期待されます。
一方、供給面では、もともと古い生産設備が多く、近年設備廃棄や大手メーカーによる部門のスピンアウトが続くなど縮小傾向にあり、輸入依存度が高まっております。
特にLWCについては、米国の需要550万トンの内、既に150万トンが輸入品であり、今後増設が加速する日本メーカーが生産能力増を振り向ける市場候補となります。これまで日本からの輸出実績は実質ゼロですが、当社が買収するIRH社は、今後各製紙メーカーが北米向け輸出販売に進出する際の有力なツールになると考えます。
今回の買収により、丸紅は成長が続く米国紙市場における流通事業に日本企業として初めて本格的に参入することになりますが、今後更に販売基盤を拡充し、一層の取扱量の拡大を図って業界でのプレゼンスを一段と強化していく所存です。
以 上
<IRH社概要>
会社名 : Intragrated Resources Holdings Inc.
所在地 : 米国コネチカット州、スタンフォード市
代表者 : Mark J.Vallely (マーク・ヴァレリー氏)
従業員 : 50名(グループ合計)
事業内容 : 印刷用紙の販売及び印刷コンサルティング 年商5億ドル(約600億円)、取扱量55万トン
傘下事業会社 : A.T.Clayton&Co.,Inc.(印刷用紙販売事業)
J.S.Eliezer Associates,Inc.(印刷コンサルティング事業)