島津製作所、診療所・医院向け汎用型フルデジタル超音波診断装置を発売
汎用型フルデジタル超音波診断装置を発売
―上位機種と同等の画質で、使いやすい操作盤を持つ白黒専用機を、診療所・医院向けに―
島津製作所は、診療所・医院向けに、高画質で操作性の高い汎用型のフルデジタル白黒超音波診断装置「sarano(サラノ)」を3月28日から発売します。超音波診断の主流である白黒画像表示機能に絞り込み、導入しやすい価格を実現しつつ、上位機種のカラー超音波診断装置と同レベルの画質を保持し、使いやすい操作盤、デザインにより操作性を高めています。汎用機種としてラインナップし、診療所、医院向けに販売します。
超音波診断装置は、検査プローブ(検査用小型探触子)から超音波を体内に送り、体内組織で反射した後、再びプローブに戻った超音波を画像化するもので、肝臓やすい臓、腎臓、胆嚢などの腹部や、乳房、頸部の血管、心臓などの断層像を白黒画像でリアルタイムに観察できます。また近年、これら白黒画像に加えて、血流の状態をカラー表示できるカラー超音波診断装置が発売されています。
これら超音波診断装置市場は、国内で年間約500億円の市場規模となっており、カラータイプが普及してきましたが、その一方で、診療所や医院で行われる腹部、乳腺、頸部、心臓疾患などの日常診断用では白黒超音波検査が主流であり、カラータイプよりも低価格な白黒タイプの超音波診断装置に対する需要も依然根強いです。
新製品は、このニーズに応えたもので、画質については上位機種と同等のレベルで、操作性に関しては、新たに、手になじみやすいトラックボールをキーボードに採用するなどして改良を加えた他、扱いやすい小回りの効くコンパクトな形状を実現しました。また、フルデジタルであることから、パソコンや院内ネットワークへの画像転送、画像保管も簡単に行えます。内科で行われる腹部観察をはじめ心臓や血管の観察や、外科で行われる乳腺や甲状腺の観察、さらに婦人科、企業検診、地域検診など、日常診断を担う臨床現場を強力に支援します。
【 新製品の特長 】
1.高精細で動きのなめらかな画像表示を実現
超音波信号を受信後すぐにデジタル化し画像処理する機構「高速デジタルビームフォーマ」を新たに開発し搭載しました。これにより、ピクセル単位で連続的にフォーカスをかけることが可能となり、表在組織から深部組織まで均一な高精細画像を提供します。また、従来の白黒超音波診断装置では体内から戻る超音波信号1方向を受信し画像化していましたが、一度に2方向からの信号を受信・画像化できるパラレル受信方式を採用しました。これにより動きをなめらかに表示でき、臓器やプローブの動きを忠実に画像化します。さらに、クラス最高の高精細モニタを採用し、よりきめ細かな画像表示を可能にしました。
2.クラス最高の高周波に対応し高い解像度を実現
超音波診断装置で使用可能な周波数では最高の15MHzに対応する高速デジタル処理(M.I.A. <Micro Imaging Array> テクノロジー)により、高い解像度を実現しています。外科や整形外科領域、特に乳がん検診で精度の高い検査を支援します。
3.高い操作性
操作する手にフィットしやすく、かつ周辺のキー操作がしやすい形状のパームフィットトラックボールを採用し、その周辺に使用頻度の高いキーを配置しています。トラックボールもキーもバックライトで光り、機能のON/OFFを関連キーの色分けにより分かりやすくしています。人間工学に基づいた使いやすい操作盤です。
4.コンパクトで小回りの効くデザイン
場所をとらないコンパクト、スマートな形状で、ハンドルを片手で引き寄せできる安定した本体バランスと、4つのキャスターがスムーズに旋回する小回りの効く設計により、使用する際に即時に引き寄せて使用できます。
5.院内ネットワーク、USBメモリに対応し、画像管理が簡便
フルデジタルで、医療用画像の通信規格DICOM形式(オプション)に対応しており、院内ネットワークへの画像保管、画像転送が簡単に行えます。また、USB端子を備えているためUSBメモリへの画像保管も可能です。
当社は、昨秋の海外発売に引き続き、この新製品を国内市場に投入することで超音波診断装置のラインナップを強化し、診療所、医院への拡販を図ります。
【 新製品の概要 】
製品名 :超音波診断装置 sarano(サラノ)
定 価 :8,800,000円(税込)
販売計画:600台(国内外)/年
【 製造販売認証番号 】
218ABBZX00131000
汎用超音波画像診断装置[超音波診断装置 sarano]
●画像:フルデジタル白黒超音波診断装置 sarano(サラノ)
(※ 関連資料を参照してください。)