STマイクロ、Infra-Com社とワイヤレス・デジタル・オーディオ・リファレンス設計を開発
STマイクロエレクトロニクスとInfra-Com社は、
高品質なホーム・エンタテイメント・システム向け
ワイヤレス・デジタル・オーディオ・リファレンス設計を開発
見通しが悪い状況下における高ビットレート赤外線接続機能を備え、
STのSound Terminal(TM)ファミリのフルデジタル・オーディオ・
プロセッシングおよびフルデジタル・パワーアンプを活用した
コスト効率に優れたリファレンス設計
デジタル・オーディオICで世界をリードするSTマイクロエレクトロニクス( http://www.st-japan.co.jp/ 、NYSE:STM、以下ST)と短距離拡散赤外線(DIRTM)ワイヤレス通信ICで世界をリードするInfra-Com Ltd.(インフラコム社)は、ホーム・シアター・システム、サラウンド・サウンドおよびゲーム用スピーカ、DTV用スピーカ、ポータブル音楽機器用アクセサリやアフターマーケット用アクセサリなど、家電製品向けの高ビットレート・ワイヤレス・オーディオ・ソリューション用に完全なリファレンス設計を発表しました。「ドラム」デザインと「バイオリン」デザインは、インフラコム社の受信機側IrGate(TM) ICをSTのSound Terminalファミリのフル・デジタル・クラスDパワー・アンプおよびシグナル・プロセッサと組み合わせることによって、高品質で完全なリモート・オーディオ・アンプ・システムを構築します。
インフラコム社のIrGateワイヤレス赤外線プロトコルを使用するオーディオ信号は、IrGT801ADR モデムおよびインタフェースICによって処理されます。
光 / アナログ・フロントエンドの赤外線センサからLVDS(Low Voltage Differential Signaling:低電圧差動信号)インタフェース経由でオーディオ信号データを受信し、I2S(Inter-IC Sound)シリアル・デジタル・オーディオ・インタフェースを通してSTのフル・デジタル・アンプを駆動させます。
ドラム・ソリューションは、STのSTA326を組込み、フル・デジタルICアンプが8Ωラウドスピーカに2 × 60Wのオーディオ出力を可能にします。非圧縮の24bit 48kHz PCM(Pulse Code Modulation:パルス符号変調)ワイヤレス・リンクと遅延時間をほとんど発生させない完璧なリップシンクによって、本物のハイファイ・オーディオ品質を実現します。RFベースのソリューションでは一般的に7ミリ秒を超える遅延時間が、ドラム・ソリューションでは、わずか150マイクロ秒になります。アンプ効率は最高92%という市場最高レベルのため、全てのアプリケーションにおいて小型のヒートシンクおよび電源を使用することができます。このアンプは、完全内蔵型の過電流および過熱保護機能を備えているため、フル・デジタル・オーディオ・ストリームが、十分なオーディオ品質、100dBの信号対雑音比(SNR)、およびダイナミック・レンジを維持します。
バイオリン・ソリューションは、STのフル・デジタル・マイクロレスICアンプであるSTA333MLを組み込んでおり、外部ヒートシンクを使用せずに2 × 20Wの出力が可能です。STA333MLは、ソフトウェアの追加開発作業をしなくても、最高のデジタル・オーディオ品質を保ちます。
DIRを使用すると、送信ノードと受信ノード間の見通しが悪くても赤外線通信が可能です。拡散赤外線デバイスは、細いビームで光を放射する直接的な赤外線信号とは違って、部屋全体を赤外線放射で満たし、天井、壁、床などの表面による自然の反射を利用することによって障害物や囲われた場所の中を人が移動する場合でも、堅牢な高ビットレート通信を持続させます。
このリンクは、動作領域内では事実上無線信号のように動作しますが、高周波干渉(RFI)の影響を受けたり発生させたりする可能性はありません。
また、遠隔制御信号には反応しないため、隣の部屋で「立ち聞き」されることもありません。さらに、DIRは世界的な規制のない870nmで動作するテクノロジーです。
STA326シングルチップ・オーディオ・システムは、デジタル・オーディオ処理、デジタル・アンプ制御およびDDX(R)デジタル出力を統合します。デジタル制御によって、いくつかの異なる出力モードの中から一つの出力モードで動作するように簡単に設定でき、チャネルあたり最高4つまでプログラム可能な28bitバイクアッドイコライザーやBass・Trebleをはじめとする、あらゆる種類の処理およびイコライゼーション・オプションを実現します。このデバイスは、STのSound Terminalファミリにおける、さまざまなシングルチップ/シングルパッケージ・オーディオ製品の1つです。ドラム・ソリューションでこのファミリの他のアンプを使用すると、2 × 1Wから最高2 × 80Wまでのさまざまなオーディオ出力仕様を満たすことができます。
STのホーム・エンタテイメント&ディスプレイ・グループ、オーディオ部門のAndrea Onettiジェネラル・マネージャは、次のようにコメントしています。
「ドラムは、リモート・オーディオ製品メーカーにとって、初めての使いやすい完全なターンキー設計セットで、高品質なアンプ処理とユーザの利便性を向上させる拡散赤外線テクノロジを兼ね備えています。ドラムやそれに類似した設計は、Bluetooth 2.0 EDR(Enhanced Data Rate)や、Sound Terminalファミリの中のWiFi、UWB(Ultra-WideBand)など、その他のインタフェースを補完します。当社は、シングルパッケージDIRやデジタル・アンプ処理ソリューションを出荷できる日を楽しみにしています。」
現在、ドラムおよびバイオリン・リファレンス設計は評価および製品開発用に「M2C_IrGT801ADR_STA326」と「M2C_IrGT801ADR_STA333ML」モジュールとして提供されています。
Infra-Com(インフラコム)社について
Infra-Com Ltd.は、屋内の短距離ワイヤレス・アプリケーション向けの画期的で低価格な半導体チップセットの開発と商品化を重点的に行っています。
同社は、拡散赤外線(DIR(TM))アプローチを使用する見通し外接続における高ビット・レート赤外線通信を実現し、技術的な躍進を遂げました。
さらに詳しい情報は、 www.infra-com.com をご覧ください。
DDXはApogee Technology Inc.の商標です。DIRおよびIrGateはInfra-Com Ltd.の商標です。
Sound TerminalはSTマイクロエレクトロニクスの商標です。
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力との組合わせにより、SoC(システム-オン-チップ)技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。またSTの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。STは、ニューヨーク証券取引所(NYSE:STM)、パリ証券取引所(Euronext Paris)とミラノ証券取引所に上場されています。
2006年の売上は98.5億ドルで、純利益は7億8200万ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人: http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語): http://www.st.com
◆ お客様お問い合わせ先
〒108-6018 東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟18階
STマイクロエレクトロニクス(株)
Consumer本部
Digital Multimedia製品部
TEL: 03-5783-8340 FAX: 03-5783-8216