米ザイリンクス、低コストのXtremeDSPソリューション「Spartan-DSPシリーズ」を発表
ザイリンクス、低コストSpartan-DSPシリーズを発表
ザイリンクスXtremeDSP ソリューションが価格・性能・消費電力の面で
ワイヤレスやビデオなどのアプリケーションにさらに最適化
プログラマブル・ロジック・ソリューションのリーダであるザイリンクス社は4月2日(米国時間)、同社のデジタル信号処理(DSP)向けXtremeDSPソリューションに、価格・性能・消費電力の3要素をバランスよく組合せた新しい低コストSpartan-DSPシリーズを、開発用ボードおよび設計用ソフトウェアとあわせて発表した。Virtex-4 SX とVirtex-5 SXTに加えてザイリンクスXtremeDSPソリューションのひとつとなるこのSpartan-DSPシリーズは、業界でも最も低いコストで最高レベルのDSP性能を提供するFPGAである。たとえば同等の性能を持つ、DSP機能向けにリコンフィギュラブルな他の高性能製品と比べると、50%以上少ないダイナミック消費電力で動作しながら、30ドル以下の価格で20 GMACSを超える高性能を持つ。
本日発表したSpartan-DSPシリーズをプログラマブルDSPのコプロセッシング・プラットフォームとして使うことにより、信号処理チェーンでのシステムロジックの多重化や統合化、新しい周辺回路やバス・インターフェイス、および性能アクセラレータとして、信号処理システムにおけるTexas Instruments社のTMS320ファミリのようなプログラマブルDSPへの補完を可能にすることができる。さらにSpartan-3A DSPデバイスは、ザイリンクスのプラットフォーム・ベースDSP戦略、およびサードパーティによるDSP製品およびサービス・プロバイダ各社からなる、包括的なエコシステムでサポートされたXtremeDSPソリューション・ロードマップの一部である。
Spartan-DSPシリーズの追加で、ザイリンクスXtremeDSPはDSPに最適化された3つのプラットフォーム(Virtex-4 SX、Virtex-5 SXTおよびSpartan-3A DSP)で構成されるソリューションとなり、デバイス選択の幅がさらに広がった。
DSP技術者は、それぞれのアプリケーションに合ったより適切なソリューションを選択し、プラットフォーム間で容易にデザインを移行させることができるようになる。Spartan-DSPシリーズの最初のプラットフォームとなるSpartan-3A DSPはワイヤレス、ビデオおよびコンスーマアプリケーション向けの最もコスト効率が高いデバイスである。これは、無線通信基地局、また監視システムや放送機器および医療用3D画像機器などを始めとする高精細ビデオのようなハイエンド・アプリケーション向けのVirtex-4 SXとVirtex-5 SXTプラットフォームが持つ、Virtex-DSPシリーズの高性能処理を補完するものである。
■XtremeDSP製品群の新メンバ: Spartan-3A DSPプラットフォーム
Spartan-3A DSPプラットフォームには、30 GMACS以上の処理能力と2200 Gbpsのメモリ・バンド幅を持つ 3SD3400A、および20 GMACS以上の処理能力と1500 Gbpsのメモリ・バンド幅を持つ3SD1800Aの2種類がある。Spartan-3A DSPアーキテクチャの中心機能は新しくコスト最適化されたDSP48Aスライスで、これにより設計者は多くの独立した数値演算機能を実行させることができる。複数の結合されたDSP48Aにより、広範囲な数値演算機能、DSPフィルタ、および複雑な数値計算機能を一般的なロジック・ファブリックを使わずに形成することができ、高い性能とシリコン面積を効率的に使用できる上、消費電力の大幅な低減が可能となる。新しいDSP48Aスライスは一般的なFIRフィルタの消費電力を、他の高性能でリコンフィギュラブルなデバイスと比べて50%も削減することができる。
Spartan-3A DSPプラットフォームはこのDSP48Aスライスに加えて、53,712のロジックセル、2268 KビットのブロックRAM (BRAM)、および373 Kビットの分散RAMを搭載しており、これらを設定することでより広範囲な信号処理の最適化ができる。
■柔軟性が高く使いやすい、XtremeDSPデザイン・フローとライブラリ
ザイリンクスのSystem Generator for DSPの新バージョン9.1i とAccelDSP合成ツールは、DSPやスタンドアローン・システム・プラットフォームとのコプロセッシング・エンジンとしてSpartan-3A DSPデバイスの設計手法をサポートしている。System Generator for DSPはMathworks社提供のSimulinkソフトウェアとシームレスな相互動作性を持つ、高性能DSPシステムの設計、検証、およびデバッグを行うための高レベルな設計ツールである。AccelDSPは、ザイリンクスのデバイスを使用したDSPモジュールを設計するための高レベルなMATLAB言語ベースの設計ツールである。基本的機能と特定用途向け機能の両方に最適化したザイリンクスの信号処理用IPライブラリは、これらのツール・セットを使うことにより、ハードウェア記述言語の使用経験がなくても利用可能であり、包括的で使いやすいDSP開発環境を提供している。
■価格設定と供給体制
新しいSpartan-DSPシリーズはコスト要求が厳しい、高性能な信号処理のアプリケーションをターゲットにしている。Spartan-3A DSPプラットフォームのサンプルは3SD3400Aがすでに提供中で、3SD1800Aは今期後半(2007年4-6月)に提供開始する予定である。価格は3SD3400Aが44.95米ドル、3SD1800Aが29.85米ドルに設定されている。
* 2008年後半、25,000個購入時の量産価格の場合
995米ドルのSystem Generator for DSPのバージョン9.1i、4,995米ドルのAccelDSP合成ツール、および2,495米ドルのISE Foundationを利用して、XtremeDSPデバイスの設計を直ちに開始できる。これに加えて、ザイリンクスはワイヤレスおよびマルチメディア・ビデオ・アプリケーションに向けて最適化されたデザインキットを今後2四半期の間に発売する予定である。これらのキットには、XtremeDSPスタータキットのSpartan-3A DSP エディション、XtremeDSP ビデオ・デベロッパ・キット、およびXtremeDSPコプロセッシング・キット等が含まれている。
■ザイリンクスのXtremeDSPソリューションについて
ザイリンクスは、性能、価格および消費電力が最適化された、リコンフィギュラブルな高性能DSPソリューションの世界的リーダである。ザイリンクスのXtremeDSPソリューションは、シリコン・プラットフォーム、設計ツール、開発ボードおよびキット、リファレンスデザイン、およびワイヤレスおよびマルチメディア・ビデオ・アプリケーション向けの豊富な信号処理IPを完備している。XtremeDSPは3種類のデバイス・プラットフォームからなり、500 MHz動作時の処理能力が250 GMACS以上のVirtex-4 SXプラットフォーム、550 MHz動作時の処理能力が350 GMACS以上で低消費電力シリアル・インターフェイスを備えた超広帯域向けVirtex-5 SXTプラットフォーム、そして最も価格/性能比が最適化されたデバイスとして250 MHz時の処理能力が30 GMACS以上のSpartan-3A DSPプラットフォームで構成されている。さらに詳細な情報はWebサイト http://japan.xilinx.com/dsp/ で提供している。
※ このプレスリリースに記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
■ザイリンクスについて
ザイリンクス社 (NASDAQ:XLNX) は、プログラマブル ロジック ソリューションを提供するリーダである。1984年に創立され、米国カリフォルニア州サンノゼに本社を持つ。日本においては、1989 年にザイリンクス株式会社を設立し、FPGA および CPLD 製品とその開発支援システムの販売とサポートを積極的に行っている。同社についての詳細な情報は日本語対応ホームページ http://japan.xilinx.com/ で公開している。