日本IBM、オープン・メインフレーム「IBM System z」を機能拡張
オープン・メインフレーム運用の柔軟性を向上させる機能を拡張
- 消費電力見積もりツール、ならびに消費電力監視機能も搭載 -
日本IBM(社長:大歳卓麻、NYSE:IBM)は本日、オープン・メインフレーム「IBM(R) System z(TM)」におけるきめ細かなオンデマンド・コンピューティングを実現する機能の拡張を発表しました。System zにおいて、これまで以上に柔軟な処理能力の調整やシステム資源の有効利用が可能になり、昨今の急激なトランザクション量の増加や経営環境の変化へ柔軟に対応できます。各機能拡張は、5月8日より提供を開始します。
本日発表の機能拡張は、System zのエンタープライズ・モデル「IBM System z9(TM) Enterprise Class(以下System z9 EC)」ならびにミッドレンジ・モデル「IBM System z9 Business Class(以下System z9 BC)」ともに適用できます(一部を除く)。従来のSystem zの堅牢性や高いセキュリティの実現に加え、計画停止の解消、災害対策の強化やTCO(Total Cost of Ownership)削減に効果を発揮し、これまで以上のオープン・メインフレームの“使いやすさ”を実現します。
本日発表の主要な機能拡張は、下記のとおりです。
1.論理区画(LPAR;Logical Partitioning)グループ・キャパシティ制限機能
複数の論理区画をグループとして管理することで、従来、論理区画ごとに上限値を設定していたプロセッサー資源をグループ内で相互に有効活用できます。この機能拡張により、システム全体の利用効率を向上させることができます。
2.オン/オフ・キャパシティ・オンデマンド機能(OOCoD;On/Off Capacity on Demand)の拡張
System zに搭載している複数の予備プロセッサーを自動的に追加利用するためにあらかじめ追加利用したいパターンをシステムに登録しておく機能(OOCoD)は、これまでは1レコードのみの登録でしたが、今回この登録数を100レコードにまで拡張します。この機能拡張により、業務ごとにきめ細かな設定ができ、システム運用の柔軟性が向上します。
3.System z9 BCの災害対策機能強化 *System z9 BCのみ
バックアップシステムをSystem z9 BCの下位機種で設置した際、バックアップシステムへ切り替えた後にメインシステムと同等のスペックにするための機構の追加が必要でした。今回の発表により上位機種への一時的機能拡張が可能となり、非常時にはバックアップシステムを自動的にメインシステムと同等レベルのスペックでお使いいただけます。この機能拡張で災害対策を強化できるうえ、システム全体のTCO削減が可能です。
4.消費電力見積もりツール、ならびに消費電力監視機能の搭載
メインフレーム上のリソースを管理する機能「IBM Resource Link(TM)」に、マシンモデルと使用しているメモリーやI/O構成を入力するのみで、システムの消費電力予想を計算することが出来るようになります。またハードウェア管理コンソール(HMC)の「System Activity Display」で、システム運用中の消費電力とマシンルームの温度を表示できます。これらの機能は、システム運用のコスト予測や効率化の検討や計画立案に貢献します。
5.ドライバー保守の向上
システムを停止させずにドライバーの更新作業ができるため、ドライバー導入のために実施していたシステムの計画停止が不要になります。
上記を含む本日発表した機能拡張の一覧は、別途添付資料を参照ください。
(※ 関連資料を参照してください。)
*IBM、Resource Link、System z、System z9は、IBM Corporationの商標。
<関連サイト>
IBM System zトップページ:http://www.ibm.com/systems/jp/z/