農業生物資源研究所など、豚の背骨の数をコントロールする遺伝子を解明
豚の背骨の数をコントロールする遺伝子を同定
- ロース肉の多い豚の品種改良のスピードの大幅アップが期待 -
(独)農業生物資源研究所および(社)農林水産先端技術産業振興センター農林水産先端技術研究所の研究グループは、豚の椎骨(背骨を構成する骨)をコントロールする遺伝子を世界で初めて明らかにしました。
豚では、胸および腰にあたる部分の背骨(胸椎、腰椎)の数に、品種により19個~23個という大きな差異が見られ、椎骨の数が多くなるほど胴が長くなり、「ロース」にあたる部分の肉量が増すことが知られています。当研究グループは、このほどゲノム情報の詳細な比較解析により、豚の椎骨の数をコントロールする遺伝子座を同定しました。家畜において、このように有用形質の遺伝子座の同定に成功した例は極めて珍しく、今後の品種改良に資する画期的な発見といえます。
この成果を活用して改良を進めることにより、肉質に優れる小型の品種の大型化が可能となり、おいしいロース肉の生産量の増加が期待できます。
なお、本研究は農林水産省委託プロジェクト「有用遺伝子活用のための植物(イネ)・動物ゲノム研究(畜産ゲノム研究の加速化)」およびJRA研究助成事業「家畜ゲノム解析研究」で実施されたものであり、この成果はGenome Research誌電子版( http://www.genome.org/ )で本年4月6日より公表されています。
※参考資料と参考図は添付資料を参照