ミック経済研究所、情報セキュリティソリューション市場の現状と展望の調査結果を発表
情報セキュリティソリューション市場の内、日本版SOX法や内部統制、コンプライアンス意識の高まりから内部漏洩防止型の伸び率が2006年度16.4%増、2007年度26.1%増と好調。
情報・通信分野専門の市場調査機関である株式会社ミック経済研究所(本社:東京都港区、社長:有賀 章、以下ミック)は、情報セキュリティソリューション市場を捉えたマーケティングレポート「情報セキュリティソリューション市場の現状と将来展望2007」を2007年4月23日に発刊したと発表しました。
同マーケティングレポートは、主要セキュリティ製品ベンダー、セキュリティサービスベンダー、総合ITベンダー90社を調査対象に、各社のセキュリティ関連製品の出荷金額を情報セキュリティソリューション市場として、2005年度から2007年度、及び2011年度までの中期予測を含めて集計・分析を行いました。尚、同レポートでは、情報セキュリティソリューションを構成する製品を2分野22用途に分類して、情報セキュリティソリューション市場を考察しています。(調査期間:2006年11月~2007年3月)
2分野22用途別の内訳及び調査結果の概略は以下の通りです。
< 1.外部攻撃防御型 >
1.アンチウイルス
2.アンチスパイウェア
3.アンチスパムメール
4.不正侵入検知・防御
5.不正PC検知・排除アプライアンス
6.セキュリティアプライアンス
7.ファイアウォールパッケージ
8.Webアプリケーションファイアウォール
< 2.内部漏洩防止型 >
9.Webコンテンツフィルタリング
10.電子メールフィルタリング
11.機密コンテンツフィルタリングアプライアンス
12.暗号系パッケージ
13.監視・制御系パッケージ
14.データベース監査系ツール
15.データベース暗号化ツール
16.データベース脆弱性パッケージ
17.フォレンジックス
18.フィッシング対策パッケージ
19.サーバベースコンピューティング構築パッケージ
20.個人情報検出パッケージ
21.プロキシ・アプライアンス
22.セキュリティポリシー監査パッケージ
【情報セキュリティソリューションの市場規模推移】
今回、調査した2分野22用途別の総合計である情報セキュリティソリューション市場は、2005年度が1,133億円弱、2006年度が前年対比14.8%増の1,300億円強、2007年度が前年対比20.4%増の1,565億円強と予測されます。これを分野別に見ると図表1の通りです。
元来、情報セキュリティといえば、アンチウイルスや不正侵入検知といった外部からの攻撃を防御する製品が主流でした。そのため、情報セキュリティソリューション市場全体での構成比は、外部攻撃防御型が2006年度66.0%、2007年度64.4%と過半数を占めています。
しかし、現在は、情報漏洩事件が多発しているだけでなく、日本版SOX法や内部統制、コンプライアンスといった意識の高まりから情報システムの監視・管理の重要性が高くなっていることから、内部漏洩防止型の中には急成長を遂げている市場、新たに立ち上がった市場が多く、外部攻撃防御型と比較すると伸びが高い。その結果、2006年度は前年対比16.4%増の443億円弱、2007年度は前年対比26.1%増の558億円強と予測されます。そして、構成比は、2006年度で34.0%、2007年度で35.6%に増加する予定です。
急成長している内部漏洩防止型の用途分野としては、監視・制御系パッケージ、電子メールフィルタリングがあります。
近年に新たに立ち上がった用途分野としては、「データベース暗号」、「データベース脆弱性検査」などがあります。今までは、セキュリティの対象といえば、クライアントやネットワークが中心でしたが、個人情報漏洩事件の多発から、大量の顧客データが格納されているデータベースにもセキュリティ対策を行い、情報漏洩を防止するといった気運が高くなっています。また、経済産業省や金融庁がデータベースへの暗号化などセキュリティ対策を明文化した法整備を行うなど、社会的な流れが新たな市場の立ち上げに寄与しています。
尚、同マーケティングレポートの体裁は、A4版966頁のバインダー製本(集計・分析編と個別企業個票を収録)で、価格は199,500円(税込み)です。
※ 図表は関連資料を参照してください。