TDK、LTO認証機関CVEの認証試験に合格したUltrium4データカートリッジを発売
TDKのLTO Ultrium4データカートリッジが世界で初めて認証試験に合格。(※)
大容量800GB、高速120MB/sのD2407-LTO4、WORMタイプのD2407W-LTO4を発売開始。
TDK株式会社(社長:上釜 健宏)は、LTO(Linear Tape-Open)Ultriumフォーマットの第4世代にあたるLTO Ultrium4データカートリッジを開発し、このたび世界で初めてLTO認証機関CVE(Compliance Verification Entity)の認証試験に合格、5月より発売開始いたします。
製品アイテムはリライタブルタイプのD2407-LTO4、ならびに書き換えができないWORM(Write Once Read Many)タイプのD2407W-LTO4の2アイテムであります。
TDKは記録メディアメーカーとして、常にテープ、カートリッジ設計の初期段階から各ドライブメーカーと密接な情報交換を行い、各記録フォーマットに最適な製品の開発を目指しています。このようなことから、LTO Ultrium4データカートリッジの場合も、LTO認証機関CVEの厳しい認証試験に、世界で初めて合格する結果となりました。
デジタルネットワークの急速な発達、広がりによって、データストレージシステムで扱うデータ量はいちだんと膨大なものになっており、いっそうの大容量、高速のシステムが求められております。このような中でLTOの第4世代にあたるLTOUltrium4は、800GB(2倍圧縮時は1.6TB)の大容量とともに、120MB/s(2倍圧縮時は240MB/s)という高転送レートを実現しており、まさに大容量データ時代が求める高速大容量サーバのためのデータストレージシステムとなっております。
その記録メディアであるLTO Ultrium4データカートリッジは、大容量を可能にするために、12.65mm幅のテープに896の記録トラックがあり(LTO Ultrium1は384トラック、2は512トラック、3は704トラック)、またテープ厚を薄くして、より長いテープを巻き込む等、テープには一段と厳しい精度・性能・耐久性が要求されます。
今回、発売されるLTO Ultrium4データカートリッジD2407-LTO4、D2407W-LTO4には、記録メディアメーカーTDKが、LTO Ultrium1、2、3テープをはじめとする磁気記録メディアの開発で培った最高度の磁性材技術、テープ化技術を投入。専用に設計した高出力の超微粒子メタル磁性材スーパーファイナビンクスの採用や、磁性塗膜厚をnmオーダーでコントロールする超薄膜2層塗布技術、高精度にサーボ信号を記録する専用のサーボライターの採用等により、LTO Ultrium4フォーマットでのデータ信号の安定した記録/再生を実現しております。
さらにドライブとのアクセスを確実に行うために、高精度なリーダーピン、ドラムの真直度を高めたニューマルチストラット構造のリールハブなど、各部品の機能、精度を追求した高精度カートリッジ・メカニズムを採用しています。
これらにより、LTO Ultrium4データカートリッジD2407-LTO4、ならびD2407W-LTO4は、大容量・高速という時代のニーズに応える高耐久・高信頼のデータストレージメディアとなっております。
※2007年4月25日現在、TDK調べ
●TDK LTO Ultrium4データカートリッジの主な特長
1.さらに超微粒子化、高出力化を図った、メタル磁性材スーパーファイナビン
クスを採用。
2.超平滑で強度・寸法安定性に優れた専用のベースフィルムを採用。
3.高精度な超薄膜2層塗布技術により、安定した出力を実現。
4.電子線硬化EBバインダと熱硬化TDCバインダで高耐久性を確保。
5.正確なリード/ライトを可能にした、独自のサーボ信号ライティング技術。
6.さらに信頼性を追求、ドライブとのアクセスを確実に行う高精度カートリッ
ジ・メカニズム。
7.書き換えができないWORMタイプも同時発売。
●品名、品番(記憶容量)、価格、発売日
LTO Ultrium 4データカートリッジ
D2407-LTO4(記憶容量:非圧縮時800GB/2:1圧縮時1.6TB)
D2407W-LTO4(※)(記憶容量:非圧縮時800GB/2:1圧縮時1.6TB)
※WORM(Write Once Read Many)タイプ
オープン価格 2007年5月発売
●商品に関するお客様のお問合せ
レコーディングメディアビジネス・グループ
データストレージ製造部 Tel.(03)5201-7309
●LTO Ultrium4データカートリッジD2407-LTO4、D2407W-LTO4の主な特長
1.さらに超微粒子化、高出力化を図った、メタル磁性材スーパーファイナビン
クスを採用。
TDKでは、いっそうの高密度記録であるLTO Ultrium4フォーマット専用に開発したメタル磁性材スーパーファイナビンクスを採用。これは、より微粒子でありながら、磁性粒子一つひとつのσs(飽和磁化量)を高めた高出力磁性材であり、また、経時安定性に優れるという特長を有しています。これによって、長期にわたって安定したデータ信号出力を確保し、高精度なリード/ライトを可能にしています。
2.超平滑で強度・寸法安定性に優れた専用のベースフィルムを採用。
トラック密度が格段に増えたLTO Ultrium4テープにとって、ベースフィルムの精度は非常に重要です。TDKでは、超平滑で長さ方向、幅方向の寸法安定性に優れ、温・湿度などの環境の変化にも強い、専用のベースフィルムを採用。安定したリード/ライト、長期データ保存に大きな役割を果たしています。
3.高精度な超薄膜2層塗布技術により、安定した出力を実現。
TDKでは、非磁性層(下層)、磁性層(上層)のそれぞれを高精度に塗布する超薄膜2層塗布技術を確立。この製法は、上層、下層の界面混合がなく、この結果、磁性層の厚みは非常に均一性に優れ、膜厚はnmオーダーで精密にコントロールすることが可能です。さらにマルチハイプレスカレンダーにより、超平滑な磁性面を確保。高S/Nで安定した出力が得られる高信頼のメディアとなっています。
4.電子線硬化EBバインダと熱硬化TDCバインダで高耐久性を確保。
TDK LTO Ultrium4テープには、非磁性層(下層)、磁性層(上層)、それぞれの組成に最適に機能させるために、電子線硬化のEB(Electron Beam Curing)バインダと熱硬化のTDC(Three Dimensional Compound)バインダという2種類のバインダを採用。これによって、上層、下層の各塗膜内で強固な分子結合が行われ、強靭な塗膜構造を実現しています。この結果、ハードな繰り返しリード/ライトにおいても低エラーレートをキープする高耐久・高信頼テープとなっています。
5.正確なリード/ライトを可能にした、独自のサーボ信号ライティング技術。
TDKでは、高精度で安定したサーボ信号出力を得るために、サーボ信号の書き込み精度を徹底的に追求。書き込みヘッドの位置などが厳しく管理された専用のサーボライターによって、高精度なサーボ信号を記録しており、正確なデータ信号のリード/ライトを可能にしています。
6.さらに信頼性を追求、ドライブとのアクセスを確実に行う高精度カートリッジ・メカニズム。
TDKでは、より安定したテープ走行が求められるLTO Ultrium4のために、さらに精度、信頼性を追求したカートリッジ・メカニズムを開発、採用。特にドライブとのアクセスポイントであり、耐久性のキーとなるリーダーピンは規格の1/5以内、テープを巻き取るリールのドラムの真直度も、規格の1/4以内という高い精度を実現しています。カートリッジ本体も耐衝撃性に優れるなど、内部のテープをしっかり保護し、安定したテープ走行を確保する高信頼のカートリッジ・メカニズムとなっています。また、容量を8KBと増したLTOカートリッジメモリを搭載しています。
7.書き換えができないWORMタイプも同時発売。
重要なデータがミスで消去されたら、取りかえしがつきません。そのような大切なデータの誤消去を防ぐために、オーバーライトができないWORM(Write Once Read Many)タイプのD2407W-LTO4も同時に発売いたします。カートリッジはブルーグリーン&ライトグレーの2トーンカラーカートリッジで、リライタブルタイプとの識別も容易です。
※Linear Tape-Open、LTO、LTOロゴ、Ultrium、Ultriumロゴは、Hewlett-Packard Company、IBM Corporation、Quantum Corporationの米国およびその他の国におけるにおける商標です。