光村印刷、TFT‐LCD向けカラーフィルターの量産を前提として「反転印刷装置」を導入
TFT‐LCD向けカラーフィルターの量産を前提とした世界初「反転印刷装置」の導入について
光村印刷株式会社(本社:東京都品川区)はこの度、新しいカラーフィルター製造方法である反転印刷法を採用した反転印刷装置によるカラーフィルターの量産を5月より開始予定の運びとなりました。本装置は、光村印刷の考案による反転印刷法を実現するため、光村印刷が三菱重工業株式会社、大日本インキ化学工業株式会社、株式会社金陽社と共同開発したものです。
光村印刷はこれまで、独自の3色印刷法を用いて主にSTN-LCD向けカラーフィルターの製造を行って参りましたが、本装置の導入により、TFT-LCD向けカラーフィルターの本格量産にも着手する計画です。本装置によるカラーフィルターは、従来の顔料分散法と同等以上の品質を有し、携帯電話から中小型モニターまで幅広い用途への展開が可能です。また、顔料分散法に比べプロセスが大幅に短縮されるため、製造コストも削減できます。
量産は、5月当初は約1万枚/月の生産より開始し順次増産し約3万枚/月まで拡大予定です。
今後は、新規ラインの新設により、国内外に向けて更に販路を拡大していく計画です。
【反転印刷法について】
1.原理(下図は1色での説明図)
※ 関連資料参照
本印刷法では、色材を転写体にコーティングし、非画像部を版上で取り除いた後、転写体に残った色材を被印刷体に転写します。ブラックマトリックスとRGBの4色を一括形成するため、顔料分散法に比べ大幅にプロセスを短縮可能です。また、各プロセスユニット(転写体-印刷版-被印刷体)間のインキの授与が完全に行われ、低い印刷圧力で画像形成するため、高品質な画像を得られます。
2.特徴
・高品質(顔料分散法と同等以上の品質)
・低ランニングコスト(プロセス短縮、エネルギーコストの削減)
・低イニシャルコスト(クリーンルームの省スペース化、工程内保管と物流の簡素化)
【反転印刷装置について】
本装置は、版定盤及びガラス定盤移動型の印刷機構で、コーティングユニットと版洗浄ユニットを有しております。初回導入装置ではガラスサイズ600×720まで対応可能であり、量産開始当初の生産能力は月産1万枚を計画しております。以後タクト短縮を図り、月産3万枚の生産を目標としております。(*従来の3色印刷装置は、月産1万枚)
反転印刷機は、設計上はG5~6サイズも作成可能な装置であります。
以上