立命館大と野村証券、高等学校における金融・ファイナンス教育で連携
立命館大学と野村證券、高等学校における金融・ファイナンス教育で連携
立命館大学(京都市中京区)と野村證券株式会社(東京都中央区)は、高等学校における金融・ファイナンス教育に関して、「『高等学校における金融・ファイナンス教育開発プロジェクト』の推進に関する協定」を締結しました。今後両者は連携して、金融・ファイナンス分野の教材や教育プログラムの開発に向けた取り組みを実施してまいります。
グローバル化の波が押し寄せている金融・ファイナンス分野において、その知識の国民的普及と、専門知識を有する人材の育成は重要な課題であると言えます。
しかしながら、わが国の高等学校段階における金融・ファイナンス教育の取り組みは、現時点では極めて未成熟な状況であり、その分野で大学進学を目指そうとする生徒は多くありません。これは、カリキュラムの問題だけではなく、適切な教材や人的資源の不足が内在しているためでもあり、現時点では高等学校段階での金融・ファイナンス分野の教育を飛躍的に前進させることは困難な状況にあります。
近年、各関係機関の努力によって初等・中等教育段階の経済・金融リテラシー教育は徐々に広がっていますが、高等学校における取り組みの進展が課題となっています。そこで、立命館大学と野村證券は、このような社会的課題を受け止め、両者が蓄積してきた金融・ファイナンス教育に関わる取り組みと経験を踏まえ、両者が連携して、高等学校における金融・ファイナンス教育の進展に寄与する活動を開始することといたしました。
このたび締結した協定に定められた連携事業の目標・理念は以下の通りです。
1. 社会的取り組みが未成熟な高等学校分野における金融・ファイナンス教育の開発・展開について先導的に取り組み、企業、大学としての社会的役割を果たす。
2. 初等・中等教育分野における金融・ファイナンス教育の重要性について積極的に情報発信を行い、その社会的認知度の向上と社会的活動の前進に資する。
3. 金融・ファイナンス分野に関心を有し、意欲的に専門知識を習得し、関連の企業・機関での活躍を目指そうとする人材の裾野を広げる。
本協定にもとづく連携プロジェクトは、立命館大学ファイナンス・情報・インスティテュートを運営主体とし、野村證券株式会社・野村グループからは、これまでの取り組みによって蓄積された経済・金融リテラシー教育に関わる教材等のリソースや運営資金の提供、または教育プログラムへの社内人材の派遣などを実施して、互いの密接な連携・協力のもとで推進してまいります。
プロジェクト期間中の主な活動内容は以下の通りです。
1. 高等学校における金融・ファイナンス教育の実態調査・研究
2. 教材資料、その他情報収集
3. 高等学校教員等の教育機関関係者および金融機関関係者とのネットワーク構築
4. プロジェクト活動内容に関わる情報発信と情報交換の拠点形成
5. 金融・ファイナンス教育プログラムの開発・設計
プロジェクトの推進期間は当面2007-2008年度の2年間を予定しています。
2007年度を「リサーチ・ステージ」と位置付け、(1)高等学校現場での教育内容や教材の調査、先行する取り組みの事例などに関する情報や資料の収集・分析、(2)高等学校教員とのネットワークの構築に取り組みます。
また、2008年度を「アウトプット・ステージ」として、(1)立命館の附属校を含む高等学校との連携プログラムの企画・実施、(2)プロジェクト成果の社会的発信(出版物の刊行、シンポジウムの開催等)を実施する予定です。
以上