中外製薬、ロシュと仏・独・英で関節リウマチ治療薬「アクテムラ」の共同販促を実施
関節リウマチ治療薬「アクテムラ(R)」の海外における共同販促について
中外製薬株式会社[本社:東京都中央区/社長:永山治](以下、中外製薬)は、F.ホフマン・ラ・ロシュ社[スイスバーゼル/会長兼CEO:フランツB.フーマー](以下、ロシュ)との、ヒト化抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体「アクテムラ(R)」に関するライセンス契約に基づいて、フランス、ドイツ、英国において共同販促を実施し、米国、イタリア、スペインにおける共同販促の選択権を行使しないこととしましたのでお知らせいたします。
両社は、2003年7月、中外製薬がロシュに対し「アクテムラ(R)」に関わる特許および商標等の独占的使用権を日本、韓国、台湾を除く全世界で許諾するライセンス契約を締結しました。
この契約では、中外製薬がフランス、ドイツ、英国においてロシュとの共同販促を実施する一方、米国、イタリア、スペインにおける共同販促実施の選択権を保有しておりました。
中外製薬が販売拠点を有するフランス、ドイツ、英国において、両社は、共同販促のための組織体制づくりや、マーケティング戦略および販促計画の立案を開始しております。
一方米国、イタリア、スペインにおいては、「アクテムラ(R)」の事業価値最大化の早期実現、および中外製薬の中期的な国際展開などの観点から総合的に勘案した結果、共同販促実施の選択権を行使しないことを決定しました。共同販促を実施するフランス、ドイツ、英国において両社は販促努力割合に応じた利益配分を行うことになります。
これまで、両社は「アクテムラ(R)」の海外での共同開発を推進してきました。現在、世界41カ国で関節リウマチに関する第III相臨床試験を実施し、5つの第III相臨床試験のうち4つの試験結果を年内に報告する予定で、ロシュは欧米において2007年後半の承認申請を予定しています。
今後も、両社は開発とマーケティング活動における協力体制を通じて「アクテムラ(R)」の事業価値最大化を目指します。
以 上
【ご参考】
「アクテムラ(R)」について
「アクテムラ(R)」は、大阪大学と中外製薬により共同開発されました。マウスで作製された抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体をもとに、遺伝子組換え技術により産生されたヒト化モノクローナル抗体であり、IL-6とその受容体の結合を競合的に阻害することによって、IL-6の生物学的作用を抑制し薬効を示します。
国内においては、キャッスルマン病治療薬として2005年6月から販売中であり、2006年4月には関節リウマチおよび全身型若年性特発性関節炎の適応追加につき承認申請をしています。