米アナログ・デバイセズ、JPEG2000圧縮チップを池上通信機がIPネットワーク監視システムに採用
アナログ・デバイセズのJPEG2000圧縮チップを、
池上通信機がIPネットワーク監視システムに採用
アナログ・デバイセズ社(ニューヨーク証券取引所:ADI)は、池上通信機株式会社(本社:東京/代表取締役社長:松原 正樹/以下、池上通信機)が、同社のIPネットワーク監視システム「T-SiPシリーズ」のビデオ画像の圧縮・伸張処理に、ADIのJPEG2000圧縮チップ「ADV202」を採用したことを、発表しました。池上通信機は、放送局・映像制作プロダクション等が使用するビデオカメラなどの各種放送機器ならびにセキュリティ監視システムのリーディング・サプライヤです。
ADIのリアルタイム・ビデオ圧縮エンジンADV202は、競合メーカーの圧縮ソリューションに比べて高いレベルのスケーラビリティと画質を提供します。この特長により、ADV202を用いた監視システムでは、同じ画像ストリームをさまざまな伝送ビットレートで、複数の解像度をサポートできます。これによりセキュリティの専門家は、ビデオ信号を、複数の表示装置や伝送媒体と互換性を持つようにカスタマイズできるようになります。特に、ADV202の採用により圧縮処理が強化されるため、システム・オペレータは、携帯型でも、据置型でもあらゆるサイズの画面で最高品質の画像を受信できるようになり、画像中のかすかな変化をも検出して、セキュリティの侵害の実態と重大性を迅速に把握することができるようになります。
池上通信機の映像情報事業本部長、小島恭次氏は次のように述べています。「高精細な画像を効率的にマネジメントする為に、IPネットワークに対応したセキュリティ監視システムは、政府官公庁をはじめ、金融機関、駅や空港、小売店、スーパーマーケットなどでも、急速に需要が高まってきています。この普及に伴い、監視映像システムの設計者は、実際に監視する各現場のシチュエーションに合ったシステムを構築する必要が出てきました。
つまり、各監視映像に求められるニーズが、スムーズな映像の監視であったり高精細な保存用映像であったりと様々なのですが、その全てのニーズに対応するために、多様なスケーリングが可能なビデオ・ソリューションの必要性が重要視されています。それを可能にしたのが、デジタルネットワーク技術と画像圧縮技術の飛躍的な進歩です。JPEG2000は、競合技術に比べて優れたスケーラビリティと画質を有することがすでに実証されています。ADIはこのJPEG2000対応技術のパイオニアとして知られているため、ビデオ圧縮ソリューションADV202を当社のIPネットワーク監視システムT-SiPシリーズの駆動用に採用したのは、極めて自然な選択であると考えています。」
アナログ・デバイセズ社デジタル・イメージング・システム事業部のディレクタ、スチュアート・ボイド(Stuart Boyd)は、次のように述べています。「JPEG2000規格に基づくソリューションにより、これまで以上に高品質でスケーラブルな携帯型セキュリティ監視システムが実現します。高解像度の画像を、実質的にあらゆる画面サイズや伝送媒体にもスケーリングできることで、これまでは一式のTVモニター装置に拘束されていたセキュリティ専門家は、自在に動き回って、監視画像にアクセスできるようになりました。さらに、ADV202は、データをエンコード(符号化)およびデコード(復号化)する上で、外付け部品を一切必要としないため、セキュリティ監視システムの設計者に、部品点数やシステム・コストの削減、信頼性の増大というメリットを提供します。」
アナログ・デバイセズのJPEG2000ソリューションは、ビデオ画像をさまざまな解像度で処理します。一度圧縮したコンテンツを、多くの異なる方法で伸張して、複数のディスプレイ構成やビットレートに対応できるため、追加の信号処理は不要です。これは、セキュリティ・アプリケーションにおいては特に重要な特長です。池上通信機の IPセキュリティ監視用デジタル・ネットワーク・システムT-SiPシリーズは、JPEG2000技術を駆使して、より高い画質、フレキシブルなフレーム・レート、およびより広範囲な画面サイズを可能にします。T-SiPシリーズは、IPD-Q01ネットワークカメラ、IEN-T01ネットワークエンコーダ、およびINR-Q500ネットワークレコーダの3つのシステムで構成されています。最も過酷な動作条件下でも、高品質の画像のキャプチャ、処理、表示が可能です。池上通信機は、3月28日~30日にラスベガスで開催された「ISC-West Security/Surveillance Show」で、同社の低遅延ネットワークビデオデコーダ,および光学38倍ズームの高速プリセットドームカメラをはじめとする革新的な新製品を発表しました。両製品もまた、ADIのJPEG2000ソリューションを用いています。
ADV202は、シングルチップのJPEG2000コーデックで、ビデオ、および高帯域の画像圧縮アプリケーションに用いられます。ADIの独自技術SURF(TM)(Spatial Ultra-efficient Recursive Filtering:空間超高効率再帰フィルタリング)ウェーブレット技術の採用により、ADV202は、静止画像のリアルタイム圧縮と伸張、さらに最高HD(High Definition:高精細画像)ビデオの解像度にも対応しています。外付けのメモリは不要で、デバイスはコンパクトな12mm × 12mmまたは13mm × 13mmのBGA(ボール・グリッド・アレイ)パッケージで供給しています。監視システム、プロ用ビデオ、およびデジタル映画を含む、さまざまなアプリケーションに広く用いられるように、ADV202は、高性能ビデオ・ソリューションや、さらに将来の低コスト・ビデオ・システムにも適した設計になっています。詳細情報については、ウェブサイト www.analog.com/jp/ADV202 をご覧下さい。
JPEG2000規格について
JPEG2000はウェーブレット変換に基づく国際的に認められた画像圧縮規格です。ウェーブレット技術は、二次元フィルタリングとサブサンプリング(ピクセル・デシメーション:画素間引き)を、階層的かつ多段の組み合わせで適用する技術です。詳細情報については、ウェブサイト www.jpeg.org/jpeg2000/index.html をご覧下さい。
T-SiPについて
T-SiPとは、Triple Scalable IPnetwork(フレームレート、画質、解像度の3つの要素をスケーラブルに扱えること)に対応した池上通信機株式会社のIPビデオセキュリティコンポーネントのシリーズ名です。
アナログ・デバイセズについて
アナログ・デバイセズ(ADI)は、技術革新、高性能、そして卓越した技術力を企業文化として継承し、半導体市場において長期にわたり高い成長を示してきました。
ADIは、データ・コンバージョンとシグナル・コンディショニング技術の世界的リーディング企業として業界で高い評価を得ており、あらゆる種類の電子機器分野を取り扱う世界各国60,000社以上の顧客に製品を提供しています。アナログおよびデジタル信号処理アプリケーションに用いられる高性能集積回路の世界的なリーディング・メーカーとして、40年以上の歴史を誇るADIは、本社をマサチューセッツ州ノーウッドに構え、全世界で約8,900人の従業員を擁します。製造工場は、マサチューセッツ、カリフォルニア、ノース・カロライナ、アイルランド、フィリピンにあります。アナログ・デバイセズはニューヨーク証券取引所に上場しており(ティッカ-:ADI)、ADIはS&P 500インデックスに挙げられています。
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アナログ・デバイセズ株式会社
イメージング・セグメント・マーケティング・グループ
電話 03-5402-8291