サカタのタネ、家庭菜園向けミニハクサイのF1新品種「黄味小町」の種子を発売
極早生・晩抽(※1)タイプで春まき栽培は定植後約50日、秋まき栽培はタネまき後約55日で収穫が可能
ミニハクサイの新品種『黄味小町(きみこまち)』の種子を発売
特に春まき栽培で従来品種にない特性を発揮する球高約20cm、重さ800g前後の使いきりサイズのミニハクサイ
サカタのタネでは、ミニハクサイのF1新品種『黄味小町』の種子を、おもに家庭菜園向けに5月19日から販売を開始いたします。『黄味小町』は、球高約20cm、球径約13cm、重さ800g前後と丸ごと1個を使いきりできるサイズのハクサイです。形状は尻張りのよい円筒形で、球内全体に黄色がまわり、カットした際に外葉部分の緑色とのコントラストが映える品種です。『黄味小町』は極早生品種で、春まき栽培では定植後50日ほど、秋まき栽培でタネまき後55日ほどで収穫できます。特に『黄味小町』は、春まき栽培で問題となるべと病(※2)に対して従来品種よりも強い耐病性を持ち、同様に石灰欠乏症(※3)やゴマ症(※4)などの生理障害にも強い特長を持ちます。あわせて外葉もコンパクトなため、春まき栽培で超密植栽培できる優れた特性を発揮します。食感は、シャキッとした歯応えで、いため物や漬物、さらに鍋物などに好適な品種です。ミニハクサイ『黄味小町』の種子は、全国の種苗店・園芸店・ホームセンタールートと当社通信販売部および同オンラインショップで販売し、いずれも価格(税込希望小売価格、当社通信販売部は税込小売価格)は、1袋2ml(約300粒)入り420円です。
核家族化もさることながら食の多様化がすすんだ日本の食糧事情では、1度に使いきれる大きさ、冷蔵庫で場所をとらない大きさが野菜の購入動機になってきています。このようなことから一般家庭では大きくて重たい従来のサイズのハクサイは、丸ごと購入してもなかなか使いきれず、持ち帰りにも不便なことから、スーパーマーケットなど流通業者は1/2や1/4に少量ずつカットして売るケースがたいへん多くなっています。反面、カットされたハクサイは、その断面から水分が徐々に蒸発し、ハクサイ本来のみずみずしさが失われ、切り口に光が当たることで消費者に好まれる球内の黄色い部分が緑色になってしまうこともあり、商品価値が低下しやすい問題があります。また、生産者は急速に老齢化しているため、重量野菜のハクサイの収穫は大きな負担になっています。
一方、団塊世代の大量退職時代に突入し、余暇活動としての家庭菜園の人気が高まっていますが、家庭菜園ユーザーからは小面積でも早く手軽においしい野菜が作れることが求められています。
これらさまざまな需要に応えるべく当社が育種研究開発を進め、販売を開始することになったのがミニハクサイ『黄味小町』です。
『黄味小町』は、球高約20cm、球径約13cm、重さ800g前後と使いきりサイズのハクサイです。形状は尻張りのよい円筒形で、球内は全体に黄色がまわり、カットした際に外葉部分の緑色とのコントラストが映える見た目にも優れた品種です。
『黄味小町』は極早生品種で、秋まき栽培で55日ほど、春まき栽培では定植後50日ほどで収穫できます。特に晩抽タイプのため、冬を含めた春まき栽培で特性を発揮します。例えば12月中旬にタネまきして1月中旬に定植した場合、トンネル栽培で3月から品質の高い青果物を収穫できます。
ハクサイは葉枚数の多少により、葉重型品種と葉数型品種に大きく2つに分けられます。葉重型品種は早生品種に多く、葉枚数が少ない分、葉肉が厚く、水っぽくふわっとした食感で甘みの強い特長があります。葉数型品種は晩抽タイプの晩生品種に多く、葉枚数の多い分、葉肉が薄く、水っぽさがなく硬い食感になりやすい傾向があります。ミニハクサイ『黄味小町』は葉数型品種でありながら、ミニサイズで収穫する極早生品種のため、葉が硬くなる前に収穫でき、シャキッとした歯応えで食感にも優れ、いため物や漬物(キムチ漬けなど)、鍋物、そしてサラダなどに好適な万能品種です。
さらに、これまでミニハクサイ栽培では、ミニサイズでの収穫に必要な密植栽培を行うと通気性が低下するため、特に春まき栽培ではべと病が高い確率で発生しました。これに対しミニハクサイ『黄味小町』は、べと病に対して強い耐病性を持ち、外葉もコンパクトなため、超密植栽培が可能です。具体的には家庭菜園の場合、ベット幅80cmで条間40cm×株間25cm(10株/m2)の2条植え、あるいはベット幅1mで条間25cm×株間25cm(12株/m2)の3条植えにします。
同様に春まき栽培で問題となる石灰欠乏症やゴマ症などの生理障害にも強く、栽培環境をあまり選ばず、家庭菜園などでも安心して栽培を楽しめる、たいへん作りやすい品種です。
□ミニハクサイのF1新品種『黄味小町』の概要
* 関連資料 参照
(※1) 晩抽:花芽の分化が遅く、結果、開花に先立って始まるとう立ち(抽だい)が遅いこと。
(※2) べと病:ハクサイの場合、葉では主として外葉に淡黄色から褐色の不整形病斑を形成する。中肋(ろく)部に褐色の病斑を形成することもあり、茎べとあるいは結球部にも生じることから玉べとなどと呼ばれる。多湿かつ比較的低温時に発生し、主として春と秋に多い。
(※3) 石灰欠乏症:ハクサイの場合、葉に多数の小白斑や小孔を生じたり、「アンコ」と呼ばれる球内が腐る症状。
(※4) ゴマ症:ハクサイの茎の部分に、多数の黒い斑点が発生する症状。
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株式会社サカタのタネ 資材統括部 電話045-945-8806
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株式会社サカタのタネ 通信販売部 電話045-945-8824