ビジョンメガネ、新たに「VISION再生3ヵ年計画」を策定
「VISION再生3ヵ年計画」について
1.序言
当社は、2006年3月期を初年度とする経営5ヵ年計画(VISION 200 PLAN)を実行中で、既に2年を経過したが計画と実績は大幅に乖離しているため、従来の経営5ヵ年計画を中止して、新たに「VISION再生3ヵ年計画」を策定することにした。
2.VISION 200 PLANの総括
同計画は大量の新規出店を原動力として、増加する店舗数に応じた人員と販売促進費を投入することで、売上を伸ばすという売上拡大戦略であった。売上目標達成の前提として以下の二つの必要条件を設定した。
1)毎年30店舗(初年度は20店舗)の新規出店を継続する。
2)既存店の店舗当たり売上高を61百万円から67百万円に増加させる。
新規出店について初年度は、計画20店舗に対し18店舗と相応の実績となったが、二年目の2007年3月期は18店舗の出店に終わった。赤字店舗の閉店増加もあり、期末店舗数は計画比15店舗の不足となった。要因として新店を開発していくために必要な情報収集力が十分に備わっておらず、年間30店舗の出店に対応するには先ず情報が不足していた。また新店が黒字化しない事例が散見され、情報を的確に処理する能力も不十分と考えられる。
既存店の売上増加については、従来からのチラシ、DMに頼った販売促進策は有効に機能せず、計画前の2005年3月期(売上高150億円)の広告宣伝費10億円を上回る11億円の費用投下をしたが、売上高は2006年3月期150億円、2007年3月期144億円と低下し、店舗当たり売上高も計画時の61百万円から58百万円へ低下した。
こうした現状を踏まえ、経営5ヵ年計画の運営について再検討した結果、同計画を継続しても継続的に売上を増加させて行く可能性が乏しく、採算を確保できない新規出店の加速、非効率な売上増強策を展開してしまう危険性が高いと判断するに至り、経営5ヵ年計画を中止することとした。
3.VISION再生3ヵ年計画の基本方針
「VISION再生3ヵ年計画」の基本方針は、継続的に売上増加を実現していける体制を再構築し、持続的、安定的に成長可能な企業に当社を再生することである。
そのために従来の「VISION 200 PLAN」を中止せざる得なくなった経緯を謙虚に反省し、当社に不足している能力を拡充し、企業体質を改善していく必要がある。
更に体質強化の一環として収益重視の経営体制を明確にし、経費削減に全社的に取り組み、高い収益性を追求して参りたい。
体質改善策として以下の3点が重点課題である。
1)まず店舗開発力の強化である。新しい売上を創造していくために新規出店は最大の手段である。情報ルートを整備して情報の質量を充実することで、採算性の高い良質の出店を継続的に実現していける体制を構築することが急務である。
2)次にMD戦略の推進である。全国に展開する260の店舗ごとに、個別対応できるMD戦略を究極の課題として段階的に取り組んで参りたい。市場は買い手市場になっており、消費者は真に欲しいものにしか購買行動は起こさない。きめ細かいMD戦略こそが小売業生き残りの鍵である。
3)三つ目は人事施策である。社内調査において人事制度への不満がきわめて強いことがわかった。社内アンケートや個別ヒアリングの結果、評価制度、資格制度、賃金制度の円滑な連動が機能しなくなっているという指摘もあり、納得感のある制度見直しが必要と認識している。またキャリア開発や人事異動等でも不安の声があり、良質な人材を確保し企業経営を安定させていくためには重要な課題となっている。
4.VISION再生3ヵ年計画の戦略、施策
基本方針に掲げた重点課題について次の具体的施策を考えている。
1)店舗開発部門強化
・関東地区の情報ルートの開拓、既存ルートのメンテナンスができる人材を複数名確保する。
・人選については外部専門家の採用も考える。
・情報ルートとして大手業者との業務委託を実施する。
・店舗開発部内に審査・調査部署を新設し、出店判断等案件検討機能の強化を図る。また売上予測システムの構築を検討していく。
2)MD戦略推進
・実験店舗を設定して、個店別対応を進めていく上で発生する問題点の確認と、効果の点検を実施する。
・実験の範囲を拡大しながら運営ノウハウを蓄積し、最終的には全店で個別品揃えを実施できる体制を構築していく。
・店舗に判断能力が備わるまでは相当な実験が必要と考えられ、商品部の人員拡充も必要と考えている
3)人事施策
・人事制度の問題点を整理して、抜本的な改革を実行していく。改革PTを組成して取り組んでいく。賃金体系にも踏み込んだ改革が必要であり、実施事項をスケジューリングして進行させる。
・改革の一環として社員教育制度を見直し、資格制度とリンクした制度を構築しキャリア開発制度とリンクさせる。
5.VISION再生3ヵ年計画の計量計画
1)経営目標(単体)
※添付資料を参照
2)重点施策
・出退店戦略
年間15店舗、3年間45店舗の出店を計画している。採算確保できる良質な出店を前提として体制面を整備する。
退店は3年間で33店舗の不採算店閉店を決めている。
・販売力強化
店舗の繁閑に応じて休日を設定し、店舗間の人員を流動化させる。効率的な人員配置により販売力を増強する。人繰りに余裕ができることで研修時間の捻出や休日店舗の光熱費削減も見込める。
・商品戦略
在庫圧縮、仕入削減の効率施策を展開する。
個別店毎のMD施策に取り組む。
・財務体質改善
有利子負債の圧縮。
経費削減の全社運動を展開する。
以 上
*見通しに関する注意事項
当資料に記載されている内容は、種々の前提に基づいたものであり、記載された将来計画数値、施策の実現を確約したり、保証したりするものではありません。