村田製作所、パワーアンプモジュール向け小型チップフェライトビーズを商品化
携帯無線通信機器用パワーアンプモジュール向け
高インピーダンスの小型チップフェライトビーズの商品化
-0603(EIA:0201)サイズBLM03AG102SN1-
【本文】
(株)村田製作所は、このたび0.6×0.3×0.3mm(L×W×T)の0603サイズでは業界最高のインピーダンスを持つチップ積層フェライトビーズBLM03AG102SN1を商品化しました。
当商品は、業界最高のインピーダンス1000Ω(at100MHz)という小型のチップフェライトビーズであり、従来使用されている1005サイズのチップフェライトビーズから0603サイズへ置き換えることで、使用部品の小型化が図れ、実装スペースを約60%削減できます。それによって、使用機器の小型・軽量化に大きく貢献でき、携帯電話用パワーアンプモジュール(*1)など小型・省スペースが要求される用途でさらなるノイズ除去効果が期待されます。村田製作所はこれまで培ってきたフェライト積層技術を用い、素子内部のコイル構造を改善することにより0603サイズでの高インピーダンス化を実現しました。また、RoHS指令(*2)での規制対象物質を使用しておりません。
村田製作所製BLM03Aシリーズは既に一般信号ラインのノイズ対策に使用できるようインピーダンス値が10・70・120・240・600Ω(at100MHz)の5アイテムをラインアップしています。今回商品化しました1000Ω(at100MHz)品は2007年4月より量産を開始しており、生産数は月産1億個を予定しております。
【背景】
チップ積層フェライトビーズは各種電子機器のEMIノイズ対策や異常発振防止に広く使用されています。
村田製作所ではこれらの用途に対応するために様々なサイズや特性のチップ積層フェライトビーズを商品化してきました。
近年、電子機器の小型化・高機能化にともない、ノイズ対策部品でも小型化・高いEMI除去効果が求められています。既存のチップ積層フェライトビーズでは1005サイズ品で1000Ω(at100MHz)品を商品化していますが、継続して小型サイズでの高インピーダンスのニーズが高まっています。
村田製作所では、従来の0603サイズ品での更なる高インピーダンス化、および1005サイズ品から更なる小型化への取り組みを推進した結果、1000Ω(at100MHz)品を0603サイズで成功しました。
【用語説明】
*1 携帯電話用パワーアンプモジュール:
高出力のRF信号を生成することができる電力増幅器のことである。携帯電話をはじめ、多くの無線通信機器に使用されている。(RFはRadio Frequencyの略で、500MHz~1GHzの周波数帯域での無線周波数である)
*2 RoHS指令:
電気・電子機器における鉛、カドミウム、水銀、六価クロム、PBB、PBDEの使用を制限する指令で、2006年7月から欧州連合(EU)で施行されている。
【特長】
1.0603サイズでは業界最高の1000Ω(at100MHz)を実現。
2.携帯電話用パワーアンプモジュールの異常発振防止に最適。
3.外部電極はNi+Snめっき構造で、はんだ耐熱性に優れる。鉛全廃品。
【用途】
・各種電子機器のEMIノイズ対策
・一般信号ラインのノイズ対策
・携帯電話用パワーアンプモジュールの異常発振防止
【品番】
BLM03AG102SN1
※以下は添付資料を参照
【外形寸法図】
【電気的性能】
【特性図】
【価格】
サンプル価格5円/個
【販売開始月】
2007年5月
【生産体制】
2007年4月より月産1億個
【特許関係】
特許1件出願中