日本TI、電源設計者向け次世代デジタル・パワー・システム・コントローラーなど発表
日本TI、電源技術者にとって設計しやすい
次世代のデジタル・パワー・システム・コントローラを発表
マルチ出力、マルチ・フェーズの新型コントローラ
デジタル・パワーの電源設計を簡単に実現できるデザイン・ツール
インダクタ、複数のFETといったPower Stageをモジュール化
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、POL電源設計者にとって、設計しやすい第三世代の「Fusion Digital Power(TM)」コントローラ製品『UCD9240』、およびコイルやFETといったPower Stageをモジュール化した新型のプラグイン・モジュールを発表しました。これらの高いプログラマビリティと豊富な機能を提供する新製品は、最高4個の独立したデジタル制御ループで最高8個のフェーズを管理でき、軽負荷の場合のエネルギー変換効率を最高30%向上できます。本件の詳細に関しては http://www.tij.co.jp/sc07081 (日本語)から参照できます。
サン・マイクロシステムズをはじめとするサーバー・メーカや主要な通信機器メーカ各社は、複数の電源フェーズを管理するとともにシステムの変更に迅速に対応する新しい制御方式を常に求めています。TIの『UCD9240』パワー・システム・コントローラ製品ファミリは最も高い実装密度と性能を提供し、システムのニーズに迅速に適応します。
サン・マイクロシステムズのシステム・テクノロジー担当でシニア・マネージャであるアンスー・チャクラバーティ氏(Ansu Chakrabarti)は次のように述べています。「これからのサーバー製品には、高い実装密度を実現すると同時に、システム全体の信頼性を保持しながらシステムの動作領域全体に渡って電力効率をさらに向上させる、より高いパワー・マネジメント能力が必要となります。TIの『UCD9240』をはじめとする新しいデジタル・パワー・テクノロジーによって、当社のサーバーの電源システムをかなり高いレベルまで最適化できるようになります」
POLシステム向けのデジタル・パワー・コントローラ
4出力、マルチ・フェーズのパワー・システム・コントローラである『UCD9240』は、250ps(ピコ秒)の分解能を持つデジタルPWM(パルス幅変調)を内蔵しています。このデジタルPWMはGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェイス)経由でフルに設定でき、設計者は電源電圧および電流のスレッシュホールド、応答特性、ソフト・スタート、マージン、シーケンス動作、各電源のトラッキング、フェーズ管理、ループの応答特性、ファン制御その他の数多くの機能を簡単に実現できます。
『UCD9240』は完全デジタルのループ制御を実行するとともに、最高2MHz(メガヘルツ)のスイッチ周波数をサポートする「Fusion Digital Power」の周辺回路を内蔵しています。『UCD9240』は最高100個の PMBus?インターフェイス・コマンドをサポートし、電源の制御、設定、管理を実行できます。また動作時でも40mA(ミリアンペア)と低い消費電流特性を提供します。
フェーズ・マネジメント機能
『UCD9240』は、負荷範囲全域に渡って電源を高いスイッチ周波数で動作させることが可能な、ユニークなフェーズ・マネジメント機能を内蔵しています。この機能によって、電源の各フェーズをONまたはOFFにし、特定の負荷への電力供給に必要なフェーズだけをONにできます。さらに『UCD9240』によってシステムの動作条件に最適なループ応答を実現でき、負荷範囲全域で過渡応答特性を満足できます。
インダクタ、複数のFETをもち、デジタルパワーに特化した「PowerTrainTM」モジュール
新型の『UCD9240』に加え、TIでは新型の「PowerTrain」プラグイン・モジュール、『PTD08A010W』および『PTD08A020W』を発表しました。これらの新製品は、『UCD9K』コントローラ・ファミリと組み合わせて使用した場合に、電源システムの設計をさらに簡素化します。『PTD08A010W』の出力電流は10A(アンペア)、『PTD08A020W』は同20Aで、インダクタ、複数のFET、電流センス機能を備えたTIの『UCD7230』ドライバ、それに短絡保護回路などを内蔵し、システムの保護と同時に、安定で高い信頼性を持つ電源機能を提供します。
デジタル・パワー製品の設計を支援するデザイン・ツール
TIのGUIツールは、設計するパワー・システムの監視および制御のための設定のほか、特定の基準の設定もプログラミングなしで行うことができます。このツールは無料で、すべての「Fusion Digital Power」の『UCD9K』コントローラで使用でき、電源システムをデジタル管理するため必要なリアルタイムの監視、モデリング、シミュレーションなどの機能を提供します。
発展するTIのデジタル・パワー製品ポートフォリオ
TIでは、直観的に理解でき使いやすい開発環境を通して、デジタル制御のパワー・システムにおいて、プログラムによって簡単に電源制御できる高度な機能および高性能を実現する幅広いデジタル・パワーICのポートフォリオを供給しています。TIのデジタル・パワー・ソリューションは「Fusion Digital Power」シリーズの『UCD9K』ファミリ、『UCD7K』コントローラおよび電源ドライバ製品からDSPベースで高性能なフル・プログラマブルの『TMS320F28x』コントローラまで取り揃え、POL電源から大電力のAC/DC変換まで幅広いアプリケーションに最適化された製品を供給します。
供給と価格について
『UCD9240』パワー・システム・コントローラは現在サンプル出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。パッケージは64ピンQFNです。1,000個受注時の単価の参考価格は5.95ドルです。『PTD08A010W』ならびに『PTD08A020W』の各「PowerTrain」モジュールは現在サンプル出荷中で、1,000個受注時の単価の参考価格は『PTD08A010W』が8.50ドル、『PTD08A020W』が12.90ドルです。
『UCD9240』、『PTD08A010W』および『PTD08A020W』の量産出荷は2007年第3四半期に予定されています。評価ボード、アプリケーション・ノートおよびデータシートに関しては http://www.ti.com/digitalpower (英文)から参照できます。
TIのパワー・マネジメント製品に関する情報は、日本語インターネットでも発信しています。( http://power.tij.co.jp )
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テキサス・インスツルメンツおよび日本テキサス・インスツルメンツについて
テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)は、グローバルな半導体企業であり、デジタル家電、ワイヤレス市場などに向けたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)とアナログICを中核とするトータル・ソリューションを提供しています。そのほか、教育関連テクノロジーを展開、世界25ヶ国以上に製造・販売拠点を持っています。
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は、テキサス・インスツルメンツの子会社で日本市場における大手の外資系半導体サプライヤです。資本金は362億5,000万円です。大分県日出、茨城県美浦に生産工場があり、茨城県つくばと神奈川県厚木にテクノロジー・センターがあります。 TIに関する情報はインターネットでも発信しています。
<読者向けお問い合わせ先>
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
プロダクト・インフォメーション・センター(PIC)
URL: http://www.tij.co.jp/pic/