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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2024'11.24.Sun
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2007'05.14.Mon

旭硝子と東京電波、レーザー耐光性を大幅改善した人工水晶材料を共同開発

レーザー耐光性に優れた人工水晶材料の開発に成功


 旭硝子株式会社(本社:東京、社長:門松正宏)と東京電波株式会社(本社:東京、社長:橋口一徳)は、半導体露光装置用レンズ材としてレーザー耐光性を大幅に改善した人工水晶材料の共同開発に成功しました。今回共同開発した人工水晶は、光透過による劣化率を従来の5分の1以下に抑えた画期的な材料であり、半導体製造における材料交換頻度の削減によるコスト低減や半導体露光装置自体の品質、信頼性向上に繋がると期待されます。

 半導体製造においてエキシマレーザーを使用する露光装置では、偏光解消板や波長板のような偏光光学素子、並びに回折レンズのような回折光学素子の材料として、(1)透過率が高い、(2)比較的安価、(3)加工がしやすいといった特長を持つ人工水晶が注目されています。しかしながら、一般的に水熱合成法で製造された人工水晶に、エキシマレーザーのような短波長で高出力の光を長期間にわたって照射すると、その光学特性、特に光透過率が劣化してしまう欠点があるため、レーザーに対する耐久性が高い水晶部材が求められていました。

 東京電波は、1977年から人工水晶の製造を開始して以来、高品質な人工水晶を供給するため研究開発を続け、1994年には人工水晶製造用高圧炉として、初めて「白金炉」の実用化に成功し、極めて結晶欠陥の少ない「高品位人工水晶」の量産技術を確立しました。
 一方、旭硝子は、最先端の半導体装置リソグラフィ用合成石英硝材において市場から高い評価を受けるとともに、SiC、CMPスラリーなども事業化し、半導体製造装置に関する様々なノウハウを蓄積しています。

 今回の開発では、東京電波が人工水晶の試作、製造を、旭硝子が研磨加工、評価を担当し、劣化の原因として人工水晶部材に含まれる数種類の不純物の含有量を一定値以下に低下させることにより、劣化率を従来の5分の1以下に抑えることに成功しました。
 今後は旭硝子が販売を担当し、リソグラフィ材料の新製品として、2007年度中の発売を目指します。


<ご参考>
・エキシマレーザー
 エキシマレーザー(Excimer Laser)とは、希ガスやハロゲンなどの混合ガスを用いてレーザー光を発生させる装置である。希ガスはアルゴン、クリプトン、キセノンが、ハロゲンはフッ素、塩素が一般に使用される。混合ガス中での放電によって生成する励起状態希ガス原子とハロゲン原子によって形成されるエキシマからの放射光によって発振する。
 代表的なエキシマレーザーの発振波長は以下のとおりである。

  レーザーの種類       発振波長
 ArF(フッ化アルゴン)  193nm
 KrF(フッ化クリプトン) 248nm
 XeCl(塩化キセノン)  308nm
 XeF(フッ化キセノン)  353nm
 (注)nm=ナノメートル(ナノは10億分の1)

・偏光解消板
 偏光を非偏光にするための素子で、偏光特性を避けたい測定機器の前後に用いる。

・波長板
 直交する偏光成分間に位相差(λ/4分あるいはλ/2分)を与える複屈折素子。

・回折レンズ
 光の回折現象を利用して光の集光や発散等を行うレンズ。

・水熱合成法
 原料の天然水晶の小片(ラスカ)を、オートクレーブと呼ばれる高温高圧容器の下部に入れ、上部に種水晶を吊るし、アルカリ水溶液を満たして密封し、高温・高圧(約350oC、90~145MPa(メガパスカル))に保つ。
 高温・高圧の環境下で、下部の原料のラスカは溶解し飽和状態となる。下部にくらべ上部の温度を低くすることで、内部に熱対流が発生し飽和溶液は、熱対流によって温度の低い上部に運び込まれる。上部は過飽和状態となり、種水晶表面に水晶が再結晶化し成長する。


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