廣済堂、「廣済堂グループ企業価値向上戦略」を決定
廣済堂グループ企業価値向上戦略について
当社は、平成19年5月18日開催の取締役会において、「廣済堂グループ企業価値向上戦略」を決定いたしましたので、お知らせいたします。
主な内容は下記の通りであります。
記
I.経営課題についての現状認識
当社は平成16年秋の創業者逝去に伴い、新しい経営執行体制になりましたが、新経営執行体制が発足後も、継続的な経営の観点から事業構造についてはマイナーチェンジに留め、基本的には従前の事業構造を継続してまいりました。しかしながら、基幹事業である印刷事業がデジタル革命の本格化のなかでそのビジネスモデルを変容させざるを得ないという社会的状況にあること、関連子会社において、特にゴルフ場経営及び出版事業の採算面の改善が急務であること、有利子負債削減のために所有資産のリストラを実行し、財務体質の健全化を進める必要があること等を勘案し、抜本的な事業構造の改革を行う必要があるとの結論に至りました。
II.戦略立案の基本理念
当社は平成21年に創業60周年を迎えます。この記念すべき時節を将来に夢をもてる健全な経営体質で迎えるために、すべての課題に聖域を設けず本格的なメスを入れます。
課題をオープンにして改革をスピーディーに進めるために、外部からの視点を経営に反映する機関を設けます。また、既に実施している印刷事業の業務改革プロジェクトにとどまらず、グループ全般に亘る事業部横断の改革プロジェクトチームを設置し、経営の透明性をより一層図ります。なお、この考え方に基づき、これまでのIRに対する取組み姿勢を改め、積極的な情報開示を行ってまいります。また、人材の育成と活用を生産性の向上につなげ、活力ある職場づくりに取組み、長期的かつ持続的に企業価値を高め、その成果を株主の皆様に還元してまいる所存です。
当社は創業以来印刷の前工程においてイノベーションを繰り返し、業界の最先端を走り続けて来ました。この分野そのものはコンピュータ技術の進展で縮小傾向にありますが、新たなメディアであるWebは極めて大きな成長性を秘めています。印刷にとどまらず広く総合情報産業として情報加工・情報発信というコンテンツ分野に経営資源を集中し、コア・コンピタンスを形づくり、時代が要求する事業体に再編することを可及的速やかに実行に移し、各ステークホルダーに報いることが出来るような企業価値及び株主共同の利益を中長期的に確保し、その向上を目指してまいります。
III.実施する具体的施策
1.経営体制の強化について
イ)企業価値向上委員会の設置
当社取締役会には、既に2名の独立した社外取締役がおり、外部の視点から有益な経営上の助言・アドバイスを頂いておりますが、さらに、取締役会に対して経営上の助言・アドバイスを行う実業界・法曹界などの外部有識者による機関として「企業価値向上委員会」を新たに設置いたします。
ロ)担当役員の選任
当該企業価値向上戦略の実行責任を担う担当役員を選任いたします。
ハ)事業部横断改革プロジェクトの発足
上記役員のもとに、各事業部の若手管理職による事業部横断改革プロジェクトを発足させ、具体的改革案の立案、取締役会への提言、実行の中核的任務を担わせ、企業価値向上戦略の具体的推進を促進いたします。
ニ)内部統制システムの整備
平成20年4月1日から導入される「内部統制システムの整備」に「適性」評価を得られるよう全社を挙げて取り組みます。
2.財務体質の改善について
イ)有利子負債の削減
現状(平成19年3月期)における有利子負債420億円を平成22年3月期までに250億円に削減することを目指します(資産リストラ含む)。
ロ)所有資産のリストラ
海外のゴルフ場の売却及び事業用資産の集約化による資産のリストラを実行いたします。
3.事業の再構築について
<廣済堂単体>
イ)印刷関連事業部門
この春、東京・大阪のITソリューション部門を統合して事業部にいたしました。
新しい情報加工・情報発信技術での牽引役として、新しい事業形態を構築する一方、既存の印刷部門との間においてクロスメディア・ソリューションを推進いたします。
印刷営業部門は企画部門の充実を図り、単純な印刷受注から脱皮し専門性のあるコンサルティングや他メディアとの複合ソリューションを推進する川上での受注力の向上を狙います。
生産部門はすべての工程において自動化技術の採用などで労働生産性を2倍に上げ、ミニマムコストを目指します。また、プリプレス部門については子会社も含め、全社的な再構築を推進し、業務のネットワーク化を促進いたします。
ロ)情報関連事業部門
求人情報事業では、市況の回復による堅調な求人需要を営業力の増強とクロスメディア媒体「ワーキン」の機能強化で勝ち取り、シェアアップを狙います。
人材サービス事業は首都圏シフトで成長のための柱づくりを進め、コンテンツ事業は紙媒体から電子媒体への移行を加速させ、新しいビジネスモデルを構築いたします。
ハ)管理部門
東京・大阪に二元化している現状を改め、一元化して適材適所による効率化を進め、3割減を目処に人員の削減を行います。
<連結子会社>
イ)ゴルフ場経営の合理化
海外のゴルフ場については、4月に売却したロンドンのゴルフ場に引き続き、売却を基本方針といたします。国内ゴルフ場については各ゴルフ場の立地条件に合致した運営形態に早急に改革いたします。
ロ)出版事業の合理化
出版子会社2社につきましては、印刷事業との事業シナジーを見直す一方、情報事業部との協業を促進し、コンテンツホルダーとしての立場認識に立ったコンテンツ配信事業への転換を推進いたします。
ハ)海外への事業進出
中国山東省威海に現地の印刷会社及び国内パッケージ会社と合弁会社を設立したパッケージ製造事業は、本年6月に操業開始の運びとなりました。中国の巨大なマーケットに向けての第一歩を踏み出します。
4.平成22年3月期の目標連結経営指標等
* 関連資料 参照
以上