富士通、モバイルWiMAX端末向けベースバンドチップを開発し8月から販売開始
モバイルWiMAX(TM)端末向けベースバンドチップを新発売
~18.6Mbpsデータ受信時に240mWの低消費電力を実現~
当社は、次世代無線通信として注目を集めるモバイルWiMAX(注1)の端末向けLSI「MB86K21」を開発し、全世界に向けて8月より販売開始します。本製品は、MIMO技術(注2)に対応することで高速通信と安定接続を可能にするとともに、当社の先端半導体プロセステクノロジーにより、毎秒18.6メガビット(以下、Mbps)の高速受信時に240ミリワット(以下、mW)という低消費電力を実現しています。
携帯電話および無線通信サービスの急激な市場拡大により、モバイル通信ではいっそうの高速および安定接続が求められています。モバイルWiMAXは次世代無線ブロードバンド技術として、現在の3G携帯電話より高速データ通信が可能であり、既存の無線LANなどに比べ通信品質に優れ、広域サービスが可能なため、今後新しい市場やサービスの開拓が見込まれます。
本製品は、すでに出荷を開始している固定WiMAX(注3)チップから得られたノウハウと、3G携帯電話用ベースバンド(注4)チップ開発から得られた低消費電力技術をもとに、株式会社富士通研究所(注5)と共同で開発したモバイルWiMAXの端末向けベースバンドチップです。
本製品は複数のアンテナを活用するMIMO技術に対応することで、モバイルWiMAXの特長である高速モバイル通信と安定接続を可能にします。また、当社の90ナノメートル(以下、nm)プロセステクノロジーにより、大容量データ受信時での低消費電力を実現します。
また、RFボードを含む評価キット、およびPCカード型のリファレンスプラットフォームを提供し、お客様の効率的なモバイルWiMAX端末の開発業務を支援します。
今後当社は、モバイルWiMAX端末製品を開発するお客様向けに本製品の販売を強化していくとともに、さらなる低消費電力化、小サイズ化を追求した製品を加えることで、モバイルWiMAX市場の拡大に対応していきます。
◆サンプル価格、および出荷時期
製品名:MB86K21
サンプル価格(税別):3,500円
出荷時期:2007年8月末日
◆販売目標
2008年度末までに60億円(当社の決算期は3月末日です。)
◆本製品の特長
1.高速で安定接続のデータ通信を可能にするMIMO技術対応
複数のアンテナを活用するMIMO技術はモバイルWiMAXの最大の特長であり、場所を選ばず快適な無線通信を可能にします(最大転送量45Mbps)。
2.90nmプロセスによる低消費電力
当社の先端90nmプロセステクノロジーにより、モバイル製品にとって重要な低消費電力を達成しており、18.6Mbpsのデータ受信時で240mWという低消費電力を実現しました。また、スリープモードでは、10mW以下を実現します。
3.WiMAXフォーラム Wave2に準拠予定
当社は、本製品におけるPCカード型のリファレンスプラットフォームを使って、今後予定されているWiMAXフォーラム(注6)のWave2(注7)認証を取得する予定です。
◆商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
◆添付資料
PDF「MB86K21」の主な仕様
(※ 関連資料を参照してください。)
以上
[注釈]
注1 モバイルWiMAX:
IEEE802.16e-2005に準拠したモバイル無線標準。
注2 MIMO技術:
Multiple Input Multiple Outputの略称で、複数のアンテナで高速データ送信および受信を行う技術。
注3 固定WiMAX:
IEEE802.16-2004に準拠した固定無線標準。
注4 ベースバンド:
無線ネットワークにおいて通信処理を行う部分。
注5 株式会社富士通研究所:
代表取締役社長 村野和雄、本社 神奈川県川崎市。
注6 WiMAXフォーラム:
IEEE802.16に準拠した製品の相互運用を図るための国際的な非営利団体。富士通は設立およびボードメンバー。
注7 Wave2:
MIMOを使用したモバイルWiMAX機器の認証試験。
[関連リンク]
●電子デバイス・半導体
http://jp.fujitsu.com/microelectronics/
(※ 参考資料、添付資料は関連資料を参照してください。)