日本ＩＢＭ、消費電力を最適化したデータセンター構築ソリューションを提供
消費電力を最適化したデータセンターを迅速に提供するソリューション
日本ＩＢＭ（社長：大歳卓麻、ＮＹＳＥ：ＩＢＭ）は、消費電力を最適化したデータ・センター（サーバー・ルーム）をあらかじめデザインし、短期間に構築するソリューション「モジュラー・データセンター提供サービス」を７月２日から提供する予定です。当ソリューションは、お客様のサーバー台数、スペースに応じて「２０ｍ２」「５０ｍ２」「１００ｍ２」の３タイプから選択可能で、価格は「２０ｍ２」で２９８０万円（「２０ｍ２」）からとなります。当ソリューションにより、消費電力を最大約３０％削減したデータセンターが従来の約３分の１の短期間で導入可能になります。
近年、企業の経営革新や新規事業参入などのイノベーションに、ＩＴはますます必要不可欠になってきており、データセンター内に高性能サーバーを多数設置することから、強力な空調設備を準備する必要があります。その際、電力消費量の増大と温室効果ガス排出量の増加が環境に与える影響に適切に対処することが、企業にとって重要な課題になりつつあります。また、データセンター新設時に、電源供給量や必要空調能力および将来の拡張性の見積もりが不適切なために、初期投資が過剰になるといった問題も生じてきています。
このような課題に対応するために、日本ＩＢＭはデータセンターに必要な電源、冷却機能、およびラックをあらかじめ使用可能な状態で統合し、冷却効果を最適化する配置をデザインして迅速に導入するソリューションを提供します。当ソリューションは、世界中のお客様向けに述べ床面積約２７０万平方メートルのデータセンターを建設してきたＩＢＭの経験をもとに、標準化されたサービス・プロダクト（※）です。
当ソリューションではデータセンターの設計部分に、ＩＢＭの持つ温熱環境の熱解析コンピューター・シミュレーションツールを活用してサーバー・ラックの配置を最適化します。空気の流れや熱だまりを制御することで空調使用量を抑えます。
設備インフラ部分には、電源、空調、管理、サービスの全てを完全に統合化してラックに最適化したＡＰＣ社のソリューション「ＩｎｆｒａＳｔｒｕＸｕｒｅ」を採用します。従来はＵＰＳ（無停電電源装置）とＰＤＵ（分電盤）を部屋単位で設置し管理する必要があり１００ｋＶＡ、２００ｋＶＡといった大容量を準備する必要がありましたが、「ＩｎｆｒａＳｔｒｕＸｕｒｅ」はラック単位でＵＰＳとＰＤＵを最適化するため、１０ｋＶＡ単位でのきめ細かな管理が可能となり初期投資を抑制します。
最適な配置を設計する技術とラックに最適化された設備を組み合わせて提供することにより最大で約３０％の電力削減が可能となります。また、ラック単位で標準化された製品群を使用するため、納入・構築が容易となり、最低でも従来の約３分の１という短期間での導入が可能となります。さらに、必要処理能力の増加に対しては、ラック単位で増設できるため、迅速にデータセンターを拡張することが可能です。
以上
ＩＢＭは、ＩＢＭ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ．の商標です。
その他の製品名および会社名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
※サービス・プロダクト：ＩＢＭは昨年末から、全世界のＩＢＭで培った経験・アセットをベースに標準化した、グローバルで再利用可能なサービスを提供する「サービス・プロダクト」戦略を推進しています。グローバル標準のサービスを、分かりやすく一貫性のあるポートフォリオとして整備することで、お客様に高品質なサービスを迅速に提供することが可能となります。日本ＩＢＭでは本日発表の「モジュラー・データセンター提供サービス」に続き、今後も「サービス・プロダクト」を発表していきます。