テーオーシー、ダヴィンチ・アドバイザーズによる公開買付けに反対決議
株式会社ダヴィンチ・アドバイザーズによる公開買付けの反対に関するお知らせ
当社は、平成19年5月25日開催の取締役会において株式会社ダヴィンチ・アドバイザーズ(以下「ダヴィンチ社」といいます。)による当社株券に係る公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)について、反対することを決議いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
記
1.公開買付者の概要
※添付資料を参照
2.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由
(1)本公開買付けに関する意見の内容
当社は、本公開買付けについて、後記のとおり有価証券取引市場における混乱を防ぐ必要があることから早期に当社の意見を表明すべきものと考え、平成19年5月25日開催の取締役会において、従前の経緯も踏まえ慎重審議の結果、本公開買付けに反対することを決議いたしました。従いまして、当社株主の皆様におかれましては、本公開買付けに応募なさらないようお願い申し上げます。
(2)本公開買付けに関する意見の根拠
平成19年4月25日、当社はダヴィンチ社から「株式会社テーオーシーの発行する株券等に対する株式価値を守るための公開買付けのご提案」と題する書面(以下「本件4月25日付書面」といいます。)を受領しました。当社は、本件4月25日付書面を検討するに当り、ダヴィンチ社等の公開情報等を調査したところ、ダヴィンチ社については、その100パーセント子会社で、投資信託及び投資法人に関する法律に定める投資信託委託業者である株式会社ダヴィンチ・セレクト(以下「ダヴィンチ・セレクト社」といいます。)が、金融庁による平成19年3月13日付の3ヶ月間の業務停止命令等の行政処分(以下「本件行政処分」といいます。)を受け、業務停止期間中であることから、まずはダヴィンチ社のみならず同社グループの法令遵守体制等の検討をなすことが不可欠であると判断いたしました。すなわち、金融庁の公表資料によりますと、ダヴィンチ・セレクト社は「DAオフィス投資法人との間で締結した資産の運用に係る委託契約に基づき行っている当該投資法人の資産の運用において、当該資産に組み入れる不動産の取得時に行うべき資産の評価手続き等の際に、鑑定を依頼した不動産鑑定業者に対し適切な資料を提示しなかっただけでなく、適切な資料を提示しなかったことによって算定された鑑定評価の内容を確認しなかったことなどから、誤った鑑定評価内容が看過され、結果として過大に算定された鑑定評価額を基に投資法人の資産の取得を行うなどしていた」とのことであり、本件行政処分はかかる法令違反(投資信託及び投資法人に関する法律第34条の2第2項違反)の行為に基づくもので、とりわけ対象不動産の鑑定評価額についての上記善管注意義務違反の行為は、投資法人の資産運用の成績、ひいては、その発行する投資口についての市場の評価に直接悪影響を与え得るものです。また、本件行政処分となった不動産取引については、取引の相手方(売主)がダヴィンチ社の運営する私募ファンドであったとする新聞報道もなされているところであり、仮に、かかる報道が真実であった場合には、いわゆる上場リートであるDA オフィス投資法人、ひいては同投資法人に投資している一般投資家の利益を害する利益相反的取引が行われていたとの疑いすら払拭できないものです。そのため、当社は、ダヴィンチ社及び同社グループ会社における法令遵守体制等に重大な問題が隠れていた場合には、ダヴィンチ社が当社の親会社となることにより、不動産事業を営む当社に極めて大きな影響を及ぼすおそれがあることから、ダヴィンチ社及び同社グループの法令遵守体制等につき慎重に検討する必要があると判断致しました。
上記事情に鑑み、当社は、ダヴィンチ社の提案を検討する前提として、平成19年5月3日付でダヴィンチ社及びダヴィンチ・セレクト社を含むダヴィンチ社及び同社グループの法令遵守体制等について問い合わせを行い、ダヴィンチ社から、平成19年5月8日付でこれに対する回答を受領しました。しかし、このダヴィンチ社の回答は、それまでのダヴィンチ社等の公表資料に記載された内容にとどまるもので、しかも、ダヴィンチ社とダヴィンチ・セレクト社以外のグループ会社については何ら回答がなされていない不十分なものでした。そこで、当社は、ダヴィンチ社にご同意いただき、平成19年5月10日付で、ダヴィンチ社の提案を検討する前提としてダヴィンチ社及び同社グループの法令遵守体制等について改めて質問を送付致しましたところ、ダヴィンチ社から、平成19年5月15日、秘密保持誓約書案が送付されてまいりましたので、可及的速やかにダヴィンチ社及び同社グループの法令遵守体制等について検討すべく、この秘密保持誓約書案について検討を行うとともに、平成19年5月17日付で営業秘密にかかわらない事項について質問にご回答をいただけるようダヴィンチ社にお願いしておりました。しかし、ダヴィンチ社は、これまでの経緯を無視し、当社にダヴィンチ社及び同社グループの法令遵守体制等はおろか、その具体的提案内容についても検討する十分な機会を与えることなく、突然、一方的に平成19年5月18日に同月21日から当社株式にかかる公開買付けを実施する旨を告げられ、平成19年5月21日に公開買付けが開始されるに至っております。
なお、ダヴィンチ社による本公開買付けにかかる公開買付届出書には、同社の本件4月25日付書面につき当社経営陣の賛同を得られなかったことから、本公開買付けにおいては買付株式数の上限を設定するとの趣旨の記載があり、当社経営陣の賛同を条件として買付株式数の上限の撤廃をなすことがあることを示唆するかのような記載となっております。この点が不安定なままであると有価証券取引市場に無用の混乱をもたらす恐れがあると思料されます。
そこで、当社としては速やかに本公開買付けについて意見表明を行う必要があると考え、平成19年5月25日開催の当社取締役会において本公開買付けに対する決議を行うことと致しました。
(3)本公開買付けに関する意見の理由
ダヴィンチ社が提案している本公開買付けにおける当社事業計画案は、西五反田TOCビルを同等の価値を持つ収益不動産と入れ替えること等を内容とするものであって、これは当社において長年にわたり築き上げられた企業価値の源泉たる資産の実質的な切り売りを意味するものと考えております。言うまでもなく、西五反田TOCビルは、昭和45年2月の竣工以来35年以上もの間、東京都品川区の西五反田地区の発展に多大な貢献をしてきたもので、同地区におけるランドマーク的存在として、名実ともに当社の事業の核となっております。また、今後予定される同地区の開発計画においても、同ビルが中核となる可能性が高いことからいたしますと、西五反田TOCビルは、今後とも当社の企業価値の維持・向上に不可欠な施設であり、ダヴィンチ社の提案はかかる当社の企業価値の本質を無視したものといわざるを得ません。
また、ダヴィンチ社は、西五反田TOCビルと同等の価値を持つ収益不動産の調達が困難な場合には、ダヴィンチ社が助言を行っている不動産ファンドが保有する多数の物件の中から入れ替えの対象となる物件の調達が検討可能であるとしております。しかし、当社は、上記のとおり、ダヴィンチ社が運用を行っている私募ファンドと、ダヴィンチ社の完全子会社であるダヴィンチ・セレクト社が資産運用を受託している上場リートであるDAオフィス投資法人の間の取引において同投資法人を害する態様の利益相反的な取引がなされた可能性があることに鑑みて、当社とダヴィンチ社が助言を行っている不動産ファンドとの取引においても当社、ひいては当社におけるダヴィンチ社以外の株主の皆様の利益を損なう取引が行われるのではないかという懸念を抱いております。この点からも、当社のダヴィンチ社及び同社グループの法令遵守体制等についての懸念の解消が不可欠であるにもかかわらず、ダヴィンチ社は、公開買付けの実施について自らが設定した当社経営陣の賛同という条件を翻し、また、自ら同意した当社による法令遵守体制等に関する検討を待たずに、突如、公開買付けを実施することで、当社による検討に大きな困難を強いております。
当社と致しましては、このような対応に終始するダヴィンチ社が、今後、当社の合理的な範囲内の情報提供の求めに対して誠実な対応を行うかにつき懸念を持っております。
以上の次第から、ダヴィンチ社による公開買付けの提案は、現状におきましては賛同できるものではありません。然るに、ダヴィンチ社が、当社経営陣の賛同があれば買付株式数の上限の設定を撤廃することがあることを示唆しているもののようであることから、当社としてはこれにより生じ得る株式市場の混乱を放置することは適切ではないと考え、速やかに反対の意見を表明するに至りました。
なお、当社におきましては、今後も、ダヴィンチ社の提案に関しましては、法令順守体制等の点のみならず、質問書等のやりとりを継続するなどして真摯に検討を続けてまいる所存です。
3.公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容
該当事項はありません。
4.会社の支配に関する基本方針にかかる対応方針
該当事項はありません。
5.公開買付者に対する質問
該当事項はありません。
6.公開買付け期間の延長請求
該当事項はありません。
以 上
※添付資料を参照