大和証券、日本IBMと協力し証券会社向け業務システム「SONAR」を刷新
大和総研、証券会社向け業務システムを新システムへ移行
株式会社大和総研(本社:東京都江東区、社長:武本嘉之、以下「大和総研」)は、利用者の利便性向上と、システムの柔軟性・拡張性の向上を目的に、日本アイ・ビー・エム株式会社(本社:東京都港区、社長:大歳卓麻、NYSE:IBM、以下「日本IBM」)と協力し、証券会社向け業務システム「SONAR」(※1)を刷新します。新システムの全面稼動は、2008年10月を予定しています。証券会社向け業務システム「SONAR」刷新の概要は、以下の通りです。
1.背景と目的
証券会社のビジネスは、従来の証券業務の範囲から拡大する傾向を強めており、銀行をはじめとする他業種からの証券ビジネスへの参入も顕著になっています。また、株券等の電子化や東京証券取引所の次世代システムへの移行など、証券ビジネスを取り巻く環境の大きな変化も予定されています。
大和総研では、このようなビジネスの潮流の変化にシステム面からサポートするため、利用者の利便性向上と、システムの柔軟性・拡張性の向上を目的に「SONAR」を刷新することにしました。
2.新システムの特徴
(1)既存の豊富な機能はそのままに、変動する証券ビジネスに対応可能なシステムの拡張性を実現
新たに構築するプラットフォーム(インフラ基盤)では、既存の基幹系システムと、新商品や新サービス向けの新規システムとの連携を可能にする「SOA(サービス指向アーキテクチャー)」(※2)を採用します。
また、新システムでは、企業におけるお客様との接点である営業店やインターネットなどのチャネル戦略を支援するIBMのソリューション「マルチチャネル・トランスフォーメーション/チャネル統合サーバー基盤(以下、MCT/CIS)」(※3)も採用
し、インフラ基盤の刷新を行います。
これらの取り組みにより、現在の「SONAR」の豊富な機能を活かすとともに、他システムとの接続性を高め、投資信託の窓口販売を行っている銀行などの勘定系システムのほか、他業種システムやパッケージシステムとも容易に連携することができるようになります。また、新しいサービスや機能を新システムに追加する際にも、既存の基幹系システムへの影響を最小限に抑え、容易に提供することが可能になります。
(2)システムの信頼性や処理能力を高めると同時に、短期間での新システムの構築を可能に
新システムでは、極めて堅牢かつ高速処理に最適化されている既存の基幹系システムと同一のプラットフォーム上にMCT/CISを実装するため、システム全体の信頼性や処理能力を高めることが可能になります。
また、SOAの採用により、既存のアプリケーション資産を有効活用できるため、短期間でのシステム構築が可能になります。
(3)ユーザーインターフェースを一新し、利用者の利便性、操作性を大幅に向上
新システムでは、画面、オンライン印刷帳票等を一新し、証券会社の業務フローに即した画面遷移や、自動入力およびデータ引継ぎによるデータ入力項目数の削減、利用者毎にカスタマイズ可能なメニュー機能(マイメニュー)等を実現し、利便性、操作性が大幅に向上します。また、従来必要であった専用端末ソフト、専用プリンタを廃止し、汎用的なパソコンやプリンタでのサービス利用が可能です。
3.将来計画
今後、大和総研では、お客様の利便性向上を目的に、金融機関向け投信窓販システム「SONAR-MF」(※4)を新システムのプラットフォーム(インフラ基盤)に接続して提供する予定のほか、既にMCT/CISを導入している金融機関には、日本IBMと協力し、新システムが持つ機能を個別に提供することも検討してまいります。
(※1)大和総研が証券会社向けに開発した基幹業務システム
(※2)アプリケーションを「サービス」という単位で柔軟に構成・連携させる新たな考え方。「残高照会」「決済」といった業務処理ごとの単位で、それぞれを必要に応じて連携させてシステムを構築する設計手法
(※3)営業チャネルの統合を可能とするとともに、SOAの考え方に基づいて新たなチャネル業務アプリケーションを柔軟かつ容易に構築できる基盤ソリューション
(※4)大和総研が投信販売会社向けに開発した投信窓販用の業務システム
※新システム概要図は、添付ファイルをご覧ください。
以 上