日立とGE、新規原子炉建設プロジェクトやプラント・サービス拡大で新会社を設立
GEと日立、原子力事業における提携関係を構築
- 新規原子炉建設プロジェクトならびにプラント・サービス拡大に向け競争力を強化 -
2007年6月4日(米国ジョージア州アトランタ)- GE(会長兼CEO:ジェフリー R. イメルト)と株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫 以下、日立)は、昨年11月の原子力事業における世界的な戦略的提携に関する合意に基づき、世界の新規原子炉プロジェクトの受注に向け、世界で最も包括的な原子力発電所、および関連サービスを提供する新会社の設立を進めてまいりました。この度、グローバル事業を担う新会社の設立を完了いたしましたので、お知らせいたします。
グローバル事業を担う新会社は「GE-日立ニュークリア・エナジー」で、本日から事業を開始し、日本を除く世界各国で事業を展開していきます。同社は、GEが60%、日立が40%の株式を保有します。
また、日本においては、「日立GEニュークリア・エナジー」が、2007年7月1日に設立を予定しています。同社は、日立が80.01%、GEが19.99%の株式を保有します。GEと日立はアドバイザリ・コミッティを設置します。
気候変動およびエネルギー保全の観点から、原子力への期待が高まり、世界的な原子力エネルギーの復活を後押ししています。GEと日立は、原子力事業における提携により、世界有数のサプライヤーとして、最新の沸騰水型原子炉(BWR)のプラント建設ならびに保守・サービスを提供していきます。GEと日立は、新会社を通して、いくつかの国々において支持を得ているもう一つの軽水炉設計である加圧水型原子炉(PWR)用の主要設備やサービスの提供も視野に入れ、広範なビジネス展開を行っていく予定です。
GEエナジー プレジデント兼最高経営責任者(CEO)のジョン・クレニキーは次のように述べています。「今回の提携強化により、GEと日立がそれぞれ持つ地域別の強みを補完し、最適化することができます。業界における大規模かつ経験豊富な最新の原子炉建設プロジェクト開発におけるサプライチェーンを通して、お客さまにより広範な技術およびサービスのポートフォリオを提供していきます」
1機当たりの原子炉建設プロジェクトの費用が数十億ドルかかる業界において、GEと日立の原子力事業における提携により、工期内に当初の予算内でプロジェクトを完遂させ、お客さまならびに投資家からの信頼を得ることに貢献します。
株式会社日立製作所 執行役常務 電力グループ長の丸 彰は次のように述べています。「競争の激しい世界的な原子力市場において、GEと日立による既存の原子力事業の強化、成長に向けた提携により、経験とノウハウ、製造能力などを結集でき、非常に喜ばしいことです」
GEと日立は、原子炉建設プロジェクトの開発において、約40年にわたり協力関係を構築してきました。1980年代以来、世界で初めて商用化かつ実証された第3世代の原子炉設計である改良型沸騰水型原子炉(ABWR)のアジア地域における展開においても協業関係を構築しています。
GEと日立は、1990年代半ばに稼動を開始した世界初のABWR建設においても提携し、日立が主要サプライヤーとして、主要機器の提供等を行いかつABWR設計を活用した日本における原子力発電所の増設を実施しています。現在、日本において4基のABWRが稼動し、アジアで数基が建設中で、GEと日立による共同の原子炉建設プロジェクトにおける技術やサービスの提供能力を向上させています。
GEと日立は新たな提携関係により、業界に特化したソリューション、原子力発電所の新規建設機会に向けた体制の強化、共同事業の拡大を目的とした投資に必要な資産など、幅広いポートフォリオの構築に向け、一貫した戦略的ビジョンを共有します。
GE―日立ニュークリア・エナジーのプレシデント兼最高経営責任者(CEO)のアンディー・ホワイトは次のように述べています。「GEと日立は、長年にわたり、ABWRプロジェクト開発において連携してきました。双方の原子力事業において重複する領域が極めて少ないので、私たちの共同事業は、世界のお客様に対してより多くの付加価値を提供するために、重要となる事業のシナジーを迅速に発揮することが可能となるでしょう。」
GEと日立は、世界有数の原子力燃料を供給するグローバル・ニュークリア・フューエル(GNF)にそれぞれ出資しています。GNFは、両社の提携強化後も、独立した事業体として事業を継続します。
米国ノースカロライナ州ウィルミントンに本拠を置くGEエナジーは、2006年9月に事業開始50周年を迎えました。
以上