住友商事と富士重工、中国で環境保護車輌などの製造・販売で現地企業と合弁会社を設立
住友商事、富士重工業がCIMCと環境保護車輌(塵芥収集車)
及び環境保護設備・機器の製造、販売に関する合弁会社を設立
住友商事株式会社(社長:岡 素之/以下 住友商事)と富士重工業株式会社(社長:森 郁夫/以下 富士重工業)は、中国でコンテナ、車輌事業を中核とする中国国際海運集装箱(集団)股■有限公司(総裁:麦 伯良/以下 CIMC)及び上海住友商事有限公司(董事長:佐々木新一)と4社合弁で新会社「青島中集環境保護設備有限公司(以下 QCEC)を設立し、環境保護車輌(塵芥収集車)及び環境保護設備・機器、部品の製造・販売・サービスに関わる業務を目的とする事業を運営する。
*■はにんべんに「分」という文字。
CIMCは、中国にコンテナ、特殊車輌製品群を生産する数多くの製造拠点を有し、欧米・日本の優れた製造技術を導入しながら、世界の顧客に販売している。CIMCのコンテナの生産量は、98年以降、連続して世界No.1であり、特殊車輌については2004年より中国国内でNo.1の生産量を誇る。また、富士重工業は、多様な塵芥収集車ラインナップをそろえ、40年以上の歴史と日本国内でのシェアNo.1の実績があるが、中国における環境関連事業については、これまで技術供与などの実績を除くと、本格的な展開は本件が初めてとなる。新会社QCECは、CIMCグループのアジア地域における特装車輌の事業戦略において、環境関連の車輌、設備を取扱う重点事業を担う。
CIMCは特殊車輌事業を中集車輌(集団)有限公司(総経理:麦 伯良/以下CIMC Vehicle)をホールディングカンパニーとした事業展開を行っており、今回の出資についてもCIMC Vehicleからの出資とする。CIMC Vehicleは各種特殊車輌の製造拠点以外に、現在、中国国内に8ヶ所の特殊車輌の販売、アフターメンテナンスを主体としたメガディーラーを有し、これを2007年末までに12ヶ所に拡充、2009年末までに各省(1級行政区)に最低1ヶ所、合計40~50ヶ所に増やす予定。
中国では現在でも環境保護対策が重視されているが、2008年に北京オリンピック、2010年に上海万博を控えており、今後ますます環境重視の姿勢が強まるものと見られている。中国政府は第11次5ヵ年計画の中でゴミ処理、都市部の環境保全、汚染防止を重点政策項目として謳っている。2006年~2010年の都市環境衛生改善計画では、この5年間に環境保全全体で1兆3750億元、その内、環境保全に関わる固定資産投資分野で1,115億元の支出を見込んでいる。また、2010年までには都市部の生活ゴミの無害化処理率を60%に高める目標が掲げられている。
中国における塵芥収集車の保有台数は2005年で低品質車も含め約26000台で、年間需要は2000台であったが、この台数には簡易なものが多く含まれ、臭気が漏れるなどの問題もある。今後、都市部の環境保全対策の強化から6年後の2011年には少なくとも年間需要が1万台を超えるとともに、密閉性の優れた高品質車輌のニーズが高まるものと予想されている。日本では東京オリンピックを境に塵芥収集車需要が伸びていった歴史があり、中国でも同様の成長が見込まれる。
住友商事とCIMCとの関係は1990年に始まり、同社への各種鋼材供給、同社の製品販売、同社工場への出資という関係を柱に包括的に提携している。特に製品の販売では圧倒的な販売力で日本及び世界の客先に販売してきている。
一方、住友商事と富士重工業は、自動車用鋼材のコイルセンターの共同経営をはじめとし、メキシコ、ブラジルへの完成車の輸出、各種部品、部材の供給、購入関係や、最近では富士重工業と共同でビルの自動清掃ロボットを開発、住友商事のオフィスビルで実用化し、昨年両社共同で経済産業省主催の「ことしのロボット」大賞2006を受賞したりするなど、広範な協力関係を築いている。
住友商事、富士重工業はそれぞれ経営幹部をQCECへ派遣する。QCECは、CIMCの中国内の販売拠点に加え、住友商事のリスク管理を始めとする、高度の管理・販売手法と、塵芥収集車では日本国内シェアNo.1を誇る富士重工業の高い技術力を活かした最先端モデルを組み合わせ、今後成長の見込まれる中国市場での車輌事業の展開をはかる。