富士通ネットワークソリューションズ、高出力無線LANで離島ブロードバンド実証実験を実施
高出力無線LANを用いた離島ブロードバンドの実証実験を実施
~九州地区初の地上デジタル無線共聴システムとBWAによるデジタルデバイドの解消~
富士通ネットワークソリューションズ株式会社(以下 FNETS、本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:長富 紘)は、離島・山間部などの条件不利地域におけるブロードバンドゼロ地域の解消を目指し、ブロードバンドワイヤレスアクセスシステム(以下 BWA)の一つである、5GHz帯高出力無線LANシステムを用いて、大分県佐伯市様のご協力のもと、大分県佐伯市蒲江地区と屋形島間における通信に加え、アプリケーションまで含めたブロードバンド実証実験(以下 本実験)を、2007年7月より実施いたします。
【背景】
人口密度の低い離島・山間部では、民間通信事業者によるブロードバンドサービスの提供が難しい状況にあり、都市部と離島・山間部などの条件不利地域との間にデジタルデバイドが広がりつつあります。特に、離島では、通信ケーブルの敷設などによる漁業への影響やコストの面からブロードバンドサービスの提供が容易ではありません。
その中で当社は、今後の情報通信システムでのワイヤレスシステムの重要性を認識し、本年2月に専門組織を設置し、積極的に取り組んでおります。今回の実証実験は、その第一弾として、ワイヤレスブロードバンドの適用性・実用性を検証するために実施するものです。
なお、本実験のための無線局設置登録にあたっては、2007年6月7日に総務省九州総合通信局より申請が受理されております。
【実証実験の概要】
本実験は、2007年7月から2008年3月にかけて、大分県佐伯市蒲江地区の蒲江浦本土と屋形島間(通信距離約3km)において、5GHz帯電波の海上伝搬特性を長期的に検証するほか、本土-屋形島間の通信回線二重化の有効性についても検証を行います。
また、BWAの双方向性を生かし、離島・山間部に必要な安心・安全を重視したサービスの提供も見据えて、防災・災害放送やIP電話を提供する「IP告知放送・電話システム」や海上の状況を監視する「IP-ライブカメラ」、行政情報のVOD配信サービスといったアプリケーションの検証も実施いたします。
大分県佐伯市蒲江地区においては、放送のデジタルデバイド解消を目指して、既に地上デジタル放送のデジタル無線共聴システムの伝搬実験も実施しており、今回のBWAの実証実験を行うことにより、九州地区で初めて放送・通信の同時デジタルデバイド解消を目的とした実証実験となります。
(1)実験期間:2007年7月~2008年3月
(2)実施場所:大分県佐伯市蒲江地区(蒲江浦本土)および屋形島
(3)実験内容:1)サービスエリア(電波伝搬の範囲)の検証
2)海上での電波伝搬特性の検証
3)各種アプリケーションの動作検証と有効性
4)ケーブルテレビ伝送路と無線システムとの接続検証(通信)
(4)実験環境:(※ 関連資料を参照してください。)
(5)実験体制:
1)富士通ネットワークソリューションズ株式会社( http://jp.fujitsu.com/fnets/ )
本実証実験の代表会社。実証実験全体の取りまとめを行う。
2)大分県佐伯市
実験場所及び実験施設の提供を行う。
3)株式会社ケーブルテレビ佐伯( http://www.saiki.tv/ )
インターネット関連設備の提供と技術協力を行う。
4)Alvarion Japan(アルバリオンジャパン)株式会社( http://www.alvarion.jp/ )
今回の実験では、離島・山間部などの条件不利地域におけるブロードバンドサービスゼロ地域の解消に最適な無線ブロードバンドシステム(高出力無線LAN)「BreezeACCESS VL」の技術協力を行う。
5)株式会社EVC( http://www.evc.jp/ )
今回の実験では、ケーブルテレビ局様向けコンテンツアーカイブ&VOD配信統合管理パッケージ「Bizlat for CATV」を利用した、コミュニティチャンネル番組のVOD配信サービスの提供を行う。
【その他】
今回の実証実験で実施するBWAの技術については、2007年6月14日から16日まで開催される展示会「ケーブルテレビショー2007」(東京ビッグサイト)の当社ブースにて紹介いたします。
また、同展示会実行委員会が開催するセミナー(分科会)にて、当社技術者が今回の実証実験に関連した、「デジタル無線共聴システムの現状と動向」についての講演も行う予定です。
◆お客様お問い合わせ先
富士通ネットワークソリューションズ株式会社
経営企画室ワイヤレスビジネス推進室
電話:044-210-6572(直通)
以上
(※ 実験環境は関連資料を参照してください。)