凸版印刷、決済ごとに認証データを変えるDDA方式のICクレジットカードを開発
「動的認証」方式のICクレジットカードを開発
認証データを決済するごとに変え、セキュリティ性を向上
凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:足立直樹、以下 凸版印刷)は、決済をするたびに認証データを変える認証方式「動的認証(DDA)」を採用したICクレジットカードを開発しました。
今回凸版印刷が開発した本カードは、独自に開発したOSでメモリ容量を節約することで、ICモジュールのコストダウンを実現、これまで市場に出回っている製品より、約15%コストを低減し、各クレジットカード会社がより一層導入がしやすくなりました。
凸版印刷が製造・発行するICカードの商品ラインナップの一つ「SMARTICS-C2DN(スマーティクス シーツーディエヌ)」として、6月より販売を開始します。
<背 景>
クレジット業界は、スキミングによる不正利用を防ぐため、2001年にいち早くクレジットカードのICカード化を推進、着実に普及し、いまや約5割にのぼるクレジットカードがICカード対応となっています。
ICカードのセキュリティ性は、磁気カードに比べて、物理的に堅牢であり、ソフト的には暗号技術により盗聴・改ざんが困難です。
欧州では既にドイツ・フランスで採用が進んでいる「動的認証(DDA)」ですが、日本ではこれまで、ICクレジットカードに対応したインフラの構築・整備を優先する理由から時期尚早と判断され、ほとんど普及していませんでした。しかし、ここ最近ではインフラの整備も一通り完了し、クレジット業界では、より一層高度なセキュリティ対策を求めて、「動的認証(DDA)」対応のICクレジットカードの普及が期待されています。
<「SMARTICS-C2DN」の概要>
「静的認証(SDA)」が、カードから端末に送る認証データが固定であるのに対して、「動的認証(DDA)」では、端末から送られてきた乱数を演算処理して認証データを作成するため、決済するごとに認証データが異なります。
そのため、例え通信記録を盗聴されたとしても、固定認証データに比べて認証データの特定が難しいため、偽造カードを作ることが極めて困難になります。
今回凸版印刷ではより高度なセキュリティ技術を求める市場のニーズに応え、独自に開発したICカード用OSで「動的認証(DDA)」に対応したICクレジットカードを開発しました。
Copyright 2007 TOPPAN PRINTING co.,ltd.
(1)端末が乱数(R)を生成します
(2)端末が乱数をICカードに送り、認証依頼します
(3)端末は乱数を一時的に記録しておきます
(4)ICカードがICカードの秘密鍵を使用して署名演算(乱数の演算処理)を行います
(5)ICカードが署名演算結果(毎回異なる認証データ)を端末に送ります
(6)端末が署名演算結果をICカードの公開鍵で逆演算を行います
(7)端末が乱数と演算結果の一致を確認します
(8)認証完了
【 特 長 】
・「動的認証(DDA)」対応し、セキュリティ性が向上
※端末の方式にあわせて静的認証方式にも対応
・凸版印刷オリジナルOSを開発し、従来の「動的認証(DDA)」に比べ、約15%価格を低減
・VISA認定を取得
※「動的認証(DDA)」対応のICクレジットカードでは初めて
・クレジット・キャッシュ機能一体型のICカードとしての利用も可能
・オプションで交通乗車券や電子マネー機能も搭載可能
<販売価格>
1枚あたり280円 ※10万枚発行の場合
<目標発行枚数>
2007年度 100万枚
<売上目標>
2007年度 2億8千万円
<今後展開>
凸版印刷では今後、ICクレジットカードの認証方式を「動的認証(DDA)」に移行し、クレジットカード業界に向けて、積極的に販売を展開していきます。
以 上