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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2025'03.11.Tue
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2007'02.20.Tue

JFEスチール、常温での高密度の成形体を実現する偏析防止処理粉を開発

加熱設備なしで高密度成形体が得られる
偏析防止処理粉『JIPクリーンミックスHDX』の開発
~ 金型寿命の延長も実現 ~


 当社は、このたび、偏析防止処理粉(注1)の新たなラインナップとして、常温での高密度の成形体を実現する『JIPクリーンミックスHDX』を開発いたしました。

 焼結部品は、自動車を中心とした機械部品に使われており、特に形状自由度を生かし、ギアなどの複雑な形状の部品に多く適用されています。近年、自動車用焼結部品は、燃費向上のため、高密度化し、強度を高めて軽量化することが求められています。高密度成形法として、これまでは、(1)粉末及び金型を100℃以上に加熱しつつ成形する温間成形法(注2)、(2)成形と焼結を2回繰り返す2回成形・2回焼結法、高速で落下する上パンチの衝撃力で成形する高速成形法、(3)高い圧力で成形を行なう高圧成形法(注3)などが開発されていますが、いずれも高い設備費や煩雑な工程などから、自動車用焼結部品への適用は限定されていました。

 そこで当社は、潤滑剤の種類、及びその添加量を最適化することにより、常温での高密度成形が可能となる偏析防止処理粉 『JIPクリーンミックスHDX』を開発いたしました。一般に、鉄粉を連続成形すると、粉末と金型の摩擦により、金型表面の温度は凡そ60℃まで上昇するため、『JIPクリーンミックスHDX』は、金型が60℃の状態で温間成形並の高密度成形ができるよう設計いたしました。これにより、温間成形用の設備が不要となり、高密度焼結部品の製造コストの低減が可能です。
 また、純鉄粉を始め、部分合金化鋼粉、完全合金鋼粉などの各種鉄粉を原料とした偏析防止処理粉に適用することで、あらゆる種類の鉄粉の高密度成形が可能です。さらに、従来よりも低い荷重で高密度成形できるため、金型寿命の延長やより大きな部品の成形が可能となります。


 『JIPクリーンミックスHDX』の特長は、以下の通りです。


(1)常温成形で温間成形品と同等の高密度を実現:
 成形密度を確認するため、(1)常温成形した『JIPクリーンミックスHDX』、(2)130℃で温間成形した、温間成形用偏析防止処理粉『JIPクリーンミックスHW』(注4)、(3)常温成形した標準混合粉(注5)をそれぞれ成形し、密度を比較しました。この結果、常温成形した『JIPクリーンミックスHDX』は、温間成形品と同等の高い密度が得られることが確認できました(図1)。
 また、標準混合粉に比べ、0.05~0.15Mg/m3高い成形密度が得られています。


(2)金型に与える応力の低減により、金型寿命が延長:
 『JIPクリーンミックスHDX』を用いた場合の抜出力(成形後に成形品を型抜きする際に要する荷重)は、温間成形品に比べ約40%低減することが可能となり、成形品抜き出し時に金型に与える応力が低減され(図2)、金型寿命の延長が期待されます。


(3)低圧力で同一密度に成形可能:
 『JIPクリーンミックスHDX』は、常温で成形した標準混合粉(注5)と比べ、同一の密度を 50~100MPa程度低い圧力で成形することが可能です(注6)。このため、同じ成形機でもより大型の部品の成形が可能になり、成形機の大型化による設備投資を低減できます(注7)。
 当社は、今後も、『JIPクリーンミックスHDX』を始め、高機能の偏析防止処理粉の提供を通じて、お客様の製造コストの低減に貢献してまいります。

(注1)偏析防止処理粉:
 純鉄粉あるいは合金鋼粉に添加剤を混合したプレミックス粉。このままで成形可能。黒鉛粉や銅粉を鉄粉の周りに接着させ、ハンドリング時の添加剤の飛散を防止し、作業環境をクリーンにすると共に、添加剤の少ない焼結部品が得られる。

(注2)温間成形:
 偏析防止粉および金型を、100~130℃に加熱しつつ加圧する成形法。加熱により鉄粉の降伏応力が低下するため、高密度化が実現する。温間成形では、粉末の予備加熱装置および金型の加熱装置の導入と、成形時に厳密な温度管理が必要であり、大量生産には課題が多い。

(注3)高圧成形法:
 一般に焼結部品は、成形圧力686MPa以下の領域で成形されるが、高圧成形法では、980MPa以上の高い圧力で成形し、高密度化する。

(注4)『JIPクリーンミックスHW』:
 Fe-2%Cu-0.8%Cに、JFEスチール開発の温間成形用潤滑剤を0.6%添加して偏析防止処理を行なった製品。

(注5)標準混合粉:
 JIS Z2550で規定されている構造部品用鉄系材料で等級P2053~2055として規定される標準組成Fe-2%Cu-0.8%Cの鉄系焼結体を製造するために、同配合の鉄粉、銅粉、黒鉛粉と、汎用粉末冶金用潤滑剤であるステアリン酸亜鉛粉末をV型混合機などの粉末混合機で単純に混合した粉末。従来は、焼結メーカーで、鉄粉、銅粉、黒鉛粉、およびステアリン酸亜鉛粉末を混合した後、成形工程で使用する例が多く、特に、0.8%のステアリン酸亜鉛粉末を含む混合粉は、実質的に粉末冶金業界における標準配合となっている。

(注6)例えば、密度7.10Mg/m3の製品を成形する場合、標準混合粉は559MPaの成形圧力を要するが、『JIPクリーンミックスHDX』では490MPaで成形が可能であり、製品の成形圧の低減が可能となる。(図1)

(注7)仮に、最大容量が4,000kNの成形機を保有する焼結部品メーカーが、直径100mmで密度7.10Mg/m3大型歯車新規部品の製造を検討する場合を想定する。部品の成形に必要な成形荷重(*)は、標準混合粉で4,678kN、『JIPクリーンミックスHDX』では3,844kNとなる。このため、標準混合粉を使用する場合、5,000kN級の大型成形機の導入が必要となるが、『JIPクリーンミックスHDX』を使用すれば、現有の4,000kN成形機でこのような大型部品の製造が可能となる。

*添付資料あり。

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