JFEスチール、自動車構造部材用「780MPa級GAハイテン」を量産開始
超高加工性780MPa級GAハイテンの量産開始
当社はスズキ株式会社と共同で、従来比2倍以上の優れたプレス成形性をもつ自動車構造部材用780MPa級GAハイテンを開発、実用化いたしました。この材料は、スズキ株式会社が本年1月より発売している「MRワゴン」の構造部材に初めて採用されています。
プレス加工時の成形性を高めるために、延性と穴拡げ性のバランスを向上させることを主眼に開発し、従来品の2倍以上の高い穴拡げ性を実現しました。ハイテン成形時にプレス割れの主原因となる剪断端面からの亀裂発生を、最小限に抑制することができます。化学成分を狭レンジに制御する高精度成分調整技術、延性と穴拡げ性を両立させた複合組織制御技術、量産時にも優れためっき品質を確保する連続溶融めっき技術の確立により開発されたものです。
この技術開発により、従来270MPa級鋼板が使用されていた大型部材に780MPa級のハイテン材を適用することが可能となりました。取り付けられていた補強部材が不要となり、構造部材の軽量化や、プレス型費および組み立て工数の削減が可能となっております。今回のケースでは270MPa級鋼板を使用した場合と比較して25%の軽量化が達成されております。
当社は、自動車分野において、素材供給のみならず、その加工・利用技術も含めて、開発初期段階からお客様と共同開発を行うEVI(Early Vendor Involvement)活動に積極的に取り組んでおります。その一環として昨年8月にスチール研究所千葉地区内にカスタマーズ・ソリューション・ラボ(CSL)をオープンし、当社が開発したオンリーワン、ナンバーワン商品・技術をお客様にお使いいただくためのサポート体制を確立しております。