セイコーNPC、マルチチャンネルディレイコントローラ「SM5921AF」の量産出荷を開始
リップシンク機能に有効、
8チャンネルディレイコントローラ「SM5921AF」量産出荷開始
セイコーNPC株式会社(略称:NPC、本社:東京都中央区日本橋兜町15番6号、社長: 五味 佳文)は、外部SDRAMと接続し、最大8チャンネルのオーディオデータに遅延時間を容易に付加可能なマルチチャンネルディレイコントローラ「SM5921AF」を開発し、量産出荷を開始しました。
フラットパネルテレビなどの映像機器が広く普及し、これに伴い、マルチチャンネルAVレシーバやホームシアターシステムなどのAV商品に関心が高まっています。音声と映像信号を同時に処理するAV商品においては、一般的に音声信号に比べ、データ量の大きい映像信号の処理時間が長くなり、映像が音声信号より遅れて表示される問題点がありました。そのため、声と口の動きを同調させる補正機能(リップシンク機能)への要求が強く高まっています。
加えて、AV商品では、今後、次世代光ディスク対応製品の市場拡大が予想されます。
音声面においては、8チャンネルなど、次世代音声コーデックの採用が予定されており、マルチチャンネル化への対応も必要になります。
この度リリースした「SM5921AF」は、外部SDRAMを介してオーディオデータを蓄積し、任意のアドレスにアクセスすることにより、各チャンネルデータに遅延時間を付加することができます。メインMCUインターフェースからコントロールすることにより、遅延時間が容易に設定可能です。また、最大8チャンネルの入出力信号、32kHz~192kHzのサンプリングレートに対応しています。
本製品を使用することにより、従来、オーディオDSPなどで処理していた負荷の重いメモリアクセス処理を大幅に軽減することができます。加えて、マルチチャンネル化の進む音声データを幅広くカバーし、取扱う音声信号のサンプリングレートを限定せず、遅延時間を付加することが可能です。また、「SM5921AF」は各チャンネルデータにそれぞれ独立した遅延値を設定できるため、音声出力タイミングの調整に有効で、視聴環境に合った音場空間の補正処理を簡易に実現することができます。
NPCでは、今後も多様なアプリケーションに対応する、お客様のニーズに合った製品展開をめざして行きます。
[新製品概要]
製品名: SM5921AF
サンプル価格: 750円/個(税込価格:787円/個)
量産出荷時期: 2006年9月
量産予定数量: 20万個/月
[新製品の主な特長]
・サンプリング周波数:fs=32kHz~192kHz対応
・システムクロック入力:64fs(fs=32kHz~192kHz)
・データ入出力:3線シリアル8ch PCM,64clock/slot
・最大遅延値
1365.3ms@fs=48kHz
682.7ms@fs=96kHz
341.3ms@fs=192kHz
・アドレスシフタ機能:遅延設定値を変えることなく遅延時間を1倍/2倍/4倍にすることが可能
・ダイレクトミュート機能
・MCUインターフェース:3線式シリアル
・SDRAM I/F
16M(2×0.5M×16bits)
64M(4×1M×16bits)
128M(4×2M×16bits)
・3.3V単一電源
・パッケージ:64ピンQFP
◇NPCは、1975年に設立、操業を開始したセイコーグループの半導体IC専業メーカーです。
◇日本プレシジョン・サーキッツ株式会社は、2006年4月1日より社名を「セイコーNPC株式会社」に変更いたしました。