ＳＴマイクロ、電子パスポートなど向けデュアル・インタフェース・セキュアＭＣＵを発表
ＳＴマイクロエレクトロニクスは電子パスポートやＩＤカード・プログラム向けの高速化／小型化されたデュアル・インタフェース・セキュアＭＣＵを発表
生体認証や個人情報のデータ格納に適する、実証済みのシリコン・テクノロジーを使用した強化型セキュアＩＣ
２５年以上にわたってセキュア・マイクロコントローラ市場の主導的立場を担ってきたＳＴマイクロエレクトロニクス（ＮＹＳＥ：ＳＴＭ、以下ＳＴ）は、電子パスポート、ＩＤカード、および関連アプリケーションの性能向上を目的に設計された、６６ＫバイトのＥＥＰＲＯＭを内蔵する新しいデュアル・インタフェース・セキュア・マイクロコントローラＳＴ１９ＮＲ６６を発表しました。デュアル・インタフェースとは接触と非接触の両方においてオペレーションを可能にするもので、新しいＳＴ１９ＮＲ６６は、２年前に発売されて成功を収めた旧モデルＳＴ１９ＷＲ６６をベースに、クロック速度の高速化、消費電力の削減、ダイ・サイズの小型化を実現した、最新のパッケージング条件に対応する製品です。
ＳＴ１９ＮＲ６６は先進的かつ極めて信頼性の高い０．１５ミクロン技術を使って製造され、生体認証記録および個人情報の格納に関する国際民間航空機関（Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｃｉｖｉｌ Ａｖｉａｔｉｏｎ Ｏｒｇａｎｉｚａｔｉｏｎ：ＩＣＡＯ）の基準に完全準拠しています。政府、システム・インテグレータ、およびインレイのメーカー各社に、クラス最高の性能を誇る安全かつ相互運用性に優れたソリューションを提供します。
２００６年６月にドイツのベルリンで開催された電子パスポート相互運用性テスト・イベントにおいて、この新しいＳＴのデバイスは優れた成績を達成し、入手可能なＩＣＡＯ準拠の非接触リーダすべてとの完全な相互運用性を示しました。ＢＡＣ（Ｂａｓｉｃ Ａｃｃｅｓｓ Ｃｏｎｔｒｏｌ）暗号化方式を使用して、典型的な電子パスポート・アプリケーションのトランザクション時間を３秒以下に短縮しています。
ＳＴ１９ＮＲ６６には、公開鍵暗号用の１０８８ｂｉｔ Ｍｏｄｕｌａｒ Ａｒｉｔｈｍｅｔｉｃ Ｐｒｏｃｅｓｓｏｒ（ＭＡＰ）、強化型ＤＥＳ（ｅＤＥＳ）エンジン、およびＡＥＳ－１２８（Ａｄｖａｎｃｅｄ Ｅｎｃｒｙｐｔｉｏｎ Ｓｅｒｖｉｃｅｓ）ソフトウェア・ライブラリ機能が含まれています。これらの先進的暗号化機能により、機密性の高い個人データ・レコードの格納、認証、およびデジタル署名に不可欠な、迅速なデータ暗号化／復号化を可能にします。
ＯＳ、およびプログラム・コード格納用に、２２４ＫｂｙｔｅのユーザＲＯＭが用意されています。６ＫｂｙｔｅのユーザＲＡＭと、先進的な８ｂｉｔセキュアＭＣＵの処理能力を組み合わせることにより、製造時におけるパスポートやＩＤカードの迅速なパーソナライズ、および現場での迅速なＩＤ検証に欠かせない、高速データ処理を実現しています。ＩＳＯ１４４４３－Ｂ適合ＲＦＩＤインタフェースを供給してきた経験により、ＳＴ１９ＮＲ６６においても非接触動作用に８４８ｋｂｉｔ／ｓの高速インタフェース搭載が可能となり、テストおよびパーソナライズに要する時間をさらに短縮されます。従って、入出国管理における電子文書の検証がスピードアップします。
ＳＴのデジタル・セキュア・アクセス部門ジェネラル・マネージャであるＣｌａｕｄｅ Ｄａｒｄａｎｎｅは次のようにコメントしています。「ＳＴは、業界が必要としている最先端のＩＤ認証製品を市場投入することにより、大きな進歩を遂げようとしています。またＳＴ１９ＮＲ６６は、重要な高度セキュリティＩＤプログラムに適合する安全性、性能、および機能を提供します。」
実証済みのシリコン・テクノロジー、世界トップクラスの製造能力、およびこの市場における長期にわたるリーダーとしての経験を持つＳＴは、ＩＤカードやパスポートなどの主要な政府プロジェクトにとって理想的なパートナーです。ＳＴは、先駆的な日本の住基カード・プログラム（ＳＴ１９ＸＲ３４セキュア・デュアル・インタフェースＭＣＵを使用）、インドの運転免許証、フランスの健康保険カード、およびイタリア、スペイン、マレーシア、タイのＩＤカードを含む、複数の革新的な政府出資プログラムに参加しています。
ＳＴ１９ＮＲ６６は電子パスポート・プログラムの立ち上げ用として出荷が可能です。ＩＳＯ１５４０８「Ｃｏｍｍｏｎ Ｃｒｉｔｅｒｉａ」の評価保証レベル（Ｅｖａｌｕａｔｉｏｎ Ａｓｓｕｒａｎｃｅ Ｌｅｖｅｌ）ＥＡＬ５＋（要件追加版）認定済み製品の量産は、２００６年第３四半期を予定しています。チップの他に、ＩＣＡＯ仕様に適合する非接触パッケージも出荷予定です。
【 ＳＴマイクロエレクトロニクスについて 】
ＳＴマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。ＳＴは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いＩＰ（Ｉｎｔｅｌｌｅｃｔｕａｌ Ｐｒｏｐｅｒｔｙ）ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力との組合わせにより、ＳｏＣ（システム－オン－チップ）技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。またＳＴの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。ＳＴは、ニューヨーク証券取引所（ＮＹＳＥ：ＳＴＭ）、パリ証券取引所（Ｅｕｒｏｎｅｘｔ Ｐａｒｉｓ）とミラノ証券取引所に上場されています。２００５年の売上は８８．８億ドルで、純利益は２億６６００万ドルでした。
さらに詳しい情報はＳＴのホームページをご覧ください。
ＳＴ日本法人： http://www.st-japan.co.jp
ＳＴグループ（英語）： http://www.st.com
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