ファルマデザイン、創薬研究用ペプチドライブラリの限定・予約販売を開始
創薬研究用ペプチドライブラリ「PharmaGPEP(TM) ver.3SP」の限定・予約販売を開始
株式会社ファルマデザイン(本社:東京都中央区、代表取締役社長:古谷 利夫)は、バイオインフォマティクス技術を用いて選択したヒト新規生理活性ペプチド探索用ペプチドライブラリ「PharmaGPEP(TM) ver.3SP」の開発が終了し、限定・予約販売を開始することをお知らせいたします。
株式会社ファルマデザインのヒト新規生理活性ペプチド探索用ペプチドライブラリ「PharmaGPEP(TM)シリーズ」は、2004年1月に「PharmaGPEP(TM)」が発売され、昨年12月にはジスルフィド結合をもつペプチドを選択した「PharmaGPEP(TM)ver.2S」が発売されどちらも、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)を対象とした創薬研究をおこなっている製薬企業から好評を博しています。
「PharmaGPEP(TM)ver.3SP」はこれらに続く、3番目のペプチドライブラリとなります。
今回のライブラリ「PharmaGPEP(TM)ver.3SP」には従来の方法に加えて、株式会社ファルマデザインに固有の以下の2つの予測方法を用いて絞り込んだペプチドが含まれています。
1)ヒト既知生理活性ペプチド切断部位の修飾・配列情報に注目した予測
ヒト既知生理活性ペプチドの多くがC末端アミド構造を有している点に着目して、ペプチド前駆体候補から、ペプチド切断部位の配列情報のパターンマッチングを用いて、C末端アミド構造をもつペプチド候補および、前駆体より生じるペプチド候補を網羅的に予測しました。
2)ヒト既知生理活性ペプチド切断部位の配列・構造情報に注目した予測
ヒト既知生理活性ペプチドの切断部位を収集、整理分類し、切断部位のアミノ酸配列出現頻度をHMM(Hidden Markov Model)※を用いて予測するとともに、独立行政法人産業技術総合研究所生命情報科学研究センターとの共同研究により開発した、タンパク質のdisorder領域(ある特定の立体構造をとらない領域)などの、複数の構造情報を機械学習させてペプチド候補を網羅的に予測しました。
本製品は8セット限定で提供いたします。また、2006年11月30日(木)までを予約販売期間とし、それまでにご注文をいただいたお客様へは予約販売価格を適用させていただきます。
■ 「PharmaGPEP(TM)」シリーズについて
創薬の研究分野としてGPCRは多くの製薬会社が取り組んでいる魅力的な標的です。内在性リガンドが不明なオーファンGPCRはまだ多く残されていることから、これらの脱オーファン化は熾烈な競争となっています。GPCRの内在性リガンドとして同定されたペプチド配列そのものでは配列の規則性や特徴を見出すことはできませんが、当社の研究で、これらのペプチドの前駆体の配列からペプチドが切断される配列や構造に関する特徴を見出し、抽出することに成功しました。そして、その特徴をバイオインフォマティクス手法により学習させて、これらの特徴を有するペプチド候補をゲノムワイドに探索し、GPCRに結合するペプチドリガンド候補を選択し、それらを化学合成したペプチドライブラリが「PharmaGPEP(TM)」シリーズです。バージョン毎に予測アルゴリズムの改良、新規開発を行っています。
■ 株式会社ファルマデザインについて: http://www.pharmadesign.co.jp/
バイオインフォマティクスとドラッグデザインを事業の中核としたゲノム創薬ベンチャー。ゲノム創薬に関する受託研究と、独自にタンパク質の立体構造からその機能をコンピュータで推定することにより創薬標的分子を探索し、医薬品のリード化合物を見出す研究を行なっています。また、オーファンGPCRを標的とした創薬研究のために、内在性リガンドを探索するヒト新規生理活性ペプチド探索用ペプチドライブラリや、GPCRの立体構造モデルに対するバーチャルスクリーニングによって選択されたフォーカスト化合物ライブラリを開発し、in silico創薬研究および創薬支援事業に特化したビジネス展開をしています。
■ 製品情報
製品名 :「PharmaGPEP(TM)ver.3SP」
内 容 :約350種類のアミノ酸残基数6~40のペプチド各100nmolで構成されたペプチドライブラリ
希望販売価格:735万円(消費税込)
予約販売価格:588万円(消費税込)(2006年11月30日までにご注文をいただいたお客様限定)
発売予定日 :2006年12月中旬
提供数量 :8セット限定
※Hidden Markov Model:確率モデルの一つである。「システムがパラメータ未知のマルコフ過程である」と仮定し、観測可能な情報からその未知のパラメータを推定する。音声認識、ゲノミクス、形態素解析(自然言語処理)などに応用されている。